10・9三里塚に大結集を 軍事空港粉砕・朝鮮核戦争阻止 第3滑走路攻撃との全面対決へ

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週刊『前進』04頁(2785号03面01)(2016/10/03)


10・9三里塚に大結集を
 軍事空港粉砕・朝鮮核戦争阻止
 第3滑走路攻撃との全面対決へ


 10・9三里塚全国総決起集会が目前に迫った。「空港絶対反対、農地死守・実力闘争」の基本原則を守り、国策と50年にわたり闘い続けてきた三里塚闘争は今、戦争・改憲に突き進む安倍政権に正面から立ち向かう決戦の時を迎えた。米日韓の朝鮮侵略戦争の出撃基地となる成田軍事空港=第3滑走路を阻止し、市東孝雄さんの農地を死守しよう! 10・9に大結集しよう。

地域破壊の4者協議会案

 9月27日、国交省、成田空港会社(NAA)、千葉県、そして成田市をはじめとする地元9市町は「成田空港問題に関する4者協議会」を開催し、成田空港の機能強化案として、①第3滑走路建設、②現在の暫定 滑走路(2500㍍)の1千㍍延長を打ち出した。第3滑走路建設予定地を「芝山町を中心とする地域」と特定して騒音分布図を示し、①と②の一体的運用で、年間約34万回の発着容量を確保するとしている。これによって200世帯が移転の対象とされる。
 さらに、航空機の夜間・早朝離着陸制限時間を、現在の午後11時〜翌朝午前6時から、午前1時〜5時に3時間短縮する案を打ち出した。
 まさに大規模な農地強奪と騒音地獄の強制による〝地域の根底的破壊宣言〟だ。
 これに先立ち小泉一成・成田市長は深夜の飛行制限の2013年に続く再緩和について「成田が生き抜いていくためにも議論する」と表明した。また、NAAの先兵としてうごめく石毛博道ら「成田第3滑走路実現を目指す有志の会」は、新たなパンフレットの中で「24時間空港といっても航空機が四六時中発着するわけではない」「24時間空港にして、騒音対策を充実させたほうが良いとの意見がある」と24時間化に言及している。

戦争のための新滑走路計画

 第3滑走路建設計画は、右肩上がりの経済成長と空港需要増大なるものを前提に、「拡張しなければ将来はない」と露骨に迫るものだ。だが、第3滑走路こそ、日帝の航空政策破産の象徴だ。
 2月に芝山町で開かれた講演会でNAA元社長・黒野匡彦は、1978年の開港から02年暫定 滑走路運用開始までの24年間を「日本の空港発展が凍結された期間」とし、「これを繰り返していいのか」と危機感をあらわにした。
 成田空港建設の頓挫は、90年代の航空自由化への日帝の決定的な立ち遅れを招いた。2000年代、成田空港はアジアのハブ空港の座から完全にずり落ちた。50年にわたる三里塚の闘いが、アジア勢力圏化を狙う日帝の野望を打ち砕いている。成田と羽田を一体で拡張する「首都圏空港の機能強化」は、安倍政権の絶望的なあがきだ。
 そもそも暫定 滑走路自体が破産の象徴なのに、それと抱き合わせで運用する第3滑走路は、2本で1本の役割しか果たさない危険な代物だ。
 こんなものを無理やり造るのは、軍事使用が目的だからだ。米シンクタンクのランド研究所は昨年、「北朝鮮が体制崩壊した場合、米軍は15万人を追加派兵する必要に迫られる」という報告書をまとめた。1990年代に「作戦計画5027」で米軍50万人の兵站(へいたん)基地とされた成田の軍事的位置は再び高まっている。第3滑走路計画は戦争のためだ。
 10・9集会は、4者協議会に徹底反撃する集会だ。軍事空港建設としての本質を暴き、空港労働者、周辺住民と連帯して第3滑走路を計画段階で粉砕しよう。羽田都心上空飛行に怒り、反対運動に立ち上がる人びととの連帯をつくり出そう。

市東さんの農地守りぬけ

 こうした情勢と一体で、市東さんの農地をめぐる攻防が緊迫している。農地法裁判上告から1年、安倍政権のもとで、いつ判決が下されてもおかしくない。だが、追い詰められているのは国とNAAであり、最高裁だ。農地取り上げ攻撃の本質は国家意志による反対同盟つぶし、階級闘争の鎮圧にある。それが1年にわたる農地取り上げ反対5万人署名・賛同署名の取り組みによって暴かれ、全国に広く知れ渡った。NAAの違憲・違法、不当・不正義が明らかとなった。
 7月の50周年東京集会を成功させた反対同盟は9月7日、全国から駆けつけた120人の労働者・農民・学生・市民とともに首都中枢において最高裁へのデモを打ち抜き、「市東さんの農地を奪うな!」と怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。今回の第3次分提出で、署名は合計2万539筆となった。この日の行動は同盟の固い決意を示し、9月冒頭における棄却策動を先制的に打ち破ったのである。
 最高裁が憲法を踏みにじり、市東さんの農地に手をかけるのなら、農民の圧倒的な正義を掲げ、全人民の怒りを解き放とう。「どんな判決が出ようと私は天神峰で農業を続けていきます」(9・11群馬集会)という市東さんの決意と心をひとつにして闘おう。
 農地決戦には全人民の未来がかかっている。これまでのあらゆる蓄積を駆使して「強制収用絶対阻止」の実力闘争をたたきつけよう。10・9集会で戦闘宣言を発し、10・17耕作権裁判・千葉市内デモに連続決起しよう。

国際連帯・労農同盟の力で

 米韓両軍は10月10〜15日、韓国・済州島沖から黄海で原子力空母ロナルド・レーガンを参加させる軍事演習を強行しようとしている。韓国では、北朝鮮の核実験をもえじきにして、一触即発の戦争情勢が激化している。
 沖縄・高江ヘリパッド工事強行、経産省前テント撤去・原発再稼働の強行などの反動も、朝鮮侵略戦争切迫情勢ゆえだ。
 安倍政権は改憲策動を強め、今国会でTPPの批准を強行しようとしている。労働法制改悪と一体で、日本農業のあり方をひっくり返す国家改造を許すな!
 かつて千葉地裁で市東さんに農地取り上げ判決を下した多見谷寿郎・福岡高裁那覇支部長は、9月16日、辺野古訴訟で翁長県知事が埋め立て承認の取り消しを撤回しないことを「違法」と断じる超反動判決を下した。司法判断を飛び越えて国家意志を代弁したこの判決こそ、朝鮮侵略戦争切迫情勢を体現したものだ。
 50年にわたって国策を阻んできた三里塚闘争は、沖縄と一体の反戦の砦(とりで)である。〝始まる前に戦争を止める〟ために、学生・青年労働者は三里塚に結集しよう。
 韓国では、アメリカの高高度迎撃ミサイル(THAAD=サード)の配備に反対し、予定地とされた慶尚北道・星州(ソンジュ)で、住民が連日闘いに立っている。
 労農連帯を打ち固め、車の両輪として日帝の新自由主義攻撃と闘いぬいてきた動労千葉と三里塚が韓国の労働者・農民との国際連帯を発展させることこそ、朝鮮侵略戦争を阻止する道だ。
 動労千葉・動労水戸をはじめとする労働者と、反対同盟・全国農民会議に結集する農民とのがっちりとしたスクラムを10・9集会で実現し、東京―ソウル―全世界を結ぶ11月国際共同行動を、急切迫する朝鮮戦争・核戦争を阻止する全労働者人民の大反撃の闘いとして大成功させよう。沖縄・福島の怒りとともに安倍政権を打倒しよう。
〔幸崎淳志〕

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最高裁の強制収用を許さない! 第3滑走路粉砕! 安倍政権打倒!
10・9三里塚全国総決起集会
 10月9日(日)正午 成田市東峰・反対同盟員の畑
 主催 三里塚芝山連合空港反対同盟

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