韓国 政府・資本家と全面激突 〝政経癒着の歴史終わらせる〟

週刊『前進』02頁(2822号01面03)(2017/02/23)


韓国 政府・資本家と全面激突
 〝政経癒着の歴史終わらせる〟

(写真 サード配備予定地で闘いを続ける住民たちがキャンドル集会にあわせて上京し、デモと集会を行った【2月18日 ソウル・光化門広場】)

 韓国・労働者民衆の闘いは完全に新たな段階に入った。
 パククネの弾劾をかちとって完全に打倒するのか、それともパククネが卑劣にも延命・復活することを許すのか----起こっているのは労働者階級と政府・資本家との全面的な激突であり、始まった革命を最後までやりとげる闘いだ。主導権を握っているのは、民主労総を中心とした労働者民衆の側だ。

サムスントップの拘束かちとる

 17日、ついにサムスングループの事実上のトップであるサムスン電子の副社長・イジェヨンが贈賄容疑などで逮捕された。先月19日に1回目の逮捕令状請求が却下されたことを受け、労働者民衆の怒りが爆発したことが生み出した情勢だ。これにより、主犯であるパククネは崖っぷちに追いつめられている。
 民主労総は声明を出し「(創業以来)79年間治外法権が与えられていたサムスンは、政経癒着と有銭無罪(「無銭有罪」とともに、資金力に応じて罪の有無が決まる現実を皮肉って言う語)、汚辱の歴史を恥じるべきだ」とした上で、「イジェヨンの拘束は、財閥と権力の癒着の歴史を清算する信号弾にならなければならない」と、この闘いをさらに前に進めていくことを訴えた。
 18日にはソウルに80万人が結集し、「弾劾引き延ばしなんてとんでもない!」を掲げた第16回汎国民行動が開催された。
 この集会は前日のイジェヨン拘束を受けて勝利感にあふれつつも、パククネの弾劾と財閥の解体、労働改悪の阻止に向かって闘おうという新たな決意がみなぎるものとなった。サムスンの悪名高い「無労組経営」を突き破って4年前に結成された金属労組サムスン電子サービス支会の副支会長も発言に立った。
 またこの日には、米軍が高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD=サード)配備を狙う慶尚北道ソンジュとキムチョンから住民たちがソウルへ駆けつけた。サード配備反対の決意大会を開催した後、デモを行って光化門での集会に合流した。全国100カ所でもキャンドル集会が行われた。

極右勢力動員しあがくパククネ

 追いつめられたパククネはこの間、労働者の闘いに敵意をむき出しにし、延命のために徹底的に居直ってきた。特別検事の対面聴取から逃げ続け、憲法裁判所の審判を引き延ばしたあげく、大統領府の家宅捜査も拒否。ネット上で公開されたインタビューではなんと、チェスンシルゲートはデッチあげであり、自らは陰謀の被害者だと主張した。そればかりか、弾劾が棄却されたら検察やメディアを粛清するとまで言い出したのだ。労働者の怒りは限界を超えて爆発している。
 大統領府はこの間、政府に批判的な文化人ら1千人あまりのブラックリストを作成する一方で、サムスンや現代自動車などの財閥から極右団体に巨額の資金を出させて官製デモを組織してきた。
 これらを指示したのは、拘束中の前大統領秘書室長・キムギチュン(金淇春)だ。キムギチュンは70年代に軍事独裁政権の治安弾圧機関の中心にいて労働者や学生を弾圧し、残虐な拷問を行ってきたことが暴露されている。こうした人物が今に至るまで居座り、労働者を抑圧・支配してきたことに、根底的な怒りが爆発している。
 毎週のキャンドル集会に対抗し、極右勢力が星条旗を振って弾劾棄却や戒厳令の宣布を求める集会を行っているが、これは労働者の怒りの火に油を注ぐものでしかない。
 さらに、戦争絶対反対の怒りは全土でますます激しく燃え広がっている。米海軍が済州基地への最新鋭ミサイル駆逐艦の配備を提案したことに対しても、地元の住民が直ちに「東北アジアの軍事的緊張を一層高める」と抗議に立ち上がった。「少女像を守れ」「日韓合意を破棄しろ」の声も全土にこだましている。
 2月25日にはソウルにすべての怒りを結集し、200万人規模の民衆総決起集会が開催される。

核戦争宣言した安倍政権倒そう

 米日帝国主義、とりわけ日帝・安倍政権は、この決起を圧殺するために東アジアを戦争へとたたき込もうとしている。韓国の支配階級は今や、これと一体となって戦争に突き進む中に唯一の延命の道を見いだしているのだ。
 安倍打倒はまさに、韓国の地で立ち上がる労働者民衆の勝利をかけたテーマそのものだ。韓国の闘いに応え、核戦争を宣言した安倍を倒そう。

このエントリーをはてなブックマークに追加