3・11福島行動が開いた展望 福島の根底的怒り解き放ち反原発と国鉄決戦が一つに 動労福島先頭に国鉄決戦の力で勝利開く

週刊『前進』04頁(2737号03面04)(2016/04/04)


3・11福島行動が開いた展望
 福島の根底的怒り解き放ち反原発と国鉄決戦が一つに
 動労福島先頭に国鉄決戦の力で勝利開く


 2016年の3・11反原発福島行動は、朝鮮侵略戦争前夜情勢のもと、安倍政権による京大反戦ストライキ弾圧と真っ向から激突して、動労総連合を先頭に階級的労働運動と国鉄決戦の力で一切を決していくという力強い闘いとして打ちぬかれた。
 3月5日に安倍が南相馬市の小高駅を訪問し、JR東日本の冨田哲郎社長を同席させて2019年度中の常磐線全線開通を宣言した。こうした帰還強制、福島圧殺に対し、福島、東北を先頭に全国から結集した1050人の安倍打倒の怒りが、今や全国に充満する「日本死ね!」の怒りを体現して爆発した。それはデモに対する郡山の街頭の熱い反応に示されたように、根底的な福島の怒りと結合した。
 全学連6学生奪還の歴史的勝利は、京都で瞬く間に2500筆を超えた「ただちに釈放せよ」の署名に示される労働者階級人民の戦争絶対反対・安倍打倒の怒りが実現したものである。不当弾圧は、その怒りへの国家権力の恐怖の表れだ。
 大恐慌と戦争の時代はけっして「暗黒の時代」ではない。絶対反対の実力闘争で闘う党と労働組合、学生自治会の拠点が打ち立てば、労働者階級はこの社会を革命する力を持っている。
 日本共産党京都府委員長自らが、京大ストライキに対して「不法占拠」「法の裁きを求めた大学の対応は当然」と言い放ったように、労働者・学生の闘いに「法律内で」とタガをはめ、絶望を組織するのが日本共産党スターリン主義と体制内諸勢力だ。
 今年の3・11福島行動をめぐっては、会場を確保する段階から国家権力と市当局の妨害が相次いだ。あらかじめ保証されたものなど何ひとつない中で、立ちふさがる壁を一つひとつ団結の力で打ち破って勝利をもぎり取ってかちとられたものだ。その原動力は、福島の怒りと、労働者階級人民の根底的な決起への限りない信頼だ。
 それは同時に、全世界で立ち上がる労働者階級人民との国際連帯の力への確信でもあった。

外注化阻止!3・24ストと一体で闘った

 とりわけ、朝鮮半島が一触即発の状況にある中で、「戦争阻止・労働法制改悪阻止」のゼネストを何波も闘いぬいている民主労総のソウル地域本部から「ともに連帯して闘う」というメッセージが寄せられたことは、参加者全体に絶大な力を与えてくれた。
 今年の3・11闘争は、動労福島の3・24ストライキと一体の闘いとしてかちとられた。
 昨年9月、動労水戸に続く被曝労働拒否を闘う労働組合拠点が福島の地に打ち立ったことに国家権力は戦々恐々となり、結成直後からJR資本とともに動労福島つぶしに全力を挙げてきた。3月16日には、天皇の被災地訪問警備にかこつけて、郡山駅勤務の組合員に対する尾行や張り込みが行われたが、これらはみな、JR資本の容認のもとに行われたものだ。3・11闘争破壊、組合破壊そのものだ。
 JR資本も関連会社も今や動労福島対策できりきり舞いだ。結成から半年もの間、団交に一切応じようとしなかったJR東仙台支社が、動労福島の3・24ストライキ方針を知るやいなや「3月24日に団交をしましょう」などと言い出し、JR東日本本社ともども右往左往するありさまだった。
 外注化はJR東労組や国労など体制内労組幹部が屈服・容認することで成り立っている。「絶対反対」を貫いてストライキで闘う労働組合が登場したら、たちまち現場にうず巻く怒りに火が付くというリアリズムに、JRは死の恐怖を感じているのだ。
 動労千葉の闘いがCTS(千葉鉄道サービス)全体に波及することを恐れてCTSが就業規則の変更を断念したように、今や動労総連合が現場のヘゲモニーを完全に握りつつある。JR東労組水戸地本の「スト権模擬投票で90%以上の信任」というのもまるで漫画だが、これは青年組合員が根底的な決起を開始している動労水戸に、一気に組合員を取られてしまうという危機感の表れだ。青年を始め労働者の怒りを束ねる労働組合の登場が一切を決する情勢だ。動労総連合を全国に建設することは、労働組合と労働を奪い返す根底的な闘いだ。

被曝労働拒否で闘う労組が全行動を牽引

 3・11福島闘争には、動労総連合とともに、愛媛県職労や京都府職労舞鶴支部など全国の被曝労働拒否を貫く自治体の労働組合が結集し、集会とデモを牽引(けんいん)した。それは福島の地で被曝労働で苦闘する自治体労働者を始め多くの労働者にエールを送るものとなった。
 被曝労働拒否が労働組合の闘いの路線として位置づくことで、国鉄決戦と反原発決戦がひとつになり、再稼働を阻止することができることが示された。原発労働者をストライキで闘う労働組合に組織していく展望も開けた。今年の3・11闘争過程で切り開かれた大きな到達地平だ。
 常磐線全線開通に向け、JR東は3月14日から、原ノ町駅に5年間放置されていた651系(スーパーひたち)と415系の撤去・解体作業を開始し、JR郡山総合車両センターへの搬入を行った。事前に労働組合への通知を一切行わず、計画は極秘で進められていた。現場労働者の闘争を恐れたのだ。解体作業を行うのは関連会社の労働者だ。
 動労福島は、すべての労働者の被曝労働に反対する立場からただちにJRに対して申し入れを行い、3・24ストライキでは郡山総合車両センターのすべての労働者に、「動労福島に入ってともに被曝労働絶対反対で闘おう」と呼びかけた。

最前線で闘うふくしま共同診療所の意義

 3・11当日の「報道ステーション」が番組の冒頭45分間を使って小児甲状腺がんを特集し波紋を広げているが、福島の現実はそれほど過酷であり、かつ国家権力との死闘そのものである。
 その攻防の最前線にふくしま共同診療所が仁王立ちして、国や県と真っ向から対峙している。政府や福島県立医大、そしてそれと一体となった日本共産党や民医連などの安全キャンペーンの旗振り役である清水修二福島大学教授らの階級協調イデオロギー、「オール福島」路線が、沖縄の「和解」路線同様に、福島の現実の前に破産・瓦解(がかい)することは必至だ。
 「避難・保養・医療」の原則を掲げて闘うふくしま共同診療所は、国家権力と絶対非和解の福島の怒りと一体の存在だ。その診療所が動労水戸、動労福島とともに福島の労働者階級人民とともにあることは、県内はもとより全国の避難者、保養家族とその受け入れ先、原発労働者や除染労働者の支えとなっている。労働者階級のよりどころとしてますます重要になっている共同診療所を、絶対に守りぬこう。
 3・11闘争で診療所の布施幸彦院長は、7月参院選で鈴木たつおさんの当選をかちとろうと呼びかけた。動労総連合建設と新たな国鉄決戦の力、学生自治会建設で、5月沖縄闘争を打ちぬき、世界戦争会議そのものの伊勢志摩サミットを粉砕し、7月選挙闘争に突き進もう。
〔革共同福島県委員会〕
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