崇仁住宅裁判 京都地裁が明け渡し判決 「即日控訴する」と戦闘宣言 団結力で即時の追い出しを阻止

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週刊『前進』04頁(2763号04面04)(2016/07/11)


崇仁住宅裁判
 京都地裁が明け渡し判決
 「即日控訴する」と戦闘宣言
 団結力で即時の追い出しを阻止


 6月23日、京都地裁第1民事部・齋木稔久裁判長の不当判決に傍聴席からの弾劾の嵐が巻き起こる中、裁判長は脱兎(だっと)のように逃げ去った。判決は、京都市の住宅追い出し要求を認め、崇仁(すうじん)のAさんに部屋の明け渡しを求める許しがたい内容です。
 しかし、3月の東三条のBさんへの判決と同様に、即時明け渡しの仮執行宣言を付けることはできませんでした。これは、西郡(にしごおり)住宅闘争が大阪高裁判決(14年9月)で一審の仮執行宣言を取り消させた地平そのものです。即時の追い出しを阻止したのは、血と汗の西郡住宅闘争でつくり上げてきた団結の力です。
 直後に弁護士会館で報告会がもたれました(写真)。冒頭、Aさんが「判決は予定内のこと。全然負けていません。即日控訴を考えています!」と不屈の戦闘宣言を発しました。崇仁のCさんは、「これが裁判か。崇仁の住民は虫けらか。出て行った後、どうしろというのか。許せない!」と怒りを込めて弾劾しました。
 報告会は、全国水平同盟本部や西郡支部、高槻支部、弁護団が一体になって反動判決をはね返し、新たな団結をつくり強化する総決起集会になりました。
 昨年4月のAさんの決起と東三条のBさんの合流以来、全国水平同盟の中で団結や「勝つ」ことの意味をめぐり議論してきました。そこでの「不安や疑問」「違い」を、不信ではなく根底的な信頼と団結を求めるものととらえて共有したことが決定的でした。「かみ合った話をするための七転八倒」は、文字通り「苦闘の繰り返し」ですが、その実践の端緒についたことも重要でした。

やむにやまれぬ決起が始まった

 今回の反動判決は、朝鮮侵略戦争が切迫する中で、市の住民追い出し・更地化攻撃に対する部落の労働者人民のやむにやまれぬ決起が、崇仁・東三条から巻き起こっていることに恐怖した暴挙です。
 AさんとBさんの決起に対して、京都市は異例の早さでAさんへの住宅追い出しの提訴を市議会で決議しました。委員会では日本共産党議員が「市の毅然とした対処を求める」と述べ、市と一体で追い出そうとしています。しかも、あろうことかその議事録にはAさんとBさんの住所と実名が記され、インターネット上で公開されているのです。絶対に許すわけにはいきません。
 市の暴挙は、AさんとBさんだけでなく一切の抵抗や怒りの決起を許さないという国家意思の現れです。新たな更地化攻撃そのものです。徹底的に反撃します。
 しかし、「人民が団結したら手も足も出ない」とうろたえているのは京都市です。市当局や安倍政権と国家権力を追いつめているのは私たちの絶対反対!の闘いと階級的団結の力です。
診療所の廃止を絶対に許さない
 6月26日の崇仁懇談会には、案内のビラを握りしめた新たな住民十数人が参加しました。屹然(きつぜん)と立つ崇仁支部(準備会)の旗は決定的です。懇談会では、八尾北・西郡闘争の教訓も得つつ、9月末を区切りに廃止が決定されようとしている崇仁診療所について緊急討論しました。闘いは新たな段階に突入しています。
 全国水平同盟は「更地化絶対反対! 生きさせろ!」を掲げ、地域の総決起を実現するために闘っています。ともに闘い水平同盟を全国に組織しよう。
(京都 山野 道)

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