焦点 天皇退位へ安倍政権が特別立法 革命情勢恐れるアキヒト

週刊『前進』02頁(2816号02面05)(2017/02/02)


焦点
 天皇退位へ安倍政権が特別立法
 革命情勢恐れるアキヒト


 昨年8月8日に出された天皇アキヒトのビデオメッセージを受け、安倍政権は天皇の「生前退位」を可能とする関連法案の今国会での成立へ動き出した。現天皇アキヒトが2018年(=「平成30年」)をもって退位し、19年1月1日に新天皇の即位と新元号の制定を実現するという想定で、安倍政権は一代限りの「生前退位」を可能とする特別立法を春の大型連休前後に提出する方針だという。
 これを受けて16日、衆参両院の正副議長が会談し、天皇退位に関する法整備を両院合同で検討すると決めた。「両院の正副議長が主導して特定の法整備について検討の場を設けるのは異例」(1月17日付朝日新聞)とされる。これは、天皇をめぐる問題を「政争の具にすることなく」「静かな環境で議論を」と繰り返す安倍の意向を受けたものだ。安倍は一方では、改憲のスケジュールに影響を及ぼすことが必至となる「皇室典範改定」や天皇制の根幹を揺るがしかねない恒久法(アキヒトに限らず退位を可能とするもの)といった方向を回避しつつ、他方では、今国会を「天皇国会」とすることで、野党のみならず全人民を天皇制国家のもとに平伏させることを狙っているのだ。
●人民の時間軸支配する元号
 とりわけ19年から新たな元号を制定する動きが早々と出てきたことは重大である。元号こそ、荒唐無稽(こうとうむけい)で非科学的・非合理的な天皇制イデオロギーの反動性・反人民性を示すものだ。
 それは日本に住むすべての人民の生活と人生の時間軸を、天皇の「在位」「治世」の何年目かという概念に結びつけようとするイデオロギー攻撃である。もともとは古代中国の専制皇帝が用いたもので、皇帝は領土(空間)だけでなく時間をも支配するという思想に基づき、元号を使用する地域は皇帝に服属する版図を意味した。これが日本には7世紀頃に移入された。特に明治維新以降、天皇一人につき一元号とされ、人民の生活のすみずみまで強制された。
 今日もなお学校や官公庁などの公文書で元号が用いられるのは、戦後日本があくまで天皇制国家であることを示すものであり、そこで暮らす人民の生活や歴史を「天皇の臣下」として記録させようとするものだ。
 今や世界にも例を見ないこのような不条理を、天皇・皇室の存続と一体で「途切れることなく」継続しろというのが、天皇アキヒトの要求なのである。
●共産党は「陛下を評価」
 こうした中、一応は安倍政権に「反対」のはずの野党や自称「リベラル」派の知識人・言論人などが、一斉にアキヒトを「護憲天皇」などと持ちあげる事態が生じている。決定的なのは日本共産党の動きだ。
 「共産、陛下を評価」「天皇制の見解 次第に転換」----これは1月3日付毎日新聞朝刊の連載記事の見出しだ。昨年1月に天皇臨席の国会開会式に共産党議員らが初めて出席したことを始め、共産党が天皇制容認へ転換してきたことが書かれている。商業新聞にここまで書かれても平然としていられるほど、共産党は今や完全に天皇制の軍門に下っているのである。
 共産党やその影響下にある労組・大衆団体の中には、「あの戦争をもたらした天皇制だけは許せない」との思いで闘ってきた人も多いだろう。ところが、今や共産党は野党共闘路線のもとで自らの「党是」すら平然と投げ捨て、国家・資本に進んで恭順を示すことに必死なのだ。
 だが、天皇をめぐる問題が政治の最前面に押し出されてきたことは、それ自体、日本帝国主義の歴史的危機の現れであり、天皇制もまた文字通り存亡の危機にあることを示している。
 アメリカにおけるトランプ政権の登場は、全世界をいや応なしに巨大な革命情勢へ突き動かしている。韓国で始まった革命に続き、アメリカでも闘う労働運動を先頭とした巨大な反トランプ闘争が爆発している。
 日本もまた、新自由主義のもとで社会が崩壊し、貧困や生活苦がまん延し、戦争が切迫する中で、「日本死ね!」の怒りが巨大な規模で爆発するゼネスト情勢を迎えている。これが今日の天皇問題の背景にある。
 「資本家的政治支配、階級支配が解体的動揺に陥る中で、天皇制は帝国主義ブルジョアジーの反革命的結集のシンボルとなる」(革共同綱領草案)ということだ。だからこそ「労働者階級はプロレタリア革命の一環として、天皇制の一切の形態を粉砕し、根こそぎに一掃する」。
 そもそも天皇制は、第2次大戦終結後に爆発した戦後革命の嵐の中で打倒寸前まで追い込まれた。「象徴天皇制」とは、その危機を米帝の占領政策に助けられて辛くも乗り切った延命形態にほかならない。今こそ国鉄闘争を先頭に日本革命を切り開き、天皇制もろとも日本帝国主義を打倒し一掃しよう。

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