統廃合・民営化に反対 国保労組の大会でアピール

週刊『前進』04頁(2801号02面04)(2016/11/28)


統廃合・民営化に反対
 国保労組の大会でアピール


 2018年の国民健康保険(国保)の市町村から都道府県への移管を前に、私は10月31日の福岡県国保労組定期大会で以下の3点を訴えました。
 1点目は、これまで市町村が行ってきた国保運営の都道府県単位化との闘いについてです。安倍政権は規制改革推進会議で、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)の審査の効率化・統一化を進め、組織体制をゼロベースで見直す改革案を出しました。支払基金と同様に診療報酬の審査を行う機関である私たち国民健康保険団体連合会(国保連)と医療費削減を競わせ、組織の統廃合、民間委託を狙う油断できない情勢に入っています。
 国保連の職場は当局による退職者の定員不補充で人員不足が進み、残業・休日出勤が増え代休取得も困難になり、メンタル疾患や健康を損なう職員が増加しています。私は「支払基金と国保連の労働者は同じ攻撃を受けている。団結して闘おう」と訴えました。自治体・自治体関連職場で攻撃が激化しています。奈良市従労組のように絶対反対で闘う労働組合が求められています。
 2点目は、人事院勧告で扶養手当を半減する攻撃についてです。大幅な賃下げであり、扶養手当そのものをなくそうとしています。
 扶養手当は労働者が闘ってかちとってきたものです。将来を担う子どもたちを育てるために欠かせない生活費です。安倍政権は公務員を突破口に民間に波及させようとしています。「働き方改革」は労働基準法的あり方を一掃する攻撃です。扶養手当削減反対・賃下げ反対で闘おうと訴えました。
 3点目は、改憲と戦争を阻止する闘いです。安倍は本気で戦争に踏み出そうとしています。韓国・民主労総はストライキで闘っています。「戦争を始まる前に止めよう。11月には東京--ソウルを結ぶ大集会が開催されます。ともに闘いましょう」と訴えました。
 「安倍と一体の当局と断固闘おう」と呼びかけ、敵をはっきりさせることができました。大会後、青年が「やりましたね」と声をかけてくれました。職場の怒りが団結に転化しつつあります。闘いはこれからです。
(福岡 糸野博)

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〈解説〉
国保の県移管と審査機関の統合・民営化狙う攻撃

 安倍政権は2015年5月、国保が年3500億円を超える赤字を出しているとして医療保険制度改革法を成立させた。「財政基盤を強化する」と称して、18年度から国保の運営主体をこれまでの市区町村から都道府県に移す。都道府県に責任を負わせて医療費を削減させる圧力を強める一方、加入者からの保険料徴収を担う市町村に対して徴収のアップを強いることが狙いである。
 国保は社会保険(協会けんぽ・健保組合・船員保険・共済組合)に加入できない人向けの公的な医療保険である。加入者は3500万人。今や年金暮らしの高齢者や非正規職労働者が8割を占める。当然にも保険料収入が減る一方、高齢化により1人あたりの医療費は増え続けている。
 これに対し安倍政権は医療費削減と医療体制・医療保険制度の解体、民営化・営利化を全面化しようとしている。医療を受けることは抑え、取り立てを強め、金もうけの具に変えて命を奪う新自由主義の最末期の姿だ。
 現在、市区町村は医療機関から提出される診療報酬明細書(レセプト)が正しいか審査することが義務付けられており、都道府県ごとに設立された国保連と支払基金に審査を委託している。受診者が加入しているのが国保か75歳以上の後期高齢者医療制度であればレセプトの提出先は国保連、社会保険であれば支払基金になる。レセプトの審査が厳しくなって支払われる金額が減れば、医療機関は経費が払えなくなって廃院の危機にすら追い込まれる。しかし政府はマスコミを使い「毎年の審査手数料1200億円が財政を圧迫している。審査機関は医療費削減の実績も上げず、賃金は公務員より高い」とキャンペーンして、この2団体に医療費削減を競わせ、合理化・効率化、統合・民営化を進めようとしている。「競争に負けたら仕事がなくなる」「トイレも惜しんで働け」と脅して人員削減と労働強化、労働組合破壊の攻撃を強める当局に対して、怒りが職場から噴き出している。

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