民主労総ゼネストと結んで世界に届く闘いを京大から 12・12京大大集会へ 作部羊平同学会委員長の訴え

週刊『前進』02頁(2800号02面01)(2016/11/24)


民主労総ゼネストと結んで世界に届く闘いを京大から
 12・12京大大集会へ
 作部羊平同学会委員長の訴え

(写真 「降りてこいパククネ」のプラカードを手にデモに参加する作部羊平委員長【11月12日 ソウル】)

 京都大学全学自治会同学会は、12月12日の京大キャンパス集会―京都市内デモを呼びかけています。訪韓闘争に参加した、同学会の作部羊平委員長のアピールを掲載します。(編集局)
 私は動労千葉訪韓団の一員として民主労総の全国労働者大会や民衆総決起大会に参加しました。
 11月12日、パククネ打倒を叫んでソウル市内を埋め尽くす百数十万人のデモ隊は圧倒的でした。昨年の民衆総決起闘争にも私は参加しましたが、15万人の労働者人民が青瓦台(大統領府)に進撃して機動隊と激突し、その中で農民のペクナムギさんが放水銃で虐殺されました。その後民主労総のハンサンギュン委員長は不当逮捕され、今も獄中にいます。
 その悔しさと怒りをバネに、「チェスンシル・ゲート」事件を契機とした今回の民衆総決起は空前の規模に膨れ上がりました。ソウル市中心部は「解放区」となり、街中に「パククネ退陣!」の叫びがこだましました。「私たちには力がある!」----そのことを知らしめた歴史的事件でした。
 9月27日以来の鉄道労組ストを基軸に、民主労総ゼネストがあらゆる階層の怒りを引き出し、民衆総決起を実現しています。民主労総は「社会のすべてを止める」11月30日の大ゼネストを宣言しました。11月12日に配られた公共運輸労働者のビラには、「野党の挙国一致内閣も資本家の政府だ、労働改悪と戦争で人びとを殺す資本主義を終わらせよう」とあります。間違いなく、韓国で革命が始まっています。

■韓国では学生運動が復権

 韓国の闘いの中心に、青年・学生がいます。「7放世代」(恋愛、結婚、出産、マイホーム、人間関係、夢、就職をあきらめざるをえない世代)と呼ばれる若者層に矛盾が集中し、パククネやチェスンシルなど、政治権力とカネを握る支配階級=財閥への怒りが爆発しています。梨花女子大やソウル大を先頭に、全国で戦闘的な学生運動が復権しています。
 韓国では、1997年以降のIMF管理体制下で新自由主義政策が推し進められ、学生から政治が奪われて学生自治会は右傾化し、大学は「職業訓練の場」と化していました。
 その現実をひっくり返すきっかけが、2013年12月の鉄道労組の23日間の民営化反対ストでした。交通機関がまひする中、スト断固支持の学生が次々現れ、ほとんどの大学の壁に連帯メッセージが貼りめぐらされました。その後の民主労総ゼネスト決起を見る中で、「個人的な勉強や就職のための大学でいいのか、自分たちが何をなすべきか」という意識が徐々に生まれ、行動が始まっていったそうです。労働者のゼネストが学生・農民・露天商など全人民を引き寄せ、「社会のすべてを変える」革命に行き着こうとしています。
 若者をめぐる現実、戦争と貧困への怒り。日本も韓国とまったく同じではありませんか? 安倍とパククネとトランプ、支配者がやろうとしていることもまったく同じです。韓国の革命情勢、アメリカでのトランプ打倒デモに続き、安倍の戦争政治を止める学生の巨大な決起をつくり出したいと思います。

■処分撤回―第2波ストへ

 私は京都大学同学会委員長として、「無期停学」処分当該として、処分撤回―第2波ストへ仲間とともに日々闘っています。7月の処分決定に対し、私たちは全国学生と団結して10月3日と21日に京大キャンパスから反撃をたたきつけました。当初は「処分者は学内立ち入り禁止」とわめいていた京大当局・山極寿一総長体制は、学生の闘いに追い詰められ、もはやなすすべを失っています。処分撤回署名は着実に拡大しています。
 いま京大本部時計台前には、京大生有志が立てた巨大看板(9㍍×4・5㍍)が鎮座しています。10月3日早朝にいったんは京大当局に破壊されたものの、10月31日に再建されたのです。
 当局は11月18日付で「告示第8号」を出し、看板強制撤去のための「法的措置」を明言しました。学内の立て看板撤去に国家権力を発動するという常軌を逸した対応の中に、京大当局の凶暴性と脆弱(ぜいじゃく)性が凝縮しています。
 学生寮担当のある教授は「大学は法人化で企業になった。......経営者が納得するよう、学生も大学のコンプライアンス(規則順守)に従え」とあけすけに語りました。資本家と一体化した京大当局は、今や学生の闘いの芽をすべてたたきつぶさないと体制を維持できない危機にあります。
 鍵を握るのは学生の団結です。私たちは処分撤回決議のために、各クラスで丁寧な討論を重ねてきました。多くの学生は、学生管理や弾圧、電通での女性労働者の過労自殺などの現状、そして戦争の現実性に不安や怒りを募らせています。

■日本の学生が立つときだ

 11月14日の理念交流会で、アメリカの鉄道労働者は「韓国の闘いにインスピレーションを得た。アメリカでもできると伝えたい。この場には、より良い社会をつくるために世界の労働者が団結している事実がある。この気持ちを持って闘う」と宣言しました。私も同じ立場で多くの京大生とこの感動を共有し、決意も新たに闘います。
 韓米に続き、安倍政権の「戦争と労働改悪」絶対反対で日本の学生は立ち上がるのか、世界が注目しています。京大第2波ストへの挑戦は、大学ストライキを復権し、昨年の安保国会闘争で示された怒りをゼネストへと発展させる闘いです。12・12京大大集会は日本の学生の怒りを解き放ち、ゼネストと革命を引き寄せる最先端の攻防です。
 11・30韓国ゼネストに連帯しよう! 年内3万筆署名を達成し、4学生処分撤回へ! 団結しともに闘いましょう!

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12・12京大大集会
●京大キャンパス集会
 正午 京大時計台前集会
 午後1時50分 キャンパス一周デモ
●京都市内デモ
 午後6時30分 集会(三条大橋下)
 午後7時30分 デモ出発

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京大同学会の闘いの軌跡

 現在の京大同学会の闘いの出発点は、「2011年3・11福島原発事故」にある。未曽有(みぞう)の原発災害を引き起こした、大学に巣食う「原発御用学者」への社会的な怒りが高まる中、大学と教育を労働者・学生の手に取り戻すため、京大生は立ち上がった。その先頭には、法大闘争を担ってきた仲間が立った。
 12年5〜6月の全学選挙での3千超の投票と圧倒的信任で新生同学会執行部が誕生した。
 14年7月1日、安倍政権は集団的自衛権行使容認の閣議決定を行った。同学会執行部は、戦争絶対反対を貫く学生自治会へ飛躍することを決断。同年11月には、キャンパス内で同学会の反戦活動を監視していた京都府警の公安刑事を摘発、たたき出す大勝利をかちとった。
 15年夏秋の安保国会決戦を全力で闘った同学会は、戦争を止める道は学生がキャンパスから実力で闘う中にあると確信し、同年10月27日に吉田南キャンパスで半日間のバリケードストライキを打ち抜いた。この決起は京大と全社会に大きな衝撃を与えた。
 震え上がった国家権力と京大当局は共謀し、今年3月に作部委員長を含む6学生を威力業務妨害容疑で不当逮捕したが、奪還闘争の高揚で6学生は不起訴釈放をかちとった。追い詰められた京大当局・山極総長は7月、同学会執行部の京大生4人に「無期停学」処分を下した。戦争翼賛大学を許さない決意を込めて、処分撤回の全国署名運動が呼びかけられ拡大している。10月3日(写真)と21日の京大キャンパス集会は、当局の「集会禁止」命令を粉砕して大高揚した。
 京大闘争(4学生処分撤回闘争)は、改憲・戦争阻止の最前線であり、学生から自由と未来を奪う新自由主義大学を根底的に変革する闘いとして、第2波ストライキへ発展している。1925〜26年の「京都学連事件」(治安維持法の国内適用第1号)以来の伝統を持つ京大学生運動は、日本階級闘争と全国学生運動の牽引(けんいん)車だ。

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