動労総連合定期大会 第2の分割・民営化粉砕へ 組織拡大の方針確立 結成30年迎え新たな飛躍決意

週刊『前進』04頁(2807号02面01)(2016/12/19)


動労総連合定期大会
 第2の分割・民営化粉砕へ
 組織拡大の方針確立
 結成30年迎え新たな飛躍決意

(写真 田中委員長が総括答弁に立ち、JRの新たな大再編攻撃との対決を訴えた【12月12日 DC会館】)

 動労総連合は12月11~12日、第31回定期全国大会をDC会館で開いた。結成30年の節目の大会は、動労総連合の新たな歴史の出発点を築いた。昨年12月の大会以降、新たに結成された九州、北陸、東京の各単組の代議員を加え、前日10日の常磐線再開阻止の統一行動の熱気も持ち込まれた大会で、動労総連合は17年の決戦方針を確立し、一層の組織拡大へ決意を固めた。

世論獲得の闘いに出よう

 あいさつに立った田中康宏委員長(動労千葉)は、「30年前、皆の首をかけた決断で動労総連合を結成した。全労働者の未来のために何があっても闘いぬくと、ともに歩んできた仲間は本当の同志だ。30年の経験と教訓が真価を発揮する時が来た」と切り出した。
 また、韓国のパククネ打倒情勢とアメリカでのトランプ登場を軸に、時代の本質を「民主労総の闘いをきっかけに歴史が動いた。資本主義の終わりが始まり、アメリカ、ヨーロッパでも既成の支配の仕組みは崩れた。だから戦争が問題になる。日本では朝鮮を焦点にした戦争の準備が始まっている」と説き明かした。
 そして、11月国際共同行動を闘ってつかんだ教訓として、「民主労総の必死の努力を学ばなければならない。韓国の怒りの声を生んだのは、鉄道労組の13年の23日間のストに始まり、民主労総が困難な中でゼネストをやり続けたからだ。これが『民営化は悪』『成果主義は悪』『競争はやめなければ』という世論を獲得した。これが土台にあって200万人の決起になった。ならばわれわれも、戦争と労働法制改悪絶対反対の闘いをやりぬき、社会的な規模での価値観の転換をつくり出そう」と提起した。
 さらに、JRが転籍を伴う業務の全面的分社化に踏み出していることを明らかにし、「これは一企業の再編ではない。JRが最先兵となり、総非正規職化・正社員ゼロ・解雇自由の安倍『働き方改革』を社会全体に貫徹する攻撃だ。国鉄分割・民営化以来の社会の大再編がたくらまれている」と喝破した。
 結論として、「第2の分割・民営化攻撃に立ち向かえる根拠はある。1047名解雇撤回闘争は最高裁で採用差別が不当労働行為だったことを確定させた。国労の屈服を容認せずに闘った仲間が動労総連合に結集した。外注化阻止闘争を闘い、強制出向無効裁判も起こした。外注化は転籍・非正規職化で完成するが、その入り口の出向の段階で攻撃を止めている。第2の分割・民営化と小池の東京都丸ごと民営化に社会的に対決し、『民営化は絶対だめ』『成果主義は絶対だめ』という世論を獲得すれば、日本でも韓国と同じことが起きる」と呼びかけた。
 連帯あいさつに立った国鉄闘争全国運動呼びかけ人の山本弘行さんは、自ら国鉄闘争の当事者となって闘うと表明した。
 石井真一副委員長(動労水戸)が経過を報告し、木村郁夫執行委員(動労水戸)が情勢を、大竹哲治執行委員(動労千葉)がJRをめぐる動きを提起した。
 闘いの課題と基調を提案した川崎昌浩書記長(動労千葉)は、1047名解雇撤回闘争、第2の分割・民営化攻撃との闘い、反合・運転保安確立の闘い、17春闘、闘う労働組合の全国ネットワークと国際連帯闘争の発展、組織強化・拡大と動労総連合の全国的建設などの方針を全面的に明らかにした上で、特に「すべての闘いを組織拡大の視点から」「職場闘争なくして組織拡大なし」「反合・運転保安闘争なくして組織拡大なし」の原則を強調した。そして、組織拡大をめぐる各単組での綿密な討論を呼びかけた。
 大会1日目の最後に、動労総連合の初代書記長を務めた布施宇一・動労千葉顧問の特別講演が行われた。「労働組合とは何か」を原点に返って説き明かした講演は、参加者に貴重な視座を与え、組織拡大の決意をあらためて固めさせた(講演の要旨は別掲)。

仲間を増やす展望はある

 討論では、動労西日本が広島印刷事業所廃止阻止闘争の総括を語った。動労東京が組織拡大の展望は確実にあると発言し、動労総連合の新たな飛躍を実感させた。動労福島は宮城県支部の結成を報告し、動労連帯高崎は外注化による事故続発を弾劾し、組織拡大の教訓を明らかにした。動労総連合・九州は1047名解雇撤回へ闘い、株上場で一層の合理化に突き進むJR九州に組織を建設すると表明、動労総連合北陸もJRと関連職場に組織を拡大する決意を示した。動労総連合・新潟は組合に結集してパワハラを止めた勝利を報告し、動労神奈川は青年組合員の解雇を必ず撤回させると述べた。
 動労水戸は常磐線再開阻止の闘いの意義を明らかにし、来年3月が決戦本番だと強調した。動労千葉は「動労である以上、本来の運転職場で組織を拡大する。それは可能だ」と宣言した。
 青年の代議員は、青年が青年を組織するため、青年部を近い将来結成したいと表明した。非正規職の仲間を組織することの苦闘なども率直に出され、組織拡大をめぐる実践的議論が交わされた。
 総括答弁に立った田中委員長は、第2の分割・民営化攻撃が従来の比ではない形で始まったことをあらためて強調した。そして、国労闘争団として闘ってきた仲間が動労総連合に結集している現実を踏まえ、1047名解雇撤回の闘争組織を設置すること、総連合青年部の結成に向けて本部として全面的に責任を取ることを明らかにした。
 役員選出では、動労福島の橋本光一委員長と動労東京の吉野元久委員長が総連合の執行委員に加わった。
 大会1日目の夕方には動労総連合結成30周年記念レセプションが行われた。動労総連合前委員長の君塚正治・動労千葉顧問の音頭で乾杯し、各単組が意気高く決意を語った。青年が勢ぞろいして総連合の先頭に立つと表明した。ここに動労総連合の未来がある。全金本山労組の長谷武志副委員長の激励を受けて一層の団結を打ち固めた。
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