動労総連合が全国で春闘行動

週刊『前進』04頁(2737号02面01)(2016/04/04)


動労総連合が全国で春闘行動

動労福島
 結成初のストを貫徹
 車体科2組の外注化阻止へ

(写真 動労水戸も駆けつけJR仙台支社に怒りのシュプレヒコールをたたきつけた【3月24日】)

 動労福島は3月24日、郡山総合車両センターの業務外注化に反対し、橋本光一委員長の指名ストライキを決行した。JR東日本は28日から車体科2組などの外注化を強行しようとしている。これに対し、全組合員と支援40人が組合結成以来初のストを終日、闘った。
 早朝から郡山総合車両センターの各門に「本日ストライキ」のボードが掲げられた。橋本委員長がアピールする中、普段はチラシを受け取らない人も含め、ほとんどの労働者がチラシを読みながら構内に入っていった。
 昼休みには工場1周デモに立った。業務中は機械音がうるさい工場内も昼休みは静かだ。そこに「外注化粉砕、非正規職撤廃、動労福島に入ってストライキで闘おう」という倉岡雅美組合員のよく通る声が響き渡った。郡山の職制に加え、仙台支社から来た10人もの職制が各門に張り付いたが、職場の休憩所などではデモに注目する労働者が窓際に集まり、何人もがデモ隊に手を振った。
 常磐線の全線開通に向け、原ノ町駅に5年間放置されていた651系車両(スーパーひたち)4両と415系車両4両が1週間前に郡山総合車両センターに搬入され、関連会社による解体作業が予定されている。動労福島は、放射線量の測定や防護対策も行わずに労働者に被曝作業を強制しようとしている仙台支社に対し、被曝労働をさせるなと要求している。この車両を間近に見て、「被曝労働絶対反対、被曝労働拒否のストライキで闘おう」と、デモ隊のコールにも力がこもった。動労総連合・新潟、全金本山労組、ふくしま合同労組の仲間が「ストライキで闘おう、動労福島に入ろう」と工場内の労働者にアピールした。
 夕方には仙台に移動し、仙台支社への抗議行動を展開した。橋本委員長の「外注化を止めるために動労福島をつくった」という力強いアピールに続き、仙台まで駆けつけた動労水戸の石井真一委員長、照沼靖功さん、會澤憲一さんが「安倍政権打倒、常磐線全線開通絶対阻止、腐ったJRとこの社会をひっくり返すため動労総連合に入って闘おう」と呼びかけた。全金本山労組の鈴木義和委員長、みやぎ連帯ユニオンもアピールし、全員で「外注化絶対阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否、戦争絶対反対、安倍とJRを打倒しよう」とシュプレヒコールをたたきつけた。
 階級的労組を軸に地域の仲間が団結を拡大する新たな国鉄決戦が始まった。
(動労福島・E)

動労西日本
 奈良を拠点にスト
 外注化粉砕へJR揺るがす

(写真 吹田総合車輌所奈良支所を包囲しデモに立つ【3月24日】)

 動労西日本は3月24日、橘日出夫組合員が働く吹田総合車輌所奈良支所(旧奈良電車区)を拠点にストライキに立った。16日の広島印刷事業所、18日の福知山駅でのストに次ぐ第3波ストは、JR西日本本社、近畿統括本部、大阪支社を揺るがした。
 JR西日本は2010年の機構改悪で電車区を解体し、それまで一緒だった運転士と車両検修を分離した。JR東日本に追いつき追い越せと、車両検修業務の全面外注化をにらんだ組織再編をしかけてきたのだ。これを突破口に尼崎事故を全面的に居直り、全事業の外注化・非正規職化を強行しようと構えている。
 JR西日本は本社、近畿統括本部、大阪支社の労務担当のすべてを駆り出してスト圧殺を策してきた。動労西日本はこれをはね返し、力勝負でストを貫徹した。
 午前7時30分、平城山(ならやま)駅に先発隊が登場した。物々しい体制を敷くJR西日本の妨害をはね返し、動労西日本はストを告げる本部情報を2カ所の入り口で配布した。ビラを受け取った労働者は圧倒的に活性化した。
 支援の労働者・学生が続々と結集する中、9時から山田和広書記長の司会で集会を開始し、橘組合員がスト突入を宣言した。橘組合員はまず、JR西日本のベア超低額回答を弾劾し、「安倍の外注化・労働法制改悪、朝鮮侵略戦争のための10割非正規職化を許さない。分断をのりこえ、正規・非正規の労働者の怒りが爆発する時代が来ている。民主労総と連帯してゼネストを闘い安倍を打倒しよう。戦争を阻止する力ある労働運動が求められている。労働者の団結で戦争を阻止し社会を変えよう」と訴えた。
 東元(あずまはじめ)組合員が「不当配属職場の大阪事業所でストに突入した。大阪事業所を解体し元職場に戻せ」とアピールした。原田隆司近畿支部長が、第2波ストに続き24時間ストに立ったと述べ、労働者をモノ扱いする契約社員制度撤廃へ、契約社員と団結して闘う決意を示した。
 地元の奈良市従教育支部、関西合同労組奈良支部がアピールし、全国水平同盟、ユニオン自立、関西合同労組大阪東部支部の連帯のあいさつが続いた。京大反戦バリストへの弾圧を実力で粉砕し6学生を奪還した全学連が意気高く発言した。
 集会後、結集した50人が奈良支所包囲デモを貫徹した。
 さらに、JR奈良駅前での街頭宣伝も展開し、1047名解雇撤回の国鉄新署名に取り組んだ。
 午後2時からJR西日本本社前行動に立ち、指名ストを闘いとった広島支部や米子支部の組合員と合流して、JR西日本に怒りをたたきつけた。

三江線廃止に反対
 地元の江津で集会と街宣

 動労西日本は3月21日、島根県江津市の総合市民センターで三江線廃止に反対する現地集会を開催した。
 集会に先立ちJR江津駅前で街頭宣伝を行った。駅前は閑散としていて乗降客も少なかったが、地元の労働者がビラまきに積極的に参加するなど、三江線廃止反対の訴えには誰もが注目し、大きな手ごたえがあった。国鉄解雇撤回の新署名も次々と集まった。
 集会はNAZEN山陰の仲間が司会を務めた。主催者あいさつに立った大江照己委員長は、三江線の廃止に沿線の自治体・住民が真っ向から反対している中で、動労西日本だけがその思いに応えて、JR内で労働組合として絶対反対を掲げて闘っていることの意義を強調した。
 基調を報告した鷲見貢・米子支部長は、国鉄分割・民営化が根底的に破産している現実をデータを駆使して暴き出し、「水平分業」と称する全面外注化・総非正規職化やローカル線切り捨てにのめり込むJRを徹底的に弾劾した。そして、三江線廃止絶対反対の闘いは新自由主義を粉砕する闘いであり、労働者・労働組合と住民が団結して闘う中に勝利があると鮮明に打ち出した。
 岡崎昭夫執行委員が、3月16日の広島印刷事業所での第1波ストを全組合員の総決起と広島連帯ユニオンとの固い団結のもとに貫徹したと報告した。そして、第2波・第3波ストを貫徹し、動労西日本の組織拡大と7月の印刷事業所廃止阻止へ闘うと宣言した。
 広島から駆けつけた仲間を代表して発言した「安芸太田町学校統廃合の不条理をただす戸河内・上殿連合訴訟の会」の大江厚子さんは、JR可部線の廃止が地域社会の過疎化を一挙に促進した事実を怒りをもって報告した。安芸太田町の住民決起は、安倍政権の896自治体消滅攻撃との闘いの最前線だ。大江さんは自身の闘いの教訓から、「JRの廃線攻撃に打ち勝つ鍵は労働組合の決起にある」と訴えて、動労西日本を激励した。
 活発な意見交換が行われ、三江線廃止阻止へ沿線の人びととの団結を強め、動労総連合建設を全力で進める方針を確認した。
(山陰 T・K)

札幌 総連合の結成へ集会
 北海道新幹線開業に反撃

 3月20日、札幌で動労総連合・北海道の結成に向けた集会が開かれ20人が参加した(写真)。京大反戦ストへの弾圧を粉砕して6学生が奪還されたことを伝える学生のビラが配られ、集会が始まる前から高揚感がみなぎった。
 急な病で参加できなかった元国労札幌闘争団の長尾信一さんがメッセージを寄せ、「1047名闘争から動労千葉を排除して和解した国労は完全におかしくなっていた。自分を含め闘争団は大半が(和解に)ハンコを押したが、動労千葉や国労闘争団の4人が頑張っている。JRを許さない闘いを支援したい。皆さんと一緒に北海道に動労総連合を旗揚げしたい」と表明した。
 集会に駆けつけた国労秋田闘争団・国労組合員資格確認訴訟原告の小玉忠憲さんが、「動労総連合・北海道結成の決断に感動して激励に来た。長尾さんの決断に敬意を表したい」と発言した。そして、自ら参加した動労総連合・新潟のストライキについて報告し、「非正規労働者はストで本物を認知する」と強調した。また、戦争を止め、生きぬくために安倍を打倒し階級的労働運動を創生しようと訴えた。さらに、国鉄闘争は階級的労働運動を構築する基軸となると提起し、「JR北海道の現実は分割・民営化の完全な破産を示している。年間50億円の赤字を生む北海道新幹線は、道内ローカル線8割の切り捨てに直結する。動労総連合の結成で反撃しよう」と呼びかけた。
 動労総連合・新潟からのメッセージ紹介に続き、動労総連合・北海道結成準備会が経過と方針を提起し、次のように動労総連合結成の意義を説き明かした。「北海道新幹線の開業は、新幹線そのものの安全さえ危惧されるが、赤字拡大や安全確保を口実に道内の在来線全体で利用者への負担増と路線の切り捨てが始まっている。新幹線開業に対し、動労総連合・北海道の立ち上げを今の時点で宣言して反撃を開始する」「少数でもまともな労働組合があれば、この現実は変えられる」「朝鮮侵略戦争の切迫下、民間船員の予備自衛官補としての徴用が始まっている。分割・民営化に絶対反対で闘い、国際連帯とスト、被曝労働拒否で闘う動労総連合の建設こそが戦争を止める」
 また、JR北海道の安全崩壊は島田修社長体制のもとでさらに深刻化していることを暴き、2013年度に6300本だった運休本数が14年度には8500本、15年度には1万1500本に激増している事実を指摘した。そして、この状況は外注化・非正規職化による団結の破壊と労働者から誇りを奪った結果だと述べ、「1047名の解雇撤回をかちとることが団結回復のために絶対に必要だ」と訴えた。
 さらに、先週の婦人民主クラブ全国協北海道支部の結成は、JRで働く女性労働者との結合をかけた女性たちの決起だったことを明らかにして、「産別を超えて各職場で派遣法粉砕・非正規職撤廃の闘いに立ち上がることで、動労総連合・北海道の結成を切り開こう」と方針提起を結んだ。
 星野文昭さんの弟の修三さんとそのお連れ合いのゆかりさんが連帯あいさつをし、4月で70歳を迎える星野さんを必ず取り戻そうと訴えた。
 婦民全国協北海道支部が「動労総連合とともに闘うために支部を結成した」と発言し、道南ユニオンは「動労総連合建設を日常的に闘う」と述べ、自交総連SKさくら交通労組は「自分の職場でもストをやる」と決意を示し、不起立闘争を闘う教育労働者は「動労総連合を支える運動に全労働者を獲得しよう」とアピールした。全参加者は確信も固く団結ガンバローのこぶしを挙げた。
(札幌 J・S)

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