常磐線運転再開阻止を 7・12いわき―原ノ町闘争へ 動労水戸はストを配置

週刊『前進』04頁(2761号02面01)(2016/07/04)


常磐線運転再開阻止を
 7・12いわき―原ノ町闘争へ
 動労水戸はストを配置


 JR東日本は7月12日、常磐線の小高―原ノ町間の運転再開を強行しようとしている。なんら収束していない福島第一原発事故をなかったことにして避難者保護を打ち切り、放射線汚染地帯への帰還を強いる安倍政権とJR資本は完全に一体だ。これに対して動労水戸と動労福島は7月12日、労働者と住民の安全を守るために、いわきと原ノ町での同時闘争を構えている。参院選決戦を闘いぬき、常磐線運転再開阻止の闘争に大結集しよう!

命守るのは労働組合の使命

 安倍は東日本大震災と福島原発事故から5年目を前にした3月5日、福島に乗り込み、JR東日本社長の冨田哲郎とともに小高駅を視察し、常磐線の早期全面開通を宣言した。これを受けてJR東日本は、小高―原ノ町間を16年中に、相馬―浜吉田間を16年12月末までに、竜田―富岡間、浪江--小高間を17年中に、そしてまさに原発直近の富岡―浪江間を19年度末までに再開するという計画を3月10日に発表した。
 7月12日の小高―原ノ町間の運転再開は、安倍がたくらむ南相馬市小高区の避難指示解除と同日に強行される。そもそも、この避難指示解除自体が、「年間被曝線量20㍉シーベルト以下」を基準とした殺人的なものだ。すでに福島では、子どもの甲状腺がんが疑いも含めて173人にも達している。深刻な被害が出ている事実を前になお、「放射線の影響ではない」と居直り続けているのが安倍政権だ。
 JRは常磐線の全線再開に向け、まともな被曝対策も取らずに昨年6月から線路や橋梁(きょうりょう)の補修作業を強行し、労働者を被曝させてきた。動労総連合以外の各労働組合は、それを問題にもできないのだ。運転再開となれば、乗務員や乗客にもすさまじい被曝が強いられる。事故や故障時の対策もとられていない。そんなところに電車を走らせることなど絶対に認められない。
 津波の被害を受けた常磐線の相馬―浜吉田間は、街区や線路が高台に移転される予定で、現在も不通となっている。仙台と直通していない区間を細切れに運行再開しても、乗客などほとんどいない。JRが豪雨で被災した只見線の復旧を拒否する一方、採算を度外視して常磐線の運行再開にこだわるのは、「安全と復興」という根拠なきキャンペーンによって、福島県民に高線量地帯への帰還を強いるためだ。
 さらに、JRが常磐線全線開通の時期を19年度末としているのは、何が何でも2020年の東京オリンピックに間に合わせようとしているからだ。安倍は「(福島原発の)状況はコントロールされている。汚染水は完全にブロックされている」と大うそをついてオリンピックを誘致した。その東京オリンピックは、さらに被曝を拡大させるものになる。
 政府は6月7日、福島などの放射能汚染土について、1㌔グラム当たり8千ベクレルまでなら全国の公共事業で再利用していいと決めた。その汚染土は、何よりも東京オリンピック関連の諸施設の建設に使われようとしている。汚染土処理施設の労働者、清掃労働者、運輸労働者、建設労働者、公共事業関係の自治体労働者など、膨大な労働者と住民に被曝が強制されるのだ。
 命と安全のために一歩も引かずに闘うことは、労働組合の社会的使命である。絶対にあいまいにしてはならない。

参院選から直ちに決戦突入

 動労水戸の被曝労働拒否闘争は、自らの職場と労働を武器に資本と闘い、労働を労働者自身の手に奪い返す闘いそのものだ。その根底にあるのは、労働者自己解放とプロレタリア独裁の思想だ。そもそも原発は、労働者に被曝を強制することでしか成り立たない。それは資本主義における労働の疎外、人間生命の疎外の極限性を表している。だから、被曝労働拒否とは、最も根底的なところから資本主義を撃つ闘いになる。
 これを果敢に実践してきたからこそ、動労水戸は原発労働者とつながり、原発立地である舞鶴の自治体労働組合や愛媛県職労などの原発再稼働阻止の闘いを呼び起こしたのだ。
 さらに決定的なことは、動労水戸の被曝労働拒否の闘いが、それに続いて立ち上がった動労福島を生み出したことだ。動労福島は福島の怒りを体現し、日本帝国主義の基軸的資本であるJRの中から反乱の火の手を上げている。
 7月12日の常磐線運行再開阻止の闘いは、動労水戸がストライキでいわき闘争に立ち上がり、動労福島は原ノ町闘争に立つ。福島第一原発の南北での同時決戦を貫く画期的闘いになる。動労千葉はもとより、動労東京もこの闘争に立ち上がろうとしている。
 英国のEU離脱問題は世界大恐慌を決定的に進め、戦後世界体制は今や崩壊しようとしている。その中で資本が延命をかけて強行してくる戦争と搾取の極限的強化の攻撃に対し、世界の労働者階級がゼネストで闘っている。
 改憲への突進、外注化・総非正規職化、沖縄と福島圧殺攻撃の核心は労働組合破壊にある。安倍政権は常磐線全面開通攻撃によって労働組合を無力化し、被曝を強制して福島県民を棄民化しようとしている。ここに「新たな戦前」の実相があるのだ。
 だからこそ、動労総連合の全国建設と参院選決戦が、革命的労働者党と労働組合の決戦として猛然と闘い抜かれているのだ。選挙決戦の革命的勝利から直ちに常磐線運行再開阻止の7・12動労水戸・動労福島―動労総連合の闘いにともに立ち上がろう。今こそ労働組合を階級的に奪還しよう!

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