無実の獄中同志奪還を

週刊『前進』08頁(2809号04面01)(2017/01/01)


無実の獄中同志奪還を

 星野文昭同志、福嶋昌男同志に加え、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧で上告棄却となった板垣宏同志、十亀弘史同志が昨年6月、下獄闘争に入った(同弾圧で懲役11年が確定した須賀武敏同志は、下獄時の健康保障を求め闘争中。3同志は現在、再審準備中)。無実の4同志の新年メッセージです。獄中同志奪還へともに闘おう。(編集局)

あふれる怒りと結合した力で星野解放を
 徳島刑務所在監 星野文昭同志

 2017年を、世の中にあふれる怒りと結合した団結の力で、職場・世の中を変え、星野解放をかちとる一年にしましょう。
 安倍の戦争への怒り、資本のために死ぬほど働かせ、年金を下げ、介護・医療費を上げ、あらゆる層を貧困に突き落とすことへの怒りが、今社会に満ち満ちています。
 死滅しつつある資本による、労働法制改悪と戦争をはじめとした攻撃は、膨大になった過剰資本が、全世界の労働者人民からあらゆる形で搾取・収奪し、利潤をむさぼり尽くそうとするものとなって、全世界の労働者階級人民に等しく襲いかかっています。国境・国籍・民族はじめ、あらゆる分断をのりこえ真の団結を形成し、その団結の力で自国政府・全資本家階級・支配階級を倒し、すべてを労働者人民の手に奪い返そう! これがこの時代のスローガンです。
 11月日韓共同闘争は、全世界の労働者人民に、今日の労働法制改悪と戦争に絶対反対で闘い、団結を拡大・発展させ、それをゼネスト・総決起へ発展させ、歴史を大きく回転する地平を開いています。
 とりわけ民主労総のゼネスト闘争は、全民衆決起をかちとり、パククネ打倒を手中にして、全世界の労働者人民に勝利の道を示しています。
 日本においても民主労総と一体に闘う動労総連合を軸とする闘いが、戦争と労働法制改悪・生活破壊への怒りと結び、今年は巨大な安倍政治打倒闘争の年になることは、間違いありません。そして、それと一つに無実で無期・42年投獄をこれ以上許さない星野闘争のさらなる大飛躍をかちとりましょう。
 戦争と基地、搾取のない社会をめざし、それを労働者人民の自己解放=人間解放の力で実現しようとした闘いを圧殺するために、権力が私の無実を承知の上で無期・42年投獄を強いています。このことを知った誰もが驚き、憤り、同時に、そのことに私たちが屈せず、心を一つにして、人間の力、団結の力を信じ、その力で星野の解放、すべての労働者人民の解放をかちとるために闘っていることに感動し、共感が広がっています。
 絵画展・100万人署名と『星野新聞』の拡大を一人ひとりが自らとすべての労働者人民の未来をかけて闘うことによって、星野の拠点=闘う拠点を形成し、解放・勝利の道を開いています。
 星野闘争を解き放ち、100万人、1千万人と結び、直ちに星野を解放しよう! 11人証言・全証拠開示をかちとり、再審無罪をかちとろう!
 全世界の労働者人民と一つに団結し、闘う労組拠点と闘うソビエト的拠点と党を不抜に一体的に形成し、ゼネスト・総蜂起によって資本・権力を倒し、人間労働・人間的共同性を奪い返しましょう。力を合わせ誰もが人間らしく生きられる人間本来の人間性・共同性・創造性に満ち満ちた社会を、日々の団結した闘いの中から実現しましょう。
(71年11・14沖縄返還協定批准阻止・渋谷暴動闘争戦士。デッチあげ殺人罪で87年に「無期懲役」判決確定。96年に第1次、09年に第2次再審請求。12年3月再審棄却決定に対し異議申し立て中。獄中42年。70歳)

検察意見書を粉砕し再審―爆取無罪へ!
 府中刑務所在監 福嶋昌男同志

 ロシア革命100周年を眼前にして、今韓国は革命情勢です。11月全国労働者総決起集会の歴史的な力は民主労総のゼネスト総力決起と結合して国際共同行動の基盤をつくりだしました。日韓国際共同行動の力が革命情勢を成熟させています。11月国際共同行動は現下の米日韓の朝鮮戦争の危機に対し〝世界戦争・核戦争の前に戦争阻止!〟を掲げ、労働者階級のインターナショナルの出発点を築きました。
 世界の労働者の職場・生産点の闘い、「労働の奪還」論で、労働法制改悪を打ち破り、米日韓の戦争態勢を打ち砕こう。
 無実の星野文昭同志の不屈42年間の獄中闘争と暁子さんの共同闘争はインターナショナルの基軸・土台となって、ロシア革命100周年の中でこそ2人の解放の扉が開きつつあります。
 星野同志と暁子さんの絵・詩は愛と革命の最高の表れです。絵・芸術は人間・自然の最高の表現と言えます。絵は『人体600万年史』からの労働・共同をもって、階級社会を転覆し、「人間が人間らしく生きられる社会を奪還しよう!」と訴えています。
 今、再審闘争の力は、絵画展、徳島刑務所包囲闘争、全国集会、そして徳島星野さんを救う会をはじめとした全国の救援会と『星野新聞』の輪によって育まれ、すべての人びとと結びついて、全証拠を開示せよと迫ってます。一日も早い奪還を!
 福嶋再審は、検察による指紋の意見書(16年1月20日付)と筆跡の意見書(6月30日付)との攻防の真っただ中にあります。
 指紋の意見書は、弁護側の「二者の指紋の特徴点の位置は一致していない」という証明に対し、指は立体であり、現場指紋は平面になっているから、一致しなくてもいいのだ、という開き直りの意見でしかないのです。
 他方、筆跡の意見書は手紙とメモを比較すると、明らかに異質の字画を、資料内から「似た」字画を恣意(しい)的に引用し、個人内変動だと言ってごまかしています。検察の両意見書は再審請求書添付の「筆跡鑑定書」「指紋検証報告書」に対する非科学的なケチつけであり、それらの新規性・明白性を少しも損なうものではありません。
 私は無実です。
 許せないことに、前橋、水戸の両刑務所は再審事務局の内藤雄二同志と板垣宏同志、十亀弘史同志との交通を禁止してきました。再審闘争への妨害です。徹底的に弾劾します。
 本年も、私は弁護団・再審事務局・かちとる会・家族・皆さんと固く連帯し、前進します。須賀武敏・十亀弘史・板垣宏の3同志、星野文昭同志と固く団結し、再審闘争に勝利します。団結!
(迎賓館・横田爆取弾圧裁判で懲役12年。2012年下獄、獄中5年。14年12月26日、東京地裁に再審請求。72歳)

天皇制への幻想、排外主義・改憲打ち砕こう
 前橋刑務所在監 板垣宏同志

 韓国では、パククネ政権の底知れぬ腐敗と財界の癒着があばかれ、鉄道労組の無期限ストライキを先頭にした民主労総のゼネストが闘いぬかれる中で、パククネ打倒の闘いが200万人のデモとして爆発しています。
 一方、アメリカ大統領選でのトランプの勝利は、米帝の没落・衰退を示すもので、新自由主義とグローバリズムの大崩壊を示しています。
 アメリカでは80年代以来の新自由主義攻撃と対外戦争の継続によって、労働者の雇用、医療、教育など生きる基盤が破壊され、社会が荒廃し崩壊しました。この現実に対する怒りをトランプがかすめ取ったのです。しかし、この結果はアメリカ帝国主義の混迷と分裂、危機を一層深めるだけです。
 すでにアメリカではニューヨークやシカゴなど約50カ所以上で大規模な「反トランプデモ」が巻き起こっているように、すさまじい排外主義との階級的激突が始まっており、一種の内乱状態になっています。
 こうした中でのトランプの「アメリカ第一主義」とは、米帝が帝国主義間争闘戦を激化させ、保護主義へ走り(ヨーロッパではすでにイギリスのEUからの離脱という形で保護主義が始まっています)、世界経済は大恐慌がますます進行し、経済が縮小し、世界戦争に至る過程が始まる。1930年代と同じ歴史を繰り返すわけにはいきません。
 戦争が起こる前に戦争を止める、この闘いをしなければなりません。そのためには日本で、動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭に階級的労働組合をよみがえらせ、韓国の民主労総のようにゼネストで闘うことです。
 この情勢を一番恐れているのは安倍です。国会での3分の2勢力で、自民党ブルジョアジーは、改憲や戦争など何でもできると錯覚していますが、アベノミクスは大崩壊し、唯一頼みにしてきたTPP(環太平洋経済連携協定)も、トランプの勝利で完全に見込みがなくなっています。いよいよ凶暴性を増した安倍政権は、アジア・朝鮮・中国への侵略戦争にひた走る以外にありません。
 「8・8天皇メッセージ」でついに天皇制が階級闘争の前面に登場してきました。日本帝国主義の最後の延命手段である天皇が階級闘争の前面に飛び出してこざるを得ないほど、日本帝国主義は危機なのです。天皇制への幻想と排外主義・改憲は一体のものです。これを打ち破って日本の階級闘争が進む時、勝利は私たちのものです。
(迎賓館・横田爆取弾圧裁判で懲役8年が確定し、16年6月6日下獄、残刑4年7カ月。73歳)

今年必ず奪い返して星野さんと腕組もう
 水戸刑務所在監 十亀弘史同志

 今年必ず星野文昭同志を取り戻しましょう。必ず、そして早期に。
 独房に居て、星野さんの闘いの深さと大きさを一層ひしと感じています。42年、私の今の「刑期」の10倍です。戦慄(せんりつ)を覚えます。同時に、無実であることを熟知しながら、星野さんに絶えることのない暴力を加え続けている権力に対して胸中いっぱいの怒りを抑えることができません。
 星野さんは1万5千日の間、獄壁を引き裂いてきました。星野さんの獄中闘争と獄外の階級闘争が一体というとき、それはあらかじめそうであったのではなく、星野さんの営々たる闘いが切り開きかちとった一体性です。星野さんが内側から大きく獄壁を打ち崩しているのです。星野さんのその闘いに応えきることは、私たち労働者階級の最も切迫した重大な責務です。
 星野闘争は徹底して階級的であると同時に、訴える相手を問わず、誰をも獲得できる普遍的な人間性を有しています。すでに国境も越えています。今年、星野さんを取り戻せないわけがありません。必ず奪い返し、獄外の現場で星野同志とじかに腕を組む、その喜びを爆発させましょう!
 2016年は予想を超える激動の年でした。世界中のその激動の根底にあるのは労働者人民の怒りです。はっきりと自覚されていようといまいと、資本によって人間としての現在と未来を奪われ続けていることへの深い憤りです。今年、その憤激は一層鋭く、さらに広範囲に広がります。
 怒りを正しく行動に転化するのが、革命党そして闘う労働組合と学生の組織です。不屈の労働組合の旗が民衆の中心に立ち、並んで闘う学生の旗が鮮やかに翻る時、そこに歴史を変える本当の力が生まれます。少数であれ、情勢の核心をとらえ、闘いの道筋をくっきりと提示する、確固として鮮烈な声ほど人を動かすものはありません。
 今年が革命の年であるとすれば、それはとりわけ青年の年だということです。労働現場と学園で一気に共感を集める明るさと確信をもって、若々しい新たな闘いを切り開いていきましょう。
 「迎賓館・横田」の再審闘争では、デッチあげを打ち砕く決定的な環をつかみとるために、しっかりと時間をかけ、獄壁の内と外で全力で奮闘します。卑劣きわまる弾圧をけっして許しません。完全黙秘・非転向の闘いに勝利の決着をつけます。
 すべての闘いがつながっています。集大成はゼネストです。その実現を目指し、大きく、躍動的に前進しましょう!
(迎賓館・横田爆取弾圧裁判で懲役8年が確定し、16年6月16日下獄、残刑4年7カ月。72歳)

このエントリーをはてなブックマークに追加