東北大3243人解雇阻止へ 18年3月末雇い止め通告の撤回へ団結を固めて闘おう

週刊『前進』04頁(2823号02面01)(2017/02/27)


東北大3243人解雇阻止へ
 18年3月末雇い止め通告の撤回へ団結を固めて闘おう

(写真 東北大学で行った集会で、3243人解雇通告撤回と青野君奪還を訴えた【2月3日 仙台市】)

 東北大学における非正規職労働者3243人雇い止めをめぐる攻防が、安倍政権の「働き方改革」、そして戦争・改憲攻撃との激突点になっています。大学当局によって一方的に就業規則を「雇用期限は5年」と変更され、2018年3月31日雇い止めの通告をされた非正規職労働者3243人の怒りが大学当局を追いつめています。労働者、学生が一体となって反撃し解雇通告を撤回させよう。

選別再雇用をあくまで狙う「新方針」を許すな

 改悪労働契約法によって、2013年4月からカウントして雇用契約が5年以上継続した場合、すべての有期雇用労働者に無期契約への転換権が生まれることになりました。しかし、東北大学当局は労働者に無期雇用の転換権が生じないように就業規則を一方的に変更し、「通算契約期間の上限は5年以内」として、18年3月31日で非正規職労働者3243人を解雇すると通告してきました。
 当局の説明会会場につめかけた当該の労働者は次々に「おかしい! 許せない!」と声を上げました。雇い止めに反対する署名には1200人が自らの名前を記して当局に対する反撃を開始しました。
 非正規職労働者3243人の怒りと東北大学学生自治会、みやぎ連帯ユニオンの雇い止め絶対反対の闘いを前にして、大学当局は昨年10月に「雇い止め方針の見直し・再検討」を表明せざるをえませんでした。マスコミは「東北大、『雇い止め』回避検討」と報じました。しかし今年の1月19日に打ち出された東北大学当局の新方針は次のとおりです。
 ①非正規職労働者3243人は無期雇用への転換はしない。5年で雇い止めとする。
 ②「業務限定正職員」制度を設け、雇用3年目をむかえた非正規職労働者が申請し、試験の上、業務経験のある准職員・時間雇用職員の中から優れた人材を登用する。ただし、採用枠をあらかじめ示すことはできない。
 大学当局はあたかも「3年目で限定正職員に自己申請できる」優れた制度であるかのように打ち出しています。しかし、あくまで試験選考でごく一部の非正規職労働者を「業務限定正職員」として登用すると幻想をあおりながら、分断をもちこみ、圧倒的多数を5年で雇い止めにするものです。
 この回答は、3243人の非正規職労働者の怒りの火に油を注いでいます。「なにが雇い止め回避検討だ!? わたしたちは、あきらめない!」という声が次々と上がっています。

安倍の「働き方改革」を先頭で担う東北大当局

 新方針に対する労働者の怒りと追及に対して、大学当局は「新方針は、あくまで安倍政権の『働き方改革実現会議』の方針にのっとったものだ」と宣言しました。
 「働き方改革実現会議」とは、一方で非正規職労働者の無期転換をとおして生涯非正規職の労働条件で働く労働者を生み出すとともに、他方で「雇用期間の上限を5年」とする就業規則の一方的変更をとおして、有期雇用労働者1500万人を雇い止めに追い込むことを指示している安倍政権の司令塔です。
 東北大学は「働き方改革実現会議」の先陣を切り、3243人の雇い止めを強行することをとおして、全国の有期雇用労働者1500万人雇い止めへ道を開こうとしているのです。そのために、東北大学は経営協議会にJR東日本会長・清野智を着任させました。
 JR東日本こそは、JRグループ会社の就業規則を「雇用期限の上限は5年」と一方的に変更すると同時に、試験で選別した非正規職労働者を時給820円〜920円の無期雇用の「限定社員」とする制度を導入した張本人です。
 また、安倍政権は大学の運営費交付金を大幅に削減することをとおして、多くの大学職員を非正規職に追いやると同時に、大学の研究費を大企業や防衛省、米軍から調達する以外にないように追い込んできました。

軍事研究阻止の闘いと一体

 大学の運営費交付金はこの10年間で1500億円も削減され、その額は京都大・大阪大・東北大の3校分が消えた計算になります。その中で、京都大、大阪大をはじめ128人の大学研究者が、米軍から6年間で総額8億円超の資金提供を受けていたことが明らかになりました。防衛省は15年に「安全保障技術研究推進制度」を創設し、17年度には110億円もの軍事研究予算を計上し、大学・研究機関を軍事研究に組み込むことに全力を挙げています。
 東北大学当局も、今や職員の半数以上を非正規職化するだけにとどまらず、「5年で解雇」の就業規則をもって大量解雇の先兵となると同時に、大企業や軍事研究への加担で資金調達に舵(かじ)を切り、延命しようとしています。
 だから、東北大学当局は非正規3243人に対する解雇を通告すると同時に、京大反戦ストライキを支援した東北大学・青野弘明君(医学部5年・元学生自治会委員長)に対する不当逮捕に加担したのです。
 非正規職3243人解雇に反対する闘いと、軍事研究・戦争・改憲に反対する闘いは一体です。不当逮捕された青野君は京大生と全学連による京都市内を席巻する連日の街頭宣伝と、本人の完黙・非転向の闘いで2月17日に不起訴・釈放をかちとり奪還されました。

みやぎ連帯ユニオンに加入し絶対反対貫こう

 東北大学で働くすべての労働者のみなさん! とりわけ、非正規職労働者のみなさん! みやぎ連帯ユニオンに加入し、3243人解雇通告の撤回をかちとろう! 求められているのは、東北大学当局と真っ向から対決する労働組合です。
 大学当局に対する共産党・県労連、東北大学職員組合の対応は、第一に、安倍政権の大学運営費交付金の削減に対して闘うのではなく、逆に、大学当局と一体となって、運営資金を「外部」から調達しようというものです。しかし、それは大学が大企業の軍門に下り、軍事研究に道を開くものでしかありません。
 第二に、非正規職労働者に対する雇い止めは「生産性の低下」となり、「研究の効率が悪くなる」などと主張します。それは、非正規職労働者の中に「生産性」という競争と分断を持ち込み、団結を解体するものにしかなりません。
 第三に、非正規職労働者の無期転換を要求しつつ、しかし、仕事がなくなったり、財源が切れれば解雇は仕方ないというものです。
 このように、共産党・県労連、東北大学職員組合の方針では、解雇通告撤回をかちとることはできません。東北大学の3243人解雇絶対反対をつらぬき、労働者、学生一体となった団結を打ち固めることが勝利の道です。解雇通告撤回をかちとるまで、ともに闘いましょう。
〔革共同宮城県委員会〕
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