京大弾圧勾留理由開示公判 6学生と共に裁判所圧倒

週刊『前進』04頁(2733号01面02)(2016/03/21)


京大弾圧勾留理由開示公判
 6学生と共に裁判所圧倒


 3月14日、京都大学反戦バリスト弾圧で不当逮捕・勾留されている全学連6学生の勾留理由開示公判が京都地裁(京都簡易裁判所、第1グループ・上垣猛裁判官、第2グループ・辻秀樹裁判官)で開かれた。前日の「6学生奪還!京都デモ」の熱気を引き継ぎ、闘う京大生と全学連、関西の労働者など約100人が駆けつけ、裁判所は全一日にわたり怒りに包まれた。
 公判手続きに先立ち、6学生奪還の緊急署名の京都地裁への提出行動が闘われた。署名は2週間で1274筆も寄せられた。許せないことに京都地裁は「署名は受け取らない」とはねつけようとしたが、これに猛抗議してついに受け取らせた。
 公判手続きは3人ずつ2回にわたり行われた。約40人の傍聴席の前列は京大生で埋められた。第1グループは午後1時に開廷し、3人が意気軒高とした表情で次々に出廷。傍聴席から大きな拍手と歓声、再会を喜ぶ笑顔があふれた。同時に、警察官に両脇を挟まれ手錠と腰縄でつながれた姿に「仲間を返せ!」と怒りが爆発した。
 上垣猛裁判官が勾留状を読み上げた。「捜査に一切協力しない態度……逃亡の恐れがあるとする相当の理由」と述べた瞬間、「黙秘が勾留の理由か!」と傍聴者が次々と弾劾。あまりの怒りの激しさに対応不能に陥った上垣は突如、「全員退廷!」と叫んだ。法廷内に警察権力がなだれ込み傍聴者全員の暴力的排除が始まった。前代未聞の異常事態だ。「裁判所、恥を知れ! 退廷命令撤回しろ!」と傍聴者全員が徹底弾劾し「6学生がんばれ! 釈放しろ!」とシュプレヒコールが法廷内外でとどろいた。
 第2グループは午後3時に開廷した。今度は法廷前の通路に机が置かれて封鎖された。3人が元気に出廷。勾留中の6人全員が裁判官による人定質問にも完黙を貫いた。
 辻秀樹裁判官が読み上げた勾留状は、検察・警察の言うがままに弾圧に加担する裁判所の犯罪的な姿をさらした。弁護団の求釈明にも裁判官・辻は「捜査の密行性」を盾に回答を拒み、あるいは「大学の業務、大学の自治についてはいろいろな見解があることは裁判所も承知している」などと言い逃れに終始した。
 弁護団が意見陳述を行った。堀和幸弁護人は、「裁判所の言う理由では勾留は正当化されない。6人は直ちに釈放されるべき」と断言し、森川文人弁護人は「本件の本質は学生の大学における戦争反対のストライキ。戦争反対の学生を裁く裁判所に未来はない」と語気を強めた。西村正治弁護人は京都学連事件の歴史をひもとき、「歴史の分岐点だ。アジア・太平洋戦争に向かった歴史を繰り返してはならない」と裁判所に強く迫った。
 閉廷後、裁判所内の弁護士控室で総括集会を行った。弁護団のあいさつに続き、坂野陽平・全学連書記長が「署名をもっと集め、3・17に再び大デモを」と方針を提起した。3月13〜14日、権力を怒りで圧倒する闘いが展開された。京大反戦スト弾圧粉砕、6学生奪還へ総力で闘いぬこう。
このエントリーをはてなブックマークに追加