常磐線浪江延伸阻止しよう 動労水戸支援共闘集会に結集を

週刊『前進』04頁(2827号02面01)(2017/03/13)


常磐線浪江延伸阻止しよう
 動労水戸支援共闘集会に結集を

今回の避難指示解除の対象
     居住制限区域 避難指示解除準備区域
浪江町 7858人 7469人 (17年1月31日時点)
飯舘村 5142人 775人 (16年7月12日時点)
川俣町 1021人 112人 (16年7月12日時点)
富岡町 8261人 1317人 (17年2月1日時点)
約22300人 約9700人 合計 約32000人



 東日本大震災と原発事故から6年。3・11反原発福島行動は動労福島、動労水戸を先頭とする動労総連合を軸に福島の怒りを解き放った。安倍政権とJR東日本は3月31日、常磐線の小高―浪江間の運転を再開しようとしている。3月25日、東京・すみだリバーサイドホールで開かれる動労水戸支援共闘2周年集会に結集し、常磐線延伸阻止・帰還強制阻止の決戦に立とう。

3万2千人に帰還と被曝強いる攻撃

 安倍政権は3月末、帰還困難区域を除く避難地域の避難指示の解除を強行しようとしている。今回の避難指示解除は飯舘村、川俣町山木屋地区、浪江町と富岡町で、対象は3万2千人に上る。また、今年秋には原発立地である大熊町の居住制限区域の一部解除も強行しようとしている。
 安倍政権が避難指示解除=帰還強制にかける狙いは、避難者という存在そのものを抹殺することにある。「自主避難者」も含めてすべての原発避難者は、福島第一原発事故という人類史上最悪とも言える大惨事を告発し続ける存在だ。原発事故は「命よりカネもうけ」という新自由主義の腐敗の極致であるとともに、新自由主義の破産の結果でもある。避難者という存在そのものが、新自由主義と絶対非和解であり、革命の主体なのだ。
 世界大恐慌が深化する中で、帝国主義各国は保護主義・排外主義を激化させ、戦争に向かっている。日帝・安倍政権は腐敗と危機を深めつつ、米帝トランプと「核兵器の使用」を宣言し、戦争・核戦争の放火者として登場した。まさに革命が問題になっている。韓国で、全世界で始まったゼネストの火花が、プロレタリア世界革命の炎となって燃え上がろうとしているからこそ、革命の主体である避難者という存在を抹殺するために、安倍政権は国家暴力で襲いかかってきているのだ。
 最大の焦点となっているのは浪江町だ。避難指示解除によって帰還の対象となる浪江町住民は約1万5千人。昨年7月に避難指示解除が強行された南相馬市小高区の約1万2千人を上回る規模だ。しかし浪江町は、依然として町の面積の8割が帰還困難区域となっている。帰還に向けて準備宿泊した人も住民の1割にすぎない。

住宅補助打ち切りを絶対に許すな!

 何よりも原発事故は収束などしていない。2月、東京電力は福島第一原発2号機の格納容器の内部調査を行ったが、毎時650シーベルト(推計値)もの超高線量が測定された。数十秒でも被曝したら死に至るレベルだ。そうした危険な原発があるところに、どうして帰還などできるのか!
 浪江町が開催した住民懇談会では、「自宅の2階の屋根は毎時2㍃シーベルト。こんなところに住めっかい!」と住民が壇上に詰め寄った。「ふるさとに戻りたいか、戻りたくないか」と言えば、みんな「戻りたい」と思うのは当然だ。しかし、「戻れない」というのが現実ではないか!
 福島県は、3月末をもって「自主避難者」への住宅補助を打ち切ろうとしている。福島第一原発事故によって飛散した放射性物質は、東日本全体を覆い尽くした。被曝と関係のない人はいない。福島県民だけでなく、すべての人びとに避難する権利がある。一切の責任を、政府と東電に取らせなければならない。
 JR東日本は3月7日から小高―浪江間の試運転を開始し、3月31日に営業運転の再開を強行しようとしている。政府やJR東日本は「除染したから安全だ」と言うが、浪江駅は福島第一原発から9㌔しか離れていないのだ。

被曝労働拒否ストが怒りの結集軸に

(写真 動労水戸の青年組合員を先頭に動労総連合がJR東本社弾劾のデモ【3月5日】)

 浪江駅前の駐輪場の放射線量は毎時1・3㍃シーベルト(年間7㍉シーベルトに相当)もある。
 動労水戸は常磐線浪江延伸阻止のストライキに決起する。動労水戸とともに、全国で常磐線開通阻止の大闘争に立とう。
 常磐線開通阻止闘争は第一に、3万2千人の住民への帰還強制と「自主避難者」への住宅補助打ち切りを許さない闘いだ。動労水戸はいわき市内にある仮設住宅を訪問し、「被曝と帰還の強制反対署名」を訴えた。「常磐線延伸に反対する動労水戸」だと分かると、帰還強制に対する怒りが一斉に噴き出した。口先だけでなく体を張ってストライキを闘う労働組合の存在が、あらゆる怒りをひとつにし、力にすることができるのだ。
 第二に、JR東労組を牛耳るカクマルを打倒し、動労総連合建設の突破口を切り開く闘いだ。JR東労組は組織的崩壊を開始した。6人が脱退した東労組水戸地本は、「組織破壊を許さない」と声高に叫んでいる。しかし、そもそも東労組カクマルは、運転士を駅にたらい回しにする「ライフサイクルの深度化」を進め、検修業務の外注化を容認し、青年の未来を食い物にして組織的延命を図ってきた。青年たちは、こうしたインチキなあり方に根底から反旗を翻そうとしている。国鉄分割・民営化から30年、民営化に歴史的決着をつける時が来た。動労総連合の青年がその先頭に立っている。
 第三に、「労働組合破壊を通した人間的共同性の破壊」を核心とする新自由主義の攻撃に対し、動労総連合を軸とした階級的労働組合拠点を打ち立てるとともに、人間的共同性を全面的に奪い返す闘いだ。1986年11月、国鉄分割・民営化絶対反対を掲げて20代の青年たちが動労水戸を結成した。その原点は「仲間を守る」「仲間と団結して闘う」という一点だった。「すべてを奪われたからこそ、仲間の大切さが見えてきた」という動労水戸の闘いが、避難者、非正規職労働者、青年労働者の心をとらえている。自分の職場の問題だけでなく、資本主義が生み出すあらゆる矛盾を労働組合の課題とし、自ら闘うことを通して、プロレタリア革命をたぐりよせるのだ。
 3・25動労水戸支援共闘2周年集会を突破口に被曝労働拒否を闘う労働組合拠点をつくり出し、支援共闘1千人会員の組織化を実現しよう。
(被曝労働拒否をたたかう動労水戸支援共闘事務局長・斎藤貴広)

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常磐線浪江延伸阻止!
被曝労働拒否をたたかう
動労水戸支援共闘2周年集会
 3月25日(土)午後2時
 東京・すみだリバーサイドホール

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