12・4三里塚現地緊急闘争へ 最高裁の上告棄却決定弾劾!市東さんの農地を絶対守ろう

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週刊『前進』04頁(2799号03面01)(2016/11/21)


12・4三里塚現地緊急闘争へ
 最高裁の上告棄却決定弾劾!市東さんの農地を絶対守ろう

(写真 市東孝雄さんは年間50種類もの作物を完全無農薬有機農法で栽培している。写真はカブの収穫)


 市東孝雄さんの農地法裁判で、最高裁・大谷剛彦裁判長は10月25日、上告棄却という断じて許せない不当決定を下した。三里塚芝山連合空港反対同盟はただちに記者会見を開いて弾劾声明を発し、市東さんは11・6労働者集会で「これで終わりじゃない。この地で農業を続ける。これからが本当の勝負」と揺るぎない決意を明らかにした。反対同盟は、この不当決定に対する反撃の闘いとして、12月4日に現地闘争を呼びかけている(要項1面)。労農連帯の真価をかけて結集しよう。

「この地で農業を続ける」 市東さんの決意に応えて

 最高裁による上告棄却決定は、裁判所が収用委員会になり代わって市東さんの農地を強制的に取り上げようという「強制収用」宣言である。親子3代百年、丹精込めてつくり上げた農地を、違法・無法を重ねてきた成田空港会社(NAA)の意のままに裁判所が奪う。しかも、あろうことか小作者の権利を保護するための農地法を悪用して農地を奪うというのだ。農民として絶対に受け入れられない歴史的暴挙である。農民にとって農地は命であり宝なのだ。
 これは企業の農業参入を進めて家族農業をつぶし、TPP(環太平洋経済連携協定)を推進する新自由主義農政と一体の攻撃であり、安倍の原発再稼働や沖縄新基地建設、労働法制改悪攻撃とひとつながりである。
 この安倍政権の意を受け、最高裁は憲法をないがしろにして「強制収用」にお墨付きを与えたのだ。体を張ってこれを阻止することは圧倒的な正義である。最高裁を徹底的に弾劾し、NAAへの怒りをたたきつけよう。市東さんとともに農地取り上げを阻止する闘争態勢を構築しよう。

三里塚闘争50年の勝利に追い詰められた国・NAA

 NAAの夏目誠社長は最高裁決定を受けて「誘導路の直線化に向けた検討を進める」とうそぶいた。もう一つの農地裁判である「耕作権裁判」が今も千葉地裁で闘われている以上、直線化の見通しなどない。上告棄却が狙うものは反対同盟つぶしである。
 米大統領選でのトランプ当選は、新自由主義への怒りの爆発を示している。トランプ体制下で新自由主義と階級支配のさらなる破綻は不可避だ。他方で、朝鮮戦争の超切迫情勢の中で国際連帯闘争が爆発している。韓国情勢を見よ。今やパククネの打倒は時間の問題だ。上告棄却はこうした戦後世界体制の崩壊に震え上がる日帝危機の中での三里塚攻撃なのだ。
 最高裁が10・9全国総決起集会と10・17耕作権裁判闘争の後に決定を下したことは、反戦・反権力の砦(とりで)として50年間、国家権力と対決してきた闘いの威力を恐れ、人民の怒りに恐怖しているからだ。反対同盟と民主労総の国際連帯、11月国際共同行動の前に、なんとかこれをおとしめようとしたものだ。
 農地取り上げ攻撃の本質は国家意志による反対運動つぶし、階級闘争の鎮圧にある。1年余にわたる最高裁5万人署名・賛同の取り組みでそれが暴かれ、NAAの違憲・違法、不当・不正義が全国に知れ渡った。地裁の段階から積み上げた農地取り上げ反対署名は約7万筆に達する。全国に市東さん支援運動が広がり、24時間空港化・第3滑走路計画との闘いと結びつこうとしている。耕作権裁判では、NAAの証拠偽造が明らかにされ、最高裁決定の前提が揺らいでいる。追い詰められているのは国とNAAであり、最高裁だ。
 これに対し反対同盟は、追い詰められたがゆえの敵の凶暴さにひるむことなく、並々ならぬ決意で反撃に立とうとしている。
 三里塚現闘は市東さんや反対同盟とともに断固、体を張って闘う。これまで三里塚で培ってきた全蓄積、三里塚にかけてきたすべての思いを解き放ち、新たな三里塚闘争の爆発をかちとろう。

階級的労働運動を軸に労農連帯で勝利を開こう

 12・4闘争への結集は、市東さんと反対同盟への最大の激励であり、団結の表明である。
 目の前には新たな三里塚闘争の壮大な展望がある。上告棄却と第3滑走路計画を串刺しにして、国とNAAに対する怒りを束ね、再び北総台地に乱を起こすのだ。
 第3滑走路の空港拡張面積は1千㌶。空港をもう一つ造るような規模だ。600戸の住民を追い出し、豊かな自然と農地を奪い、騒音地獄を新たに拡大するとんでもない計画だ。怒りの炎が燃え広がり、すでに騒音下の住民から絶対反対の声が上がっている。12・4闘争で地域住民とともに怒りの声を上げ、第3滑走路阻止の闘いを前進させよう。
 労農連帯・国際連帯が大きく発展している。軍事空港建設との闘いは、朝鮮戦争阻止の闘いだ。韓国・ソウルでの11・12民衆総決起に反対同盟の萩原富夫さんが参加し、100万人決起の息吹を持ち帰った。パククネ打倒と市東さんの農地決戦はつながっている。沖縄・福島の怒りとともに安倍政権を打倒しよう。農地決戦をとおして、日本における民衆総決起の展望を切り開こう。
 勝利の道は労農連帯を発展させて闘うことだ。動労千葉を軸に、労働組合・労働運動の力で市東さんの農地を守る大運動を巻き起こそう。全国から上告棄却弾劾・反対同盟支持のメッセージ、激励を届けよう。労組決議を上げ、空港内労働者の組織化に取り組もう。
 「全国の労農学人民が明日からでも三里塚現地に駆けつけ、援農・現地調査などで市東さんと交わり、市東さんを激励してほしい」(太郞良陽一さん)という反対同盟の呼びかけに応えよう。
 今こそ、全国農民会議、市東さんの農地を守る会がその力を発揮する時だ。賛同運動でつくり出した陣形を、市東さんの農地を守る陣形へ強化・発展させていこう。
 京都大学を先頭とする全国学生運動の爆発をかちとり、現地行動隊を強化しよう。
 12・4闘争はまさに、12月総決起の最重要の闘いである。三里塚闘争50年の真価をかけた闘いへ勇躍踏み出そう。12・4から安倍打倒の12月総決起へ攻め上ろう。
〔幸崎淳志〕

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