原発も戦争もない社会へ 鈴木弁護士を推薦します 福島市から山形県に自主避難中 小山内藍

週刊『前進』02頁(2756号02面02)(2016/06/16)


原発も戦争もない社会へ
 鈴木弁護士を推薦します
 福島市から山形県に自主避難中 小山内藍

(写真 3・11反原発福島行動)


 6月6日、福島県県民健康調査検討委員会を傍聴してきました。小児甲状腺がんと診断された子どもは、4カ月前の発表から6人増えて173人となりました。
 星座長は「原発事故による被ばくの影響とは考えにくい」と今回も繰り返しました。これまで100万人に1人と言われるほど珍しい小児甲状腺がん。原発事故当時18歳以下の子どもが三十数万人しかいない福島県の検査で173人も出ているのに、その説明が「検査しているから見つかって当たり前」では、とうてい納得などできません。委員会は、本気で原因追究もせず、わざと論点を外し、理解できない説明を繰り返すだけで、県民からの意見や質問は一切受け付けません。県民に大量の初期被ばくをさせた責任をとっていない福島県が、都合のいい委員を集め放射能の影響とは認めない前提で県民を無理やり納得させるための茶番劇だと思います。小児甲状腺がんはいつから福島県の風土病になったのでしょうか。「(がんになるけど)安全・安心」という福島県を信用していると、命がいくつあっても足りません。
 原発事故後、私は国や福島県から「避難しろ」とは言われませんでした。自分で情報を集め、自分で考え抜いて避難する決断をしました。将来、子どもから「あの時、お母さんは私たちより何が大切だったの。どうして避難させてくれなかったの」と言われたくないという思いが「周囲の人は逃げていないのに」と躊躇(ちゅうちょ)する気持ちを吹き飛ばしました。ちょうどその時に住宅支援の制度が自主避難者にも適用されるようになりました。避難区域の指定を受けなくても福島県から避難することは正当だと認められたのだと思いました。
 その後、アリバイづくりのようないい加減な除染を進めた福島県が、17年3月末で、「自主避難者」への住宅の無償提供支援は打ち切りと決めました。先月、私の所にも山形県から住宅の無償提供は来年3月31日までという通知が来ました。
 避難生活は並大抵の覚悟で続けられるほど甘いものではありませんでした。いつも心に重いものを抱え、それでも現実に向き合って前向きに生きようと努力を続けているのです。原発事故の責任を逃れている人たちにとって、自主避難者の存在自体がとても都合が悪いのでしょう。国や福島県が「安全・安心」と言っていることを聞かずに、信用できないと行動で証明している「生き証人」だからです。原発が動いている限り、「フクシマ」を繰り返す可能性は、日本に住む誰にでも起こりうるもので、無関係ではいられません。
 福島県民の生活を破壊した危険な原発を再稼働させた安倍政権はけっして許せません。国民の生きる権利を強奪しています。私は、他者を犠牲にしない、原発も戦争もない平和な社会を望みます。選挙が終わった途端に手のひらをかえすような政治家はこりごりです。数合わせではなく、心から信頼できる1人の政治家の登場を期待し、鈴木たつおさんに原発反対、戦争反対の声を託します。

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