ゼネストと11月民衆総決起でパククネ打倒へ進む民主労総 労働法改悪と朝鮮戦争許すな

週刊『前進』02頁(2774号01面02)(2016/08/25)


ゼネストと11月民衆総決起でパククネ打倒へ進む民主労総
 労働法改悪と朝鮮戦争許すな

(写真 7月20日、ソウルで民主労総の首都圏ゼネスト大会が開かれた )


 今秋11月を、東京とソウルを一つにつなぐ国際共同行動として闘おうという歴史的呼びかけが発せられた。この訴えは、パククネ政権打倒へ不屈のゼネスト闘争を闘いぬいている韓国・民主労総のソウル地域本部から、日本の動労千葉に提案された。そこに関西生コン支部と港合同が加わり、日韓4労組による全世界への呼びかけとなった。
 大恐慌と世界経済の危機がますます深まり、世界の大国による資源・市場・勢力圏の奪い合いが激化し、新たな世界戦争に火がつけられようとしている。新自由主義のもとで「1%」の資本家階級、特権的支配階級が肥え太る一方、労働者人民は失業・低賃金・貧困による生存の危機にさらされ、今や社会そのものが根底から崩壊し始めている。起きていることはどこの国も同じだ。だが世界の労働者階級がこの現実に真正面から立ち向かい、民族・国籍・国境を越えて団結して立ち上がるならば、これらの一切を打ち破ることは必ずできる。共同招請状には、この確信と決意が満ち満ちている。
 すべての労働者、すべての人民がこの呼びかけに全力で応え、11月国際共同行動の勝利をともにかちとろう。

新自由主義と最先端で激突

 重要なことは、この呼びかけが、民主労総の側から何よりも日本の闘う労働者への熱烈な呼びかけとして発せられたことだ。そして動労千葉を始めとする3労組が、断固として民主労総とともに闘う決断をしたことだ。
 韓国・民主労総の闘いはまぎれもなく、全世界に吹き荒れている新自由主義攻撃との激突の最先端である。それは今日、「終わらせよう! 財閥の世の中、悪い政権」のスローガンに示されるように、韓国を支配してきた一握りの巨大独占資本とその政権を丸ごと、労働者階級人民の総決起によって打ち倒す闘いへと発展しつつある。
 発端は、パククネ政権が一昨年末に打ち出した「労働改革」という名の大攻撃だった。この労働改革は今、日本の安倍政権が「働き方改革」の名で打ち出している攻撃と完全に同じだ。従来の雇用や賃金制度を全面的に破壊し、解雇の自由化と全労働者の非正規職化、賃金の大幅切り下げと労働組合の解体に道を開く攻撃である。労働者階級が闘いとってきた諸権利をすべて奪い、資本に無制限の「搾取の自由」を与えるのが狙いだ。
 だが民主労総は、日本の連合や全労連などとはまったく違い、この攻撃に真っ向から絶対非和解のゼネストで立ち向かった。さらに労働組合の決起を軸に、社会にあふれる「生きさせろ!」の叫びのすべてを結集し、昨年11・14民衆総決起闘争の爆発へと攻め上った。そしてついに労働法制改悪を実力阻止し、本年4月の総選挙では政府与党を惨敗させ、この7月から新たな闘いに突入している。9月には公共部門を中心に無期限ゼネストに突入し、11月には昨年を上回る20万人が全国からソウルに結集する大闘争が予定されている。
 恐怖したパククネ政権は民主労総つぶしに全力を挙げ、昨年の闘いで逮捕されたハンサンギュン委員長に5年の実刑を加えた。これに対し、委員長とともに3年の実刑を受けたペテソン争議室長は獄中から訴えている。「政権は今、公安弾圧のほかに頼るものがないほど全面的な危機に追い込まれている。すべてのところですべての問題が腫れ物が裂けるように膿(うみ)が噴き出している。今こそ私たちが自信をもって闘わなければならない時だ」「情勢をひっくり返す力は、私たちが握っている」と。
 この言葉は、安倍政権の戦争・改憲・労働法制大改悪の攻撃と闘う日本の労働者にも、そっくりそのまま通用する言葉ではないだろうか。否、日帝・安倍政権こそ実際にはパククネ以上に噴火山上の危機にあるのだ。日本共産党などの既成の全勢力の総屈服・総翼賛を下からぶち破って、日本の労働者がその胸に抑え込んできた怒りを行動に転化するなら、日本でもゼネストは必ずできる。民主労総のように、職場に資本と非和解の団結を形成し、闘う労働組合のもとに全人民の力を総結集して闘えば、安倍は倒せる! 今秋11月を、その決定的な闘いとして大爆発させよう。

戦争を革命に転化する闘い

 11月国際共同行動は同時に、何よりも、米帝と日帝が米日韓3国軍事同盟のもとで策動している朝鮮半島での戦争を、日韓労働者の共同の決起によって実力阻止する闘いである。
 朝鮮半島をはじめとする東アジアこそ、中東と並んで今日、新たな世界戦争の最大の発火点になろうとしている。第2次大戦後の帝国主義とスターリン主義による世界支配の体制を成り立たせてきた柱が、1950年からの朝鮮戦争で固定化された朝鮮半島の南北分断体制だった。それは、日本や朝鮮における戦後革命の圧殺の上に築かれていた。その戦後世界体制が最終的な崩壊を迎えた今、〈戦争か革命か〉という究極の歴史選択が再び、すべての労働者人民に突きつけられている。
 韓国で始まったゼネストは、この戦争の危機を21世紀の現代革命の出発点に転化する闘いだ。腐敗しきった帝国主義と残存スターリン主義をともに打倒し、労働者階級の手による全世界の根底的変革へと突き進んでいく道を切り開くものだ。この闘いに日本の労働者階級の闘いが結合することを、米帝も日帝も心底から恐れている。だからこそ必死になって、戦争への道にますますのめり込んできているのだ。
 今こそ日韓労働者の固い団結をかちとり、さらに世界の労働者の共同の決起をつくりだし、戦争を絶対阻止しよう。ここから新たな世界革命への突破口を切り開こう。

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