3・1韓国 民主労総はじめ約40団体が声明 米韓演習を中止せよ 核先制攻撃訓練に危機感

週刊『前進』02頁(2826号02面04)(2017/03/09)


3・1韓国
 民主労総はじめ約40団体が声明
 米韓演習を中止せよ 核先制攻撃訓練に危機感

(写真 防塵服を着たサムスン労働者たちを先頭にデモ【3月4日 ソウル】)

(写真 ソウルの日本大使館前で少女像を囲み集会【3月1日】)


 米日帝による朝鮮戦争の危機が急切迫している。今や米帝は北朝鮮・キムジョンウン(金正恩)政権に対する先制的な武力行使や体制転覆に踏み出そうとしている。
 現にそうした戦争行為そのものとして、3月1日から世界最大規模の米韓合同軍事演習が開始されている。許しがたいことに日本の自衛隊も、これと一体で米軍との共同演習を展開している。
 この米韓合同軍事演習に対し、民主労総をはじめ約40団体が弾劾声明を発表した。
 声明は、北朝鮮のミサイル基地を先制攻撃する内容を含むこの演習が「朝鮮半島における核戦争の可能性をいっそう高め、軍事的対決を激化させ、平和と安保を深刻に脅かす」として、直ちに中断するよう韓米当局に要求している。そして、北朝鮮に対しても核開発とミサイル実験の自制を求め、「ぞっとする対決の悪循環に終止符を打たなければならない」と強い危機感をもって訴えている。
 ゼネストで労働者の力を示し、パククネ政権と対決してきた民主労総がこう宣言していることは決定的だ。米日帝と一体となって戦争に突き進むパククネ政権にも、他国の労働者に対して核兵器を用いることも辞さない北朝鮮スターリン主義にも未来はない。戦争を止め、新たな社会をつくり上げる力は労働者の中にこそあるのだ。
 サード(高高度迎撃ミサイルシステム)配備に反対する闘いも拡大している。3月1日、慶尚北道の星州(ソンジュ)では、ロッテグループと韓国国防部によるサード配備のための土地契約締結に対し、住民400人が集会や配備予定地に向けたデモを行った。

元「慰安婦」が合意破棄を訴え

 3月1日は、1919年に日帝の植民地支配に抗して闘われた3・1独立運動の記念日だ。この日、韓国全土で第18回汎国民行動が闘われた。ソウルでは極右勢力の妨害集会や雨にも負けず、光化門広場を30万のキャンドルが埋めつくした。
 集会では、パククネ政権の弾劾・罷免(ひめん)に加え、15年の韓日慰安婦合意と昨年11月に締結された韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を求める怒りが爆発した。戦争に突き進む安倍に立ちはだかる闘いそのものだ。
 主催者であるパククネ政権退陣非常国民行動の代表は基調提起で「弾劾が決まれば緒戦の勝利を祝って次の闘いを決意するが、万が一却下されることがあれば強力な抗議行動に打って出る」とし、民主労総はゼネスト、農民はトラクターデモ、学生は同盟休講に決起しようと訴えた。
 慰安婦被害者のイヨンスさんも発言に立ち、「パククネ政権は(自分たち当該に)一言もなく15年12月28日の韓日合意を強行した。こんなことが許されるだろうか」と、パククネの弾劾・拘束を訴えた。

少女像を囲んで全国各地で集会

 この日の昼間にはソウルの日本大使館前でも集会が行われ、慰安婦被害者や青年・学生たち1千人が少女像を取り囲んだ。被害者のキルウォノクさんは「この国の大統領だという人が歴史を売り渡した。慰労金を受け取るために今まで待ってきたのではない」と、謝罪と名誉回復を求めた。
 釜山や光州でも集会が開催され、全国3カ所で新たな少女像の除幕式が行われた。韓国外交部と日本政府による少女像移転要求をはね返して闘いが続く釜山では、1千人の集会と日本総領事館包囲デモが行われた。
 また、3月4日に行われた第19回汎国民行動も、ソウル95万人、全国あわせて105万人の大結集で闘いとられた。
 今こそ労働者の国際連帯が力を発揮するときだ。韓国の労働者と心をひとつに、朝鮮戦争絶対阻止の闘いに立とう!

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