日本共産党員に訴える(下) 「国民連合政府」は革命の解体青年の未来かけ革共同で闘う 坂本晴幸

週刊『前進』04頁(2725号04面02)(2016/02/22)


日本共産党員に訴える(下)
 「国民連合政府」は革命の解体青年の未来かけ革共同で闘う
 坂本晴幸

オール沖縄とは

 日本共産党県委員会の話の中に「『オール沖縄体制』をどう評価するか?」「『国民連合政府』で市民の『成長』」「『国民連合政府』は、レーニンの『統一戦線』である」というのがありました。日本共産党は「民主集中制」を採る「一致団結政党」であり、県委員会の言ったことは、すなわち、日本共産党中央部の高らかなる「宣言」だったのです。
 というわけで以下、日本共産党批判を語り、決着とします。
 まず、「オール沖縄体制」の評価について。沖縄の現地は、いわゆる「オール沖縄体制」の殻を破り、まさに実力でアメリカ軍と基地を追放し、「日米安保」を粉砕するという新たなステージに移行しています。
 それに対して「オール沖縄体制」は、現地の非和解の「絶対反対」と怒りの決起を、まさに「議会主義」「手続主義」で抑え込み、政府の思惑へと暴力的に「和解」させる機能しか果たさなくなっています。
 また、県委員会は「沖縄の闘いを全国に広げるということを、第3回中央委員会総会でやった。この国民連合政府は、その延長線上にあることだから、わざわざ国民連合政府について地区党会議や県大会、全国大会などをやる必要はない。まして、党員同士で国民連合政府の方向性や可否などを議論する必要は一切ない」としました。
 そうであるならば、なおさら「沖縄の実力闘争を全国に! 日本共産党は、その前衛たる党として、実力闘争を支持し、連帯します!」と、9月19日に示すべきだった。

議論を封殺する

 日本共産党の「規約」には「民主集中制」を担保し補強するべく「党の方針は、全党員がジックリ議論して決めよう」という旨の規定があります。「国民連合政府構想」は、日本共産党創設以来の「一大壮挙」であるにもかかわらず「国民連合政府について党員が議論する必要はない」と言うのでは、党中央部の「規約」違反の可能性が出てくることになります。
 私と交流した市民団体の多くが「国民連合政府で安倍を倒しても、また自民党政権になったら元通りではないか!」と冷静な指摘をし、「やはり社会の根本を実力で変えなくては」と「成長」を果たしています。図らずも『国家と革命』の復権が、人民の実践の中から生まれてきています。
 日本共産党は「野党の声を受け止めるのが、民主主義であり立憲主義。民主主義守れ! 立憲主義守れ!」と宣伝していますが、「国民連合政府」にあっては、自民党とかの連中が「野党」となるわけです。また自民党が政権奪取すれば、再び「閣議決定」や「戦争法強行」という「大前例」をつくり出すと見るべきだと考えます。
 やはり、〈マルクス主義・レーニン主義の復権〉=〈実力革命と世界革命の断行〉こそ、真に戦争を打ち砕く本物の展望です。
 ですが、そういった市民団体の「指摘」に対しても、県委員会からは一切の反論がありませんでした。結局、「国民連合政府」は、無邪気極まる構想だったわけです。そして、人民の「成長」が〝実力闘争〟の新たなステージにある現状では、「国民連合政府構想」は始まる前から〝死滅〟しているのです。

「統一戦線」解体

 「国民連合政府は、レーニンの『統一戦線』」とする見解は、レーニン主義の解体攻撃です。レーニンの「統一戦線」とは、ブルジョア政府が行うさまざまな政策部分での「絶対反対」の輪でつながることです。
 私は、総選挙や地方議会選挙でのビラの全戸配布闘争、他市の選挙応援闘争で、図らずも、「統一戦線」で人民と寄り添う闘いをやっていました。当時の『赤旗』『民青新聞』でも、党員や民青の同盟員一人ひとりが「統一戦線」形成の闘いをやっていることが書かれていました。その結果、私がいた地区委員会では、地方議会選挙で議席の大幅確保という大躍進を勝ち得ました。
 しかし、「国民連合政府」は、県委員会が最終的に白状したように、〝他の政策を差し置いた戦争法廃絶への一点共闘〟が本旨であり、さまざまな政策部分での「絶対反対」の輪=「統一戦線」を破壊するものです。
 すなわち、「国民連合政府」は、党員や民青同盟員の「統一戦線」の闘いを、共産党中央が裏切り木っ端みじんに打ち砕くということであり、断じて許されない。「国民連合政府」の実態は、スターリン主義の「人民戦線」です。
 県委員会が最終的に白状した「『戦争法』廃絶の一点共闘だ。他の政策は、取り扱わない」というのは、一層許されません。
 「高校・大学等学費全面無償化」や「ブラックバイト根絶」などなど、「戦争法」廃絶以外でのさまざまな青年の要求が切実に提出されるわけですが、〝他の政策を差し置いた戦争法廃絶の一点共闘〟である「国民連合政府」では、そういった要求は棄却されるということです。もはや日本共産党は、青年の切実でさまざまな要求を託す機関として、あまりにも不適格な機関になったと言わざるを得ません。
 やはり、青年の要求は、議会を通じて達成させるのではなく、これまでの「政府機構」などを打ち破って、青年自身が「政府」となってかちとらねば……このことが、この激動の時代で明確になったわけです。
 県委員会は、「国民連合政府」や日本共産党の方針に対して疑問を申し立てた私に対して、「国民連合政府に従わないのは敵だ!」と言い放った。つまり、日本共産党は「国民連合政府」に疑問を持つ人民を敵とみなし、攻撃を加えると「宣言」したわけです。
 「反帝・反スタ世界革命綱領」を非転向で闘う革共同の党員が不当逮捕されている中で、「国民連合政府構想」を打ち出した日本共産党の党員が「不当逮捕」された……なんていう話は一切聞きません。
 人民の「成長」はすでに飽和状態となり、シールズや市民連合のコントロールから離れ、「自分たちの実力で社会を変えていこう」となってきています。

魂を解放した!

 「革命の現実」に対して誠実に連帯するのか? それとも「野党共闘」にこだわるのか? まさにそれが強く問われているのです。
 よって、私は、日本共産党と民主青年同盟ではなく、革命的共産主義者同盟で闘いを進めていくことを決断いたしました。
 私としては、日本共産党の党員、民主青年同盟の同盟員も、ぜひとも、本物のマルクス主義=革命的共産主義者同盟の旗のもとに結集するべきだと考えます。かつての「闘士」たちが今も生きていれば、私と同じ「選択」を決断したことでしょう。
 2月14日には各地で「国鉄集会」が開催されました。そのプログラムは、〈日本共産党と民青が本来果たすべき役割だったもの〉=〈本物のマルクス主義・レーニン主義〉=〈私が共産党と民青でやりたかった「闘い」〉を示すものでした。
 共産党の党員や民青の同盟員に訴えます。本物のマルクス主義・レーニン主義を復権させていきましょう!
 私は、日本共産党と民主青年同盟中央部への批判を語った。
 私は、私の魂を解放した。
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