外注化と闘う動労総連合の裁判は証人尋問の最重要段階に突入 10・28東京地裁の大法廷を埋める結集を

週刊『前進』04頁(2789号02面01)(2016/10/17)


外注化と闘う動労総連合の裁判は証人尋問の最重要段階に突入
 10・28東京地裁の大法廷を埋める結集を


 外注化粉砕を闘う動労総連合の強制出向無効確認訴訟は、いよいよ証人尋問に入る。動労総連合は約100人が入る大法廷で裁判を開くことを裁判所に認めさせた。動労総連合の訴えに応え、大法廷を埋め尽くす大結集を実現しよう。
 動労総連合は裁判闘争を職場闘争と一体で闘ってきた。とりわけ職場の安全崩壊と偽装請負の実態を暴露してきたことは、外注化の矛盾を突いてJR東日本を追い詰めている。それは、証人尋問をめぐる進行協議での議論や、JR側が出した陳述書に如実に現れている。

JRを論破し証人採用実現

 6月23日の進行協議では、証人の人選などが協議された。JRは「具体的なことに争いはなく、評価の問題」「細かい証言は必要ない」という態度だった。しかし、裁判長が「違法なことをさせる目的の出向命令が権利濫用(らんよう)になるかは検討している」「具体的なことを聞かれて、分からないでは困る」として、千葉、水戸、高崎の各支社の具体的事情について証言できる証人を出すように求めた。動労総連合は動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎の各組合員の証人採用をかちとった。JR側も、しぶしぶ3人の証人を立てることになった。
 JRは、「たとえ偽装請負であっても、しょせん労働者派遣法に違反するだけで出向命令の有効性とは関係ない」「事故が起きたからといって安全が破壊されているとは言えない」「事故は個人のミスが原因で、外注化とは関係ない」として、「個別のことに反論する必要はない」と繰り返し主張してきた。だが、JR側の3証人の陳述書は、動労総連合が指摘してきた現場の具体的な問題に一つひとつ反論している。現場からの具体的追及にどれほどJRが追い詰められているかは、ここにはっきりと示されている。
 10月28日の第1回証人尋問では、動労千葉から3人、JR千葉支社から1人が証言する。この日の裁判は、職場の実態を現場から明らかにするとともに、JRを直接追及する闘いの場となる。

組織破壊うち破る大決戦に

 外注化は「第2の分割・民営化攻撃」の核心をなしている。攻防の焦点は組織破壊との闘いに絞りあげられた。JRは、定年退職後の再雇用という形で、東労組のカクマル分子などを幕張車両センターの仕業検査・構内業務に送り込もうとしている。これは動労千葉幕張支部にかけられた組織破壊攻撃だ。
 幕張支部には、国鉄分割・民営化攻撃に対してクビをかけて闘い、売店や駅、貨車解体業務などに強制配転された組合員が多くいる。そして、闘いの中で職場復帰をかちとり、幕張車両センターの業務に就いてきた。外注化との闘いの中では、33人もの組合員が再雇用を拒否されクビを切られながらも、団結を守りぬいてきた。だから、「分割・民営化に際して裏切った者は絶対に許さない!」という怒りが職場から消えることはなかった。そのためJRは、東労組組合員を幕張車両センターに送り込むことはこれまでまったくできなかったのだ。
 しかしJRは、「JR総連の初代青年婦人部長」という札付きのカクマル分子・川又吉正を幕張車両センターに送り込もうとしている。大量退職がピークを迎える中で、60歳定年以降の雇用先について誰もが不安を抱えている。そこに付け込み、動労千葉の組合員を検査修繕・構内業務から排除して、外注化反対闘争の先頭に立ち続けている幕張支部を破壊しようと狙っているのだ。
 これは検修職場の別会社化・転籍強制にまで行き着く、外注化の全面的拡大の攻撃でもある。JRは「水平分業」と称して、すべての鉄道業務を外注化・別会社化しようと狙ってきた。しかし、保線や駅業務で全面的な外注化が進められる一方で、検修業務の外注化はいまだその入り口に入った段階に過ぎない。
 JRにとって最大の障害となっているのが、動労千葉を先頭とする外注化阻止闘争だ。特に幕張車両センターでは、動労千葉が最大組合であり続けた。そのため、外注化は動労千葉組合員を大量に外注会社に出向させなければ成立しなかった。だが、それ自身が外注化の障害になった。だからJRは、外注先からも動労千葉を排除して労組を破壊する攻撃をかけてきたのだ。
 動労千葉は、この組織破壊攻撃を打ち破り、JRと外注先のCTS(千葉鉄道サービス)を貫く組織拡大を実現して、外注化を粉砕する闘いに打って出ている。それは、正規職と非正規職が団結してともに闘うという、困難な課題への挑戦でもある。
 これまで、非正規職の労働者に強いられた許しがたい労働条件に対する闘いは多くあった。だが、労働者が非正規職化されていく過程への闘いは、まったくといっていいほどなかった。しかし、動労千葉は外注化と徹底的に闘い、十数年にわたり外注化を阻止し続けた。それは、外注化によって労働者が正規職から非正規職に、本体会社から下請け会社に突き落とされていくこと自体に対する、前例のない闘いだった。こうして動労千葉は、新自由主義攻撃に労働組合が立ち向かえることを示してきた。

正規・非正規の分断のりこえ

 この闘いの中でCTSの労働者の動労千葉への結集が始まった。CTSの就業規則改悪に対しては、JR本体の組合員が自らの課題としてストライキに立った。この闘いの中で本体の組合員とCTSの組合員との間の信頼関係を築き、さらなる組織拡大に向けた闘いに打って出ているのだ。
 外注化との闘いは職場でも法廷でも決戦を迎えている。全労働者の先頭で外注化攻撃と対決する動労総連合とともに、闘いに立とう。10月28日から大法廷で開かれる証人尋問の集中審理に総力で結集しよう。この闘いをバネに11・6集会の巨万の結集をかちとろう。

------------------------------------------------------------
動労総連合出向無効訴訟
証人尋問集中審理
 10月28日(金)午前9時45分~午後5時
 12月16日(金)午前9時50分~午後5時
 1月13日(金)午前9時50分~午後4時
 いずれも東京地裁第103号法廷

このエントリーをはてなブックマークに追加