国際労働運動vol.10 2016.7 世界に轟く仏ゼネスト

週刊『前進』04頁(2757号04面03)(2016/06/20)


国際労働運動vol.10
 2016.7
 世界に轟く仏ゼネスト


 ヨーロッパはかつて二つの世界大戦の主戦場となり、またロシア革命、ドイツ革命、1930年代階級闘争など戦争と革命の時代の最先端にあった。第2次大戦後のヨーロッパ帝国主義は、革命におびえつつEU(ヨーロッパ連合)を結成し延命を図ってきたが、今は世界大恐慌と階級闘争の激化により「分裂と解体の危機」に陥っている。本書はこの問題をマルクス主義と反帝国主義・反スターリン主義の立場から歴史的今日的に説き明かし、世界革命の現実性を突き出している。
 第1章は、ソ連・東欧圏崩壊後のEUによる東欧の包摂と新自由主義の全ヨーロッパ的蹂躙(じゅうりん)、世界恐慌の震源であるEUの民族問題、イギリスのEU離脱問題を展開している。
 第2章は、世界に轟(とどろ)くフランスのゼネスト。その口火を切ったのは高校生と学生である。労働法制の改悪で生きていけない未来の労働者だ。失業率が10%(青年は24%)。韓国と同じゼネスト―革命情勢が切り開かれている。
 第3章は、新自由主義に対する中東欧諸国、ポーランド、ハンガリー、オーストリアの階級闘争の報告。各国での極右勢力との闘いが詳述されている。
 第4章は、戦争態勢に入ったNATO。米帝と欧州帝国主義は、ウクライナを巡ってロシアと対峙し、シリアなどでISとの戦争に突入した。労働者階級にとって敵は自国帝国主義だ。国際連帯こそが労働者階級の勝利の道であると訴えている。
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