たった一人でも路線を貫いて組織拡大できる 現業民営化反対・拠点建設の教訓

週刊『前進』04頁(2741号02面04)(2016/04/18)


たった一人でも路線を貫いて組織拡大できる
 現業民営化反対・拠点建設の教訓


 朝鮮侵略戦争に突進する安倍政権は階級的労働運動の前進に心底恐怖している。この情勢下で、たった一人からでも現場で路線を貫くことで組織を拡大できることを関西の現業労組における闘いの教訓として報告したい。激しい党派闘争の中でこそ労働者の根底的怒りと結びつくことができることを確信し闘おう。

体制内的あり方と決別

 2006〜08年の党の革命の中で、私自身たった一人、地区党を選択することとなった。当時、橋下徹大阪府知事との対決の中で、豊中市職女性部の道州制絶対反対の闘いは本当に衝撃的だった。そこから、自分たちも「現業差別糾弾」を掲げた血債主義の運動を率先して担ってきた事実と向き合い、「民営化・公務員全員解雇との闘い」「全労働者の団結をつくる」路線に転換した。それは自分の中の体制内的あり方をたたき出し、ともに地区党をつくっていく闘いと一体だった。
 現業労組の執行委員会では、絶対反対で闘おうとすることに対する野次と怒号の攻撃が毎回のように行われた。体制内幹部は人間関係を利用したり、解雇処分の脅しで細胞つぶしを狙ってきた。それを地区党の団結ではね返す過程で、新たな仲間たちが結集してきた。
 そこで組合支部権力を取り拠点化する方針を決断し、1支部(拠点)が労組全体を体現して闘う挑戦を始めた。清掃の民間委託に対し、「これは現業全体への民間委託攻撃。だから自分たちの闘いだ」と先頭で闘った。

下水道民間委託を阻止

 路線を貫くとは攻撃の階級的本質を暴いて闘いぬくということだ。闘いの団結を拡大することで社会も変わる。だから最初は小さくとも社会を変えることができる。
 体制内労組幹部は闘うポーズをとるから違いが分かりにくい。みんなにはっきり分かるように自分たちの存在と闘いで示していくことが重要だ。そうすると現場ではただちに激しい攻防にたたき込まれる。しかしその中から「なぜこの人たちはここまでやるのか?」と本気で考え格闘を始める労働者が必ず現れる。そして現場の怒りと結びついたとき、労働者は根底的な決起を開始する。
 3年前、民間委託のための職種変更・任用替えの試験が強行された。当局は「現業職から一般職になると給料が上がる」「雇用を守るため」——いいことずくめの宣伝をしたが、「これは完全民間委託と現業労働者の解雇攻撃だ! 絶対反対」と訴えた。そして清掃現場での受験票回収行動や怒りの決起が生まれた。
 さらに下水道現業の完全民間委託攻撃がかけられてきた。正規職の職種変更と非正規職解雇の攻撃だ。団体交渉で現場労働者が怒りを爆発させた。非正規職労働者に「悔しいけど解雇は強行されるかもしれない。JRで起きている外注化や安全崩壊と同じ。この社会を変えよう」と訴え、組合加入をかちとった。一般的な「正規と非正規の団結」などなく、路線的闘いを貫く中で強固な団結が生み出されていくことを実感した。正規職労働者が職種変更を拒否し、民間委託4月実施を粉砕することができた。

動労総連合建設と一体

 われわれは昨秋、市当局と労組委員長・書記長による清掃民間委託の裏取引を弾劾し、ストで闘おうと訴えて執行部選挙に立候補した。それに対し本部は「選挙無効」とする暴挙に出てきて、直後の定期大会は大激突する闘いとなった。そして先日の再選挙では本部派が手を回して信任投票で絶対反対派は全員落選。組合始まって以来の事態だ。仲間みんなで悔しい思いを共有した。
 他方でこの結果を知った組合員から新たな団結が次々と生まれている。ここまでするのは当局が追いつめられて絶対反対で闘う階級的労働運動派を容認できなくなったということであり、体制内勢力はわれわれをつぶすことに生き残りをかけているということだ。
 闘いはまったく新たな段階に入った。これまで以上にフリーハンドで闘えるチャンスであり、動労総連合建設と一体の闘いだ。党と労働組合の一体的建設を進め全力で闘っていきたい。『前進』を武器にともに闘おう!
(関西自治体労働者委員会・尾崎ゆり)
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