謝罪もないオバマに怒り デモに広島市民の支持と共感

週刊『前進』02頁(2752号01面03)(2016/06/02)


謝罪もないオバマに怒り
 デモに広島市民の支持と共感

(写真 オバマ来広当日、厳戒態勢のなか100人で意気高くデモを打ち抜いた【5月27日 広島市】)

(写真 前日、原爆ドーム前からデモに出発)


 「核と戦争をなくすのは、核と戦争を必要とする『1%』の利益を守るオバマや安倍のような支配権力者ではない。全世界99%の労働者民衆の団結です。国際連帯です。私たちはヒロシマの怒りをもってデモに立ちあがります」(8・6ヒロシマ大行動実行委員会アピール)
 伊勢志摩サミット後のオバマ広島訪問という歴史的な反革命に対して、5月26日と27日の両日、渾身(こんしん)の反撃の闘いが打ち抜かれた。オバマ広島訪問は、核と戦争に全存在をかけて絶対反対を貫いてきた被爆者の闘いを解体し、ヒロシマの承認のもとに新たな朝鮮侵略戦争=核戦争をやろうとするものだ。絶対に許せない。
 オバマ広島訪問前日の26日夕方、8・6ヒロシマ大行動実行委員会の呼びかけに応え、原爆ドーム前に広島、中国、四国、長崎、福岡、関西などからかけつけた労働者・市民、物販オルグ訪問中の動労千葉、そして広島大、沖縄大、京都大など全国の学生ら約100人が集まり、集会とデモを行った。
 午後6時30分、集会が始まった。8・6実行委から室本けい子さん、被爆二世の中島健さんの2人の共同代表が発言。中島さんは被爆者の怒りと闘いを継承する者としてオバマ訪問の反動的目的を怒りを込めて暴露し、室本さんは「オバマは核のボタンをもってここに来るな! 空爆をやめろ! 沖縄から基地をなくせ!」と声を限りに叫んだ。広島連帯ユニオンの壹貫田康博書記長(被爆二世)の基調提起に続いて、全学連の斎藤郁真委員長、広大学生自治会の森田寛隆委員長が発言。斎藤委員長は「実際に戦争をするのは労働者や学生。この労働者、学生が職場、キャンパスからストライキをやる力が戦争をとめ核をなくす力だ」と力説した。
 26日の闘争をやり抜いて、いよいよ27日のオバマ訪問の日を迎えた。広島市内は空前の厳戒態勢が敷かれ、平和公園一帯は修学旅行生まで追い出され午後から立入禁止となった。この厳戒体制と「オバマ大統領歓迎」と叫ぶ在特会系右翼の妨害を突き破り、「年休スト」で自己解放的に決起した広島や中国、四国各地の労働者、そして全学連を先頭に再び約100人で原爆ドーム前集会を開催した。
 警察権力は集会を中止させようとしたが、広島の被爆者・被爆二世の怒りと闘いの歴史的蓄積は巨大であり、さらに多数の海外マスコミの圧倒的注目の中でまったく手を出せなかった。集会は全世界で報道された。
 午後1時、前日に続いて原爆ドーム前から繁華街を貫いたデモは、市民の圧倒的な共感と支持を得て進んだ。「オバマの訪問絶対反対!」「すべての核をいますぐなくせ」「沖縄基地を撤去しろ」「安倍を倒せ」のコールが広島の街を解放した。窓から手を振る人、涙ぐみながら握手を求めてくる人。感動の交流が各所で生まれた。
 オバマ広島訪問の反革命的目的は、ヒロシマと沖縄の一つになった怒りによって打ち砕かれた。「オバマ歓迎」など実際にはほんの一部でしかない。オバマが「核のボタン」を原爆慰霊碑前に持ち込み、原爆投下への一言の謝罪もなく、安倍とともに日米同盟強化を宣言したことは、8月6日に向かってヒロシマの怒りを根底的に爆発させずにはおかない。
 5・26―27の歴史的闘争は、日本と世界の労働者の決起と国際連帯の呼びかけとなり、6・5国鉄集会から6〜7月選挙決戦への号砲となった。

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