全学連が緊急声明 警視庁公安部による全学連大会への暴力的襲撃を弾劾する!

週刊『前進』04頁(2779号03面01)(2016/09/12)


全学連が緊急声明
 警視庁公安部による全学連大会への暴力的襲撃を弾劾する!



(写真 全学連大会の成功を恐れ、焦りに駆られて参加者に襲いかかる公安刑事ら)


 本紙前号で既報の通り、1〜2日に開催された全学連大会の会場前で、警視庁公安部による参加者へのテロ襲撃が行われた。この権力犯罪を弾劾する全学連の声明を掲載します。(編集局)


   【1】
 私たちは、9月1日〜2日に東京都内で開催した全学連第77回定期全国大会の会場前において、警視庁公安部(公安警察)によって集会参加者に対して行われた暴力的な襲撃行為、無法の限りを尽くした蛮行による大会妨害行為を断じて許すことはできません。徹底的に弾劾します。
 私たちは、昨年10月27日の京都大学反戦バリケードストライキに象徴されるように、安倍政権の下で強められる戦争への政治に立ち向かうため、全国大学で活動してきました。全学連大会においては、新たな学生の仲間の参加もかちとりながら、学生運動の発展へ向けた激しい議論を交わしました。京大第2波スト―全国大学ストを可能とする学生の団結の再生へ、これからも力強く突き進む決意です。
   【2】
 大会会場前で、公安警察は会場に入ろうとする大会参加者に突然襲いかかり、メガネや帽子など身につけているものをはぎ取って奪い去る、胸倉をつかんで殴る、地面に引き倒す、首を締め上げるなどの白昼公然たる暴挙におよび、抗議して暴行をやめさせようとした仲間たちにはそれ以上の苛烈(かれつ)な暴力をふるいました。衣服やメガネを破損し、流血の負傷をするなど、許せない被害が出ています。
 この公安警察の襲撃行為は、警視庁公安部公安一課責任者の星隆夫や芝拓臣、遠山信次、岡野直人などが現場で指揮を執っていたことに明らかなように、明白な組織的決定に基づいた国家権力による暴挙です。また、何らかの「捜索令状」があったわけでもなく、「事前警告」なども一切ない完全なる違法行為であり、国家的な権力犯罪そのものです。
 毎年のように、公安警察は全学連大会会場前に大挙して集まり、大会参加者の意志に反して顔写真などを勝手に撮影する、集団でつきまって威嚇(いかく)するなどの妨害行為を繰り返しています。昨年の大会においては、終了後の解散途中で都営地下鉄新宿線浜町駅ホーム上で、これもまた指揮者の号令で参加者に暴力的に襲いかかり、危うくホームから落下する学生が出てもおかしくない事態を引き起こしています。
 全学連は国家権力のこの暴挙を絶対に許しません。重ねて強く抗議し、事実を全社会的に明らかにし、公安警察が謝罪して二度と同様の事態を行わない意思を表明するまで徹底的に闘います。
 ※現場映像は、動画投稿サイトYouTube 「2016年9月1〜2日全学連大会への公安警察の襲撃」で公開しています。
   【3】
 今回の公安警察の権力犯罪は、現在の日本社会の政治状況の象徴です。沖縄では、高江ヘリパッド建設をめぐって機動隊の暴力が吹き荒れ、現場のマスコミ撮影すら抑圧されています。今年6月には、大分県別府市で参院選での野党関連施設で、大分県警が違法に監視カメラを仕掛けたことが発覚しました。
 かつてアジア侵略戦争と太平洋戦争へ向かった過程でも、1920年〜30年代に国家権力=特高警察による労働運動・学生運動・農民運動への苛烈な弾圧が吹き荒れ、国家総動員体制へ行き着きました。今回の公安警察によるこれまでと次元を画する暴力的襲撃、大学での軍事研究開始など戦争動員政策、全国で激しくなる警察権力の横暴、東京オリンピックを口実に制定が狙われる「テロ等組織犯罪準備罪」(=新共謀罪)などの治安立法は、安倍政権の「戦後レジームからの脱却」や改憲の本質を示しています。
 このような弾圧は、安倍政権の支配力の弱さのあらわれです。むき出しの暴力と秘密警察に頼ることでしか権力が維持できないほどに、追い詰められているのです。大会での公安警察の襲撃は、京都大を先頭とした「全国大学でのストライキの復権」へ踏み込んだ全学連運動の前進への恐怖です。しかし全学連大会は、全参加者が心を一つにこの暴挙を弾劾し、意気高く成功裡(り)にかちとられました。
 全学連は公安警察の弾圧をはね返し、日本全国に学生自治会を甦(よみがえ)らせます。京大4学生への無期停学処分撤回をかちとり、10・3京大本部時計台前集会を成功させます。韓日11月国際共同行動の先頭に立ちます。暴力的妨害行為=権力犯罪を徹底弾劾し、断固として反撃します。
2016年9月7日

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