京大反戦スト弾圧粉砕闘争の勝利の教訓 「完全黙秘・非転向」の原則的闘いで団結を守りぬこう! 全学連救対部

週刊『前進』02頁(2738号01面03)(2016/04/07)


京大反戦スト弾圧粉砕闘争の勝利の教訓
 「完全黙秘・非転向」の原則的闘いで団結を守りぬこう!
 全学連救対部


 4月2日の救援連絡センター総会で、全学連は京都大学反戦スト弾圧を完全に粉砕した勝利の地平を報告し、「完全黙秘・非転向」こそ国家権力の弾圧をうち破る唯一の道であることを明らかにした。総会で配布された全学連救対部の声明を紹介します。(一部略、編集局)

 2月29日から3月1日にかけて、警察権力は、斎藤郁真君(全学連委員長)や作部羊平君(京都大学同学会委員長)をはじめ6学生を不当逮捕しました。しかし、6人全員が完全黙秘・非転向の闘いを貫き、3月18日に釈放をかちとりました。反戦運動・学生運動弾圧をうち破る大勝利です!
 救援連絡センターからの「抗議声明」も含め、多くのご支援と連帯、ありがとうございました。この勝利を全国の職場・キャンパスに拡大し、戦争を進める安倍政権を打倒するストライキの嵐を巻き起こそう!

京大生と全国学生の決起で弾圧うち破る

 本弾圧は、「二度と大学で反戦ストをやらせない」という国家意思でした。何より、昨年秋の安保法反対の国会闘争の高揚が、労働組合・学生自治会のストライキとして発展し、「現実に戦争を止める力」となることを恐れたものでした。
 時あたかも朝鮮半島では史上最大規模の米韓合同軍事演習が行われ、安倍政権は国会で今夏参院選の争点を「改憲」とすると繰り返し明言していました。本弾圧粉砕の勝利は、こうした「戦時下治安弾圧」をはね返し、「戦前の敗北」の歴史をのりこえるものです。
 勝利の核心は、怒れる京大生が続々と闘いに決起し、京都府警―京都地検―京都地裁へ抗議行動に立ち上がったことです。緊急署名は2500筆を超えて連日3ケタの規模で集まり、3月13日と17日の京都市内デモは街頭と呼応し、ものすごい高揚をかちとりました。3月14日の勾留理由開示公判では、裁判長の指揮で京都府警機動隊が法廷に乱入し、傍聴者全員を退廷措置にするという前代未聞の大弾圧と闘い、腐りきった司法権力を徹底弾劾しました。
 これと対照的に、ぶざまな姿をさらしたのが日本共産党です。共産党京都府委員長の渡辺和俊は、自己のツイッター上で「『同学会』は勝手にバリケードを築いて『スト』と称し、学生の学ぶ権利を侵害した」とののしりました。6学生全員が奪還された18日夜になっても、「大学施設を占拠した刑法犯」「法の裁きを求めた大学の対応は当然」などと、悔しさをにじませながらわめき続けました。
 彼らの立場は安倍政権―警察権力と一体であり、ストライキと反戦闘争の圧殺勢力です。共産党は戦争法下での戦争動員攻撃への労働者・学生の実力的抵抗闘争にも、「違法行為をやめろ!」と叫び襲いかかってくることは確実です。全学連運動はこうした妨害をうち破り、怒れる労働者民衆とともに闘います。

完黙・非転向の原則貫くことこそ勝利の鍵

 今回の勝利を、「完全黙秘・非転向」の重要性の観点から総括します。
 一つに、完黙・非転向の闘いは、「闘う思想・哲学」であることです。1970年安保・沖縄闘争の過程での大量逮捕・大量起訴攻撃と闘う中で、国家権力への完全黙秘の思想と立場が、一人ひとりの闘争主体と組織・運動のすべてを守る唯一最強の武器として確立されました。70年闘争に立ち上がった労働者・学生が、日本共産党をはじめとした既成運動の「合法主義」「議会主義」をのりこえ、国家権力との絶対非和解の実力闘争を闘い抜く中で、自らつかみとった思想と立場でした。
 「警察官や検事とは一言も口をきかない」「氏名・住所も言わない」「調書を一切とらせない」「雑談にも応じない」という原則を貫くことだけが、自分自身と仲間を守り、闘いを守る唯一の道です。そして、最も戦闘的な闘い方です。
 いったん決意すれば困難なことはありません。完黙闘争には、「国家権力と絶対非和解であり、労働者・学生は団結することで唯一、国家権力に立ち向かえるのだ」という真理が貫かれています。私たちは、破壊活動防止法適用をはじめとした幾多の弾圧を実際に完黙闘争で粉砕し、勝利してきたのです。
 「権力と口をきくかどうかはケースバイケース」「仲間を売りさえしなければ会話してもいい」などと完黙・非転向の原則を批判し、あいまい化する勢力は多々存在しましたが、そのような立場では国家権力とは到底闘えないし、歴史的・実際的にも繰り返しの弾圧の中で自己崩壊し消滅していきました。
 『救援ノート』(第七改訂版、救援連絡センター発行)でも、「黙秘は、運動する人の専売特許でも、また単に法律に書いてある権利でもありません。国家権力と個人が逮捕という形を通して対決を迫られたときに、個人が自分を守っていくための重要な武器です」「黙秘とは、権力(警察官・検察官・裁判官など)とひとことも口をきかないことです。貝のように口を閉ざして、ただひたすら黙っています。黙秘するのは『難しい』と言われていますが、本当にそうでしょうか。とにかくただ黙っていればいいのですから、実は一番単純・明快、簡単で、やろうと心に決めたなら、誰にでもできることです。もしあなたが政治的な事件で逮捕されているとしたら、あなたと権力との間になんの対話も成立しないはずです。あなたの闘う思想が試されているのだということです」「完黙こそ、法律のしろうとである被逮捕者が、この身ひとつで、取り調べの専門家と対等に闘うための、唯一・最強の武器です」と明文化・原則化されています。
 二つに、完黙・非転向の闘いとは、獄内外を貫く団結の欲求です。被逮捕者は獄外での救援運動にすべてを依拠して完黙を貫き、救援運動を闘う者は獄中での完黙闘争との連帯を日々確認しながら、お互いが団結を強化し合うことで勝利を目指します。完黙・非転向の闘いの中でこそ、資本主義社会を根底的に変革する人間的あり方が発露されていきます。
 三つに、全学連は完黙・非転向の闘いを一人の例外なく貫くことで、法大闘争10年での「126人の逮捕―34人の起訴」という未曽有の弾圧をすべてはね返し、無力化させ勝利してきました。完黙こそ「誰でもできる」方針であり、全体の団結を守る道でした。完黙を貫くことで、法大暴処法弾圧完全無罪(14年確定)という学生運動の金字塔が打ち立てられました。その魂は京大―全国に拡大しています。
 この道を断固進みましょう。

韓国・フランスに続き日本でゼネストを!

 フランスで3月31日、労働法制改悪反対の抗議デモが、警官隊と激しく衝突しながら闘われました。同時に全国ゼネストがうち抜かれ、エッフェル塔は封鎖、パリを中心に鉄道運行はまひしました。大学・高校も数十校がバリケード封鎖されています。多くの逮捕者が出て、デモ参加の少年を警察が暴行する動画が拡散し、労働者民衆の憤激は高まっています。
 韓国でも民主労総を先頭に、3月26日に「戦争反対」「生きさせろ」を掲げて「汎国民大会」が開催され、ソウルでは6千人が結集しました。
 戦争と貧困への怒りは社会に満ちています。新自由主義を打倒する革命が必要です。労働者・学生が社会の主人公となる時代です。全学連は京大スト弾圧粉砕の勝利の地平から、闘う労働者民衆と連帯し、闘う学生自治会を建設します。そして京大第2波ストを先頭に、2016年、改憲・戦争に突き進む安倍政権打倒の全国大学反戦ゼネストに挑戦します。すべてのみなさん、団結し、ともに闘いましょう!
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