民主労総と共に11月国際共同行動へ 朝鮮戦争を始まる前に阻止しよう 国境越えた労働者の団結が鍵

週刊『前進』02頁(2780号02面01)(2016/09/15)


民主労総と共に11月国際共同行動へ
 朝鮮戦争を始まる前に阻止しよう
 国境越えた労働者の団結が鍵

(写真 朝鮮半島上空に飛来した米戦略爆撃機B52【1月10日】)

 北朝鮮・キムジョンウン政権が9月9日、5回目となる反人民的な核実験を強行した。朝鮮半島の軍事的緊張と戦争の危機はかつてなく高まっている。米日韓政府は、これを機に北朝鮮への戦争重圧を強め、新たな朝鮮戦争への策動を一気に推し進めようとしている。この動きと一体で、米ランド研究所の報告に見られるように、米帝の中国に対する対峙・対決と戦争衝動が激化している。9月末ゼネストへ進撃する民主労総と固く連帯して、日本で戦争阻止の階級的労働運動を巻き起こそう。11月国際共同行動を成功させ、国境を越えた労働者の団結で朝鮮戦争・核戦争を絶対に阻止しよう。

北朝鮮の核実験を弾劾する

 今回の核実験を受け、韓国軍は北朝鮮・キムジョンウンら最高幹部の指揮所を直接攻撃する新たな「大規模制裁・報復」作戦を公表した。さらに韓国の日刊紙『ハンギョレ新聞』によると、「韓国、米国、日本の軍当局が……多様な対話チャンネルを通じて緊密な軍事共助を続けている」という。韓国国防部のハンミング長官は米国防長官カーター、日本の防衛相・稲田朋美と相次いで電話協議し、米カーター長官とは「B52爆撃機と潜水艦の韓国展開など軍事的手段を動員する」ことを議論したと報じられている(同紙9月10日付)。
 昨年来、米韓連合軍は北朝鮮への新たな全面戦争計画=「作戦計画5015」に基づき、朝鮮半島での史上最大規模の軍事演習や戦力配備の増強を進めてきた。8月には米軍戦略爆撃機B52、B1、B2をグアム基地に配備し、アジア太平洋地域に初めて同時展開させた。これら3機種は、核兵器の管理・運用を管轄する米空軍地球規模攻撃軍団の主要戦力であり、グアムから同時に出撃すれば2〜3時間以内に40発の核爆弾を朝鮮半島に投下できるとされる。
 他方、日帝・安倍政権は3月の安保戦争法の施行に続き、4月に「核兵器の保有・使用は合憲」と閣議決定、そして8月3日発足の再改造内閣で札付きの極右・核武装論者の稲田朋美を防衛相に就任させた。31日に決定された防衛省の17年度予算の概算要求は過去最高の5兆1千億円に達し、新型3千㌧級潜水艦や次世代戦闘機F35など、対中国・北朝鮮を意識した新型兵器の取得費が盛り込まれた。
 こうした戦争と核攻撃の恫喝に追い詰められた北朝鮮・キムジョンウン政権は、対抗的・反人民的な核実験やミサイル発射実験を絶望的に繰り返し、朝鮮戦争・核戦争の導火線に自ら火をつける役割を演じているのだ。
 何より今回の核実験は、民主労総のゼネストに真っ向から敵対する反革命的暴挙だ。そもそも帝国主義の核に対して自らも核で対抗するスターリン主義の路線は、労働者の国境を越えた団結で核戦争を阻止するという階級的立場の否定であり、自分たちが生き残るために他国の労働者人民を核で虐殺しても構わないということだ。断じて許すことはできない。

サード配備で米中対立激化

 9月4〜5日に中国・杭州で開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、現地に到着した米オバマに中国側が赤じゅうたんを用意しなかったことで両国当局者が怒鳴り合いになり、3日の米中首脳会談でも南中国海問題や高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD=サード)の韓国配備などで米中の対立が露呈した。その背景にあるのは、戦後世界の基軸国=米帝の没落・衰退であり、中国もまたバブル崩壊と国内経済の失速にあえぎ、軍事力を伴った対外進出戦略を激化させているということだ。
 こうした中、日帝・安倍の盟友=桜井よしこは、9月5日付産経新聞のコラムで「中国の尋常ならざる軍拡」とそれに対する米の「機能停止」を嘆き、また週刊誌の世論調査で自衛戦争も認めない日本人が男性で3割、女性で5割以上に達したことに対して、「こんな状況で自衛隊が第一列島線を守り切ることなど不可能だ」と悲鳴をあげている。そして、かくなる上は防衛予算を倍増して自衛隊を大改革せよと要求している。これは安倍の主張そのものだ。
 だが、こうした戦争政治への怒りと闘いも拡大している。この間、防衛省が契約した民間船会社のフェリーを使って自衛隊が部隊を輸送させようとしたことに対し、「事実上の徴用につながる」としてこれに反対していた全日本海員組合が運航要請を拒否し、契約船の使用を断念させた。労働組合の闘いこそ戦争を止める力だ。
 戦争と大軍拡によってしか延命できない帝国主義とスターリン主義を、労働者階級の国境を越えた団結で今こそ打倒しよう。11月国際共同行動の成功をかちとり、戦争を始まる前に阻止しよう。
(水樹豊)
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