電通新入社員を殺したのは誰だ! 闘う労働組合が必要

週刊『前進』02頁(2792号02面03)(2016/10/27)


電通新入社員を殺したのは誰だ!
 闘う労働組合が必要


 広告最大手の電通で新入社員の高橋まつりさん(当時24)が昨年12月25日に過労自殺をしていたことが報道された。
 三田労働基準監督署(東京)が、月の残業時間が105時間だとして労災認定をしたのが今年の9月30日。その後、東京労働局が10月14日に電通の東京本社に立ち入り調査し、関西などの3支社と子会社にも地元労働局が調査に入った。
 高橋さんは電通の女子寮から投身自殺した。自殺までの数カ月、ツイッターなどで苦悩と怒りを同僚や友人に送っていた(一部別掲)。命をかけた弾劾だった。
 高橋さんはインターネット広告を担当する部署だった。昨年4月に入社後、半年間の試用期間を経て10月に本採用。担当する企業も増え、10月の残業時間は3倍以上の130時間に達していた。
 11月には上司に仕事を減らしてもらうよう頼んでいた。上司に「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」と言われていた。寝る時間を削って心と体の限界まで働いても、「髪がボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「女子力がない」とパワハラがあった。
 心ない言葉を浴びせられ、体調ではなく仕事量によって労働時間が増やされる。人を人とも思わない扱いだ。
 電通では労働組合との36協定で残業時間は月70時間までとされていた。それを超える残業をしても、70時間以内の虚偽の申告をするよう指導されていた。高橋さんも10月と11月の残業時間を「69・9時間」「69・5時間」と申告していた。
 電通資本はこれまで何人もの労働者を過労自殺に追い込んでいるブラック企業だ。電通は昨年8月にも労基署から長時間労働に対する是正勧告を受けていた。電通は「ノー残業デー」と「有給休暇の取得を促す」と回答していた。それでも今回の事件は起きた。事件後、電通は残業時間を70時間から65時間に短縮すると回答している。
 長時間残業やパワハラと闘う労働組合があれば彼女は死なずにすんだ。デタラメな36協定を結び、虚偽の残業時間申告を容認してきた御用労組も一体となって、何人もの労働者を殺しているのだ。この電通の手口は、安倍の言う「長時間労働の是正」のペテンそのものだ。労働者は体力の極限まで働かされる。
 さらに電通は、自民党の選挙広報も引き受け、安倍の国会演説の台本も任されている。安倍や資本は今回の事件を逆手にとって、〝残業時間が無制限な正社員に問題があるから「働き方改革」だ〟(10月20日付日経新聞夕刊)とねじ曲げようとまでしている。
 「和民」「すき家」やバス、トラックなど、あらゆる産別・企業で正規・非正規にかかわりなく、恐るべき長時間労働の実態が明るみに出ている。政府の調査でさえ、日本の5社のうち1社で月あたり80時間の「過労死ライン」を超える残業を強いられている社員がいる。安倍の「働き方改革」は、非正規労働者をもっと増やして貧困にたたき落とし、正社員をより競争させ、資本が強搾取しようとするものだ。
 労働者は団結して生きよう。闘う労働組合をよみがえらせよう。労働法制改悪〈総非正規職化、残業代ゼロ、解雇の自由化〉と闘う11・6労働者集会に集まろう。
 怒り、ともに闘おう!

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高橋まつりさんのツイッターや友人とのやりとり ※いずれも昨年
 10月13日 休日返上で作った資料をボロくそに言われた もう体も心もズタズタだ
 11月10日 毎日次の日が来るのが怖くてねられない
 12月9日 はたらきたくない 1日の睡眠時間2時間はレベル高すぎる
 18日   (午前3時55分の投稿)今から帰るんですけど、うけません?
 20日   男性上司から女子力がないと言われるの......我慢の限界である/欝(うつ)だ
 12月25日に投身自殺

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