反原発3・11郡山集会へ 福島からの訴え②

週刊『前進』02頁(2820号02面01)(2017/02/16)


反原発3・11郡山集会へ
 福島からの訴え②

(写真 昨年の3・11反原発福島行動。「原発いらない」のプラカードを会場全体で掲げた【福島県郡山市】)


 2011年の3・11福島第一原発事故からもうすぐ6年がたつ。政府と福島県は、帰還の強制と甲状腺検査の打ち切りを強行しようとしている。労働組合として被曝労働拒否を掲げ、乗務員も乗客、住民も被曝させてはならないとJRの職場で闘う動労水戸の組合員、小野裕通さんに3・11反原発福島行動17に向けてお話をうかがった。(編集局)

常磐線の全線開通を阻む
 動労水戸/いわき市 小野裕通さん

 ----2011年3・11から今年で6年です。
 あの当時はとにかく若い人から避難しないといけないと、いわき(福島県)からもみんなあらゆる手段で避難したよね。少し離れた玉川村にある福島空港から避難した人もたくさんいた。ガソリンが手に入らない中でなんとかそこまで車で行って、空港も満杯だったからずっとキャンセル待ち状態だったそうです。
 停電だけじゃなくて非常用電源も使えなくなり、県内の市町村同士の緊急連絡網も機能しなかった。そのせいで連携が取れず、避難者の受け入れ先が決まるのにものすごい時間がかかったよね。避難所を何カ所も転々とする中で、老人ホームに入っていた高齢者は何人も命を落としている。「原発事故で亡くなった人はいない」と言った政治家がいるけど、とんでもないうそっぱちだ。避難先での自殺や孤独死も含めて、原発事故がなければ死なずに済んだ命がたくさんある。
 原発の再稼働と一体で避難区域を解除して帰還を強制しようとしている国や県には本当に強い怒りを覚えます。「原発事故からいったい何を学んだのか」と。
 福島では第一原発の隣の福島第二原発の廃炉すら決まっていない。政府は「廃炉の判断は最終的には国ではなく電力会社が決めること」と言って無責任を決め込んでいるけど、そもそも金もうけ企業が自分から原発を手放すなんてあり得ない。
 そのくせ、いかに被害を軽く見せるか、不安を抑え込むかについては、徹底的にチェルノブイリ事故や水俣病などの公害事件を踏まえている。連中が過去から学んだのはそういうことなんだ。金による分断、医療を使った「安全キャンペーン」、「復興」と言えば何でも良いことのように思わされる攻撃。こういう攻撃に負けずに闘いぬけてきたかなと思います。
 国鉄分割・民営化の時もそうだったけど、現場労働者にも、民衆にも、デマとキャンペーンを張ることで反対の声を黙らせて政策を進めようとする。それに対して、動労水戸は一つひとつ反撃してきた。そういう経験が今生きていると思う。
 ----福島第一原発2号機で溶け落ちた核燃料の一部が1月30日に発見されたと報道されました。
 これまで原発労働者の方の話を聞く中で、原発事故の収束作業もまだスタートラインに立っているとすら言えない状況だということはよくわかっていたけど、2号機がこういう状況で、3号機はもっとひどい状態じゃないかとも言われている。
 動労水戸は「収束なんかしていない。いつ重大事故が再び起こってもおかしくない」と訴えて常磐線運行再開に反対してきたけど、これからどんどん事故の深刻さが明らかになっていく。政府や東電が今までいかに事故を過小評価していたかが明らかになっていくと思う。だからこそ、今行われている避難指示解除がとことんデタラメなんだということをもっと訴えていく必要がある。
 悪いことがどんどん明らかになっていくのに、その場所に帰れ、電車も通すというわけだ。こんなおかしな話はないじゃないか。避難指示を解除して、常磐線の駅と役場など町の中心部だけ「コンパクトタウン」と称して復興したように見せかけようとしているけど、こんなもの復興とは呼べないよね。
 ----2020年に向かっての常磐線全線開通との闘いが続きます。
 金をばらまくことで避難者と地元住民、あるいは避難者同士を分断する攻撃を政府はやっている。そういう中で福島から声を上げることは本当に困難が伴うけれど、自分たちが闘う中で、労働組合が原発と被曝労働に反対する声を上げることの持つ迫力や説得力を実感してきた6年間だった。原発事故は終わってないからこそ、闘いを継続することで3・11の記憶と経験が何度でもよみがえる。そうやって怒りの結集軸にもっとなっていければと思います。
 3月31日にはJRと政府は常磐線の小高―浪江間の運行再開を強行しようとしている。この2〜3月は決戦です。避難者への切り捨て攻撃への怒りと一体で、動労水戸もストライキで闘っていく決意です。3・11反原発福島行動17へ、初めての人もぜひとも参加してほしいと訴えたいですね。
 ----ありがとうございました。

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奪われてたまるか! 避難 いのち 子どもの未来
3・11反原発福島行動17
 3月11日(土)
  正午開場
  午後1時開会
  午後3時デモ出発
  開成山公園・野外音楽堂

 主催 3・11反原発福島行動実行委員会

 JR郡山駅9番乗り場から福島交通バス約10分、郡山市役所前下車、徒歩2分

第2回被曝・医療 福島シンポジウム
 3月12日(日)午後1時30分
 福島グリーンパレス(福島市太田町13―53 福島駅西口徒歩3分)
 主催 被曝・医療 福島シンポジウム実行委員会

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