4・10 サミット外相会合=戦争会議弾劾 被爆者先頭に広島市内デモ

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週刊『前進』04頁(2741号01面02)(2016/04/18)


4・10 サミット外相会合=戦争会議弾劾
 被爆者先頭に広島市内デモ

(写真 G7広島外相会合に反対し、8・6ヒロシマ大行動実行委員会のメンバーが被爆者を先頭に広島市内をデモ【4月10日】)

(写真 市内デモに先立って、平和公園・原爆ドーム前で「G7は戦争会議」とプラカードや横断幕を掲げて広島市民に訴えた)


 4月10日、伊勢志摩サミットの「開幕」となるG7広島外相会合に対し、戦争絶対反対と国際連帯で闘うヒロシマの怒りがたたきつけられた。
 広島に集まったG7(帝国主義7カ国)の外相たちは、米英仏で約8千発の核弾頭を保有し、史上最大の米韓合同軍事演習を続け、朝鮮戦争・核戦争の危機をつくりだし、中東・シリアでは空爆と殺戮(さつりく)を繰り返し、無数の難民を生み出し続けている血にまみれた1%の帝国主義の「指導者」たちだ。彼らが広島で「核軍縮」「平和」をかたって戦争会議をやろうとしているのだ。しかも主導するのは戦争法を施行し、「核兵器使用も合憲」と閣議決定した安倍政権だ。絶対反対あるのみだ。
 日帝国家権力は被爆者を先頭とするヒロシマの怒りを恐れ、「反テロ」を叫んで4300人もの警察を動員し、G7外相会合に対する一切の反対の声を封じようとした。
 原水禁・被団協や日本共産党は、今こそ切迫する朝鮮侵略戦争・核戦争に絶対反対で闘うべき時に、その戦争・核戦争を準備する帝国主義権力者をもろ手をあげて歓迎した。8・6ヒロシマ大行動実行委員会に結集する広島の労働者、学生、市民はこのサミット弾圧体制によるヒロシマ圧殺と総屈服・総翼賛状況を突き破って、絶対反対デモに立ち上がったのだ。それは何よりも戦争体制下にゼネストで闘う韓国・民主労総との国際連帯闘争として闘いとられた。
 午後1時、広島連帯ユニオン、動労西日本、広島大学学生自治会、婦人民主クラブ全国協広島支部、NAZENヒロシマなどのメンバーら50人が原爆ドーム前に集まった。平和公園一帯は京大反戦スト弾圧を強行した京都府警や大阪府警などの機動隊が制圧している。この空前の弾圧態勢こそ、今回の広島外相会合が「平和」や「核軍縮」などとは無縁の、反人民的な戦争会議であると自己暴露するものだ。だがこの弾圧態勢も、京大反戦スト弾圧を粉砕し、国鉄闘争を軸に絶対反対を貫く階級的労働運動と学生運動を闘ってきたわれわれにはまったく通用しない。原爆ドーム前に「戦争会議=G7サミット広島外相会合反対 米日韓軍事同盟による朝鮮戦争阻止 改憲・戦争・核武装の安倍たおせ」の横断幕、プラカードが掲げられると、原爆ドーム前は一気に解放区となった。
 多数の国内外マスコミが注目する中、8・6実行委共同代表の被爆2世・中島健さんが広島の被爆者・2世・3世の怒りを代表して発言に立ち、ヒロシマを利用して新たな核戦争を準備するG7の帝国主義支配者たちを徹底的に弾劾し、「労働者の闘いこそが戦争を止める。韓国・民主労総の闘いに連帯しよう」と訴えた。同じく共同代表の室本けい子さんは、原爆詩人の故・栗原貞子さんの詩を読み上げ、ヒロシマの蹂躙(じゅうりん)を絶対に許さないと怒りを込めて訴えた。8・6実行委よびかけ人の壹貫田康博・被爆者青年同盟委員長(広島連帯ユニオン書記長)が、G7外相会合反対の声明文(前進ブログに掲載)を読み上げた。広大学生自治会、広島連帯ユニオンの労働者が決意を表明し、いよいよデモに出発する。
 完全武装の機動隊はデモ隊を囲い込み、威圧し、広島市民の合流を阻止しようと必死になる。だがそれは、99%の怒りに包囲された安倍ら1%の支配者どもの恐怖に震える姿であり、何の迫力もない。デモ隊は怒りを倍加し、機動隊を圧倒して「G7外相会合反対!」「労働者の国際連帯で戦争を止めよう!」と声を上げ、沿道の圧倒的注目と声援を受けながら進んだ。ビラの受け取りもかつてなく良く、あちこちでVサインで応える人も。被爆から71年、被爆者の怒りを先頭に核と戦争に絶対反対で闘い続けてきた拠点としてのヒロシマを、帝国主義者たちが制圧することなど断じてできないのだ。
 デモ終了後、動労西日本と広島連帯ユニオン、広大学生自治会のメンバーらは、絶対反対で闘い抜いた圧倒的な高揚感、勝利感に包まれながら、5・1広島メーデー実行委員会を開催した。「戦争・改憲阻止! 生きさせろ!」の4〜7月決戦へ、動労総連合と学生自治会建設を先頭に、拠点建設・組織拡大への熱い実践的討議をかちとった。
(広島 H・D)

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