星野ビデオ国賠 上告棄却を弾劾する 最高裁、無実の証拠隠滅容認

週刊『前進』04頁(2771号04面01)(2016/08/15)


星野ビデオ国賠
 上告棄却を弾劾する
 最高裁、無実の証拠隠滅容認


 最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)は7月21日、星野文昭同志が提訴したビデオ国賠で上告棄却決定を下しました。この極反動判決を徹底的に弾劾します。
 ビデオ国賠は、東京地裁が「保管委託」した証拠のビデオテープを、警視庁公安部が「紛失」したことを弾劾し、責任を問う裁判です。一審判決は、星野同志が再審でビデオテープを利用する権利を認め、これを「紛失」した被告の国(東京地裁)と東京都(警視庁公安部)に各20万円の賠償支払いを命じる勝利判決でした。
 ところが控訴審で東京高裁・奥田正昭裁判長は「(国と都の)敗訴部分を取り消す」とし、証拠物を「紛失」した東京地裁にも警視庁公安部にも一切責任はないとする反動判決を出しました。 最高裁は上告棄却で、奥田判決を是認し、東京地裁と警視庁公安部が一体となった証拠隠滅を容認したのです。断じて許すわけにはいきません。
 1971年11月14日の沖縄返還協定批准阻止闘争をテレビ各局はニュースで報道し、その映像を警視庁が録画しました。検察官はそれを証拠申請し、採用されました。そこにはデモ隊の一部と倒れた機動隊員などが鮮明に映っていました。
 77年の星野裁判第49回公判で、目撃証人がビデオ映像を見ながら証言した4日後に、東京地裁はそのビデオテープを警視庁公安部に「保管委託」し、警視庁公安部が「紛失」したと言うのです。
 なぜ裁判所はこのような重要な証拠をデッチあげの張本人である警視庁公安部に預けたのか。刑訴法でも、証拠物は、危険物や大きすぎるものなどの例外を除き、裁判所内で保管することになっています。ビデオテープが例外規定に当てはまらないことは言うまでもありません。
 そして警視庁は、証拠物は帳簿を付けて保管することになっているのに、このビデオテープに限って「帳簿が存在しない」と言うのです。
 星野同志は無実です。現場が客観的に撮影された生の映像には必ず星野同志の無実を示す証拠が映っています。ビデオテープの「紛失」は紛れもなく、無実の証拠の隠滅です。
 この証拠隠滅という東京地裁と警視庁公安部の国家犯罪を容認する判決を導いた東京高裁・奥田裁判長の論理は信じがたいものです。
 「裁判所職員や公安総務課長が、重要な証拠として利用される蓋然(がいぜん)性があることを知り、あるいは容易にこれを予見することができた場合」にのみ、星野同志は証拠として利用する利益があるというのです。そして重要な証拠だと知らなかったから、紛失しても責任を問わないと言うのです。
 すべての証拠は星野同志(再審請求人)の無実を証明するものです。
 東京高検・高裁は全証拠を今すぐ開示せよ。無実の星野同志を直ちに解放せよ。9・4徳島刑務所包囲デモへ全力で決起しよう。
このエントリーをはてなブックマークに追加