第2の分割・民営化と対決する本格的な決戦の火ぶたを切る ダイ改阻止動労総連合ストの意義

週刊『前進』04頁(2829号02面01)(2017/03/20)


第2の分割・民営化と対決する本格的な決戦の火ぶたを切る
 ダイ改阻止動労総連合ストの意義

(写真 動労総連合は3月5日、新宿駅前に集まり外注化と地方切り捨てを強行するJR東本社を弾劾した)

 JRの3・4ダイヤ改定に対して動労千葉・動労水戸のストライキを先頭に闘いぬかれた動労総連合の統一行動は、第2の分割・民営化攻撃と対決し、それを粉砕する歴史的な決戦の始まりだ。国鉄決戦を基軸に安倍を打倒する時が来た。韓国をはじめ全世界で始まったゼネスト―革命を日本の地で実現しよう。動労総連合は今回のストライキで、その突破口をこじ開けた。

朝鮮戦争絶対阻止へ階級の決意示す

 動労千葉は3月4日、全本線運転士70人がストライキに突入した。これは、国鉄分割・民営化に反対した1985~86年の2波のストに匹敵する決意と質をもって闘いとられた。
 歴史はまさに分岐点に差し掛かっている。2月10日、安倍はトランプと会談し、核先制使用を公然と唱える日米共同宣言を発出した。3月1日からは、米韓合同軍事演習「フォール・イーグル」が開始された。まさにこれは、演習にとどまらず、北朝鮮の核・ミサイル基地への先制攻撃とキムジョンウン(金正恩)政権の転覆=「斬首作戦」をも狙った「作戦計画5015」の全面的な発動だ。
 3月15日には米国務長官ティラーソンが「北朝鮮情勢を緊急に協議するため」に来日した。日米帝国主義による朝鮮侵略戦争への突入に向けた協議が、その目的だ。安倍政権も、自衛隊の朝鮮出兵と日帝自身の核武装の道をこじ開けようと必死になっている。
 日米帝の朝鮮侵略戦争は、北朝鮮スターリン主義政権の転覆だけでなく、何よりもパククネの罷免(ひめん)を実力でもぎりとり、労働者革命へと向かう民主労総を先頭とした韓国の労働者階級人民の闘いを圧殺するために仕掛けられようとしている。
 世界戦争の切迫という歴史の転換情勢の中で、動労総連合は動労千葉・動労水戸を先頭にストライキに立ち上がったのだ。それは、戦争は絶対に許さないという労働者階級の固い決意を安倍政権にたたきつけ、民主労総との連帯を貫き通す闘いだった。

地域の怒りを束ね総反乱の突破口に

 国鉄分割・民営化は完全に破綻している。その象徴がJR北海道だ。JR北海道は昨年11月、半数以上の線区を「維持困難」とし、やがては廃線にする計画を発表した。北海道新聞の全道世論調査では8割以上が「分割・民営化は間違っていた」と回答し、怒りを爆発させている。
 これは北海道だけの問題ではない。JR北海道が廃線の基準としている「鉄道営業距離1㌔あたりの1日の乗客2千人未満」を当てはめれば、本州でも大都市とその近郊しか線路は残らない。今回のダイヤ改定で、JRは本州でもそこに踏み込んできた。
 動労千葉は地域住民と結び、内房線切り捨て反対の館山集会を成功させた。07年の館山運転区廃止反対闘争以来の10年間の蓄積は、動労千葉に対する地域住民の厚い信頼をつくり出していた。その地平の上に、ダイヤ改定阻止のストライキと、3月4日の館山での内房線切り捨て反対の街頭宣伝行動が闘いとられた。
 労働組合が地域全体の利益のために立ち上がれば、それは住民の結集軸となることができる。「選択と集中」の名で安倍政権が強行する地域破壊に対し、労働組合を軸に地域の反乱を組織する典型的な闘いが、館山で生み出されたのだ。
 動労水戸も、常磐線全線開通阻止を掲げてストに立った。JRは、ローカル線を容赦なく切り捨てる一方、福島原発事故をなかったことにし、避難者に帰還と被曝を強制するために常磐線だけは膨大な金をかけて再開しようとしている。これに対する動労水戸の闘いは、福島の怒りを体現して貫かれた。
 労働組合は全人民の利益をかけて闘うことができる存在であり、そのように闘ってこそ団結は強まり、資本や国家権力に力を示せる。今回の動労総連合のストライキは、それを実証したのだ。
 国鉄分割・民営化が大破産しているからこそ、JR資本は第2の分割・民営化攻撃にのめりこんできた。その柱は、業務の全面的な分社化と労働者への転籍強要、そしてローカル線の切り捨てによる地方破壊=国家的大リストラだ。
 JRは2000年以降、業務の外注化に踏み込んだ。動労千葉はこれを第2の分割・民営化ととらえて反撃し、以降、17年にわたる外注化阻止闘争を展開してきた。12年10月に検修--構内業務の外注化は強行されたが、JRの攻撃は資本の思惑通りには進んでいない。だが、JRはついに本格的な業務の分社化に着手しようとしている。今回のストライキは、この攻撃との全面激突の始まりとして闘われた。

分社化・転籍に団結固めて立ち向かう

 JRの狙う全面分社化は、安倍政権が進める「働き方改革」の最先端に位置するものだ。雇用破壊、総非正規職化、解雇自由化、労働組合絶滅の攻撃を、JRは先頭で実行しつつある。大阪市は地下鉄・バスの民営化を強行し、小池都政はこれに続いて都の業務の丸ごと民営化に突き進もうとしている。JRと大阪市、東京都が、民営化、外注化、総非正規職化の攻撃を先導し、それを社会全体に押し広げようとしているのだ。
 JRの分社化攻撃は、国鉄採用の労働者が大量に退職するこの時期を利用して仕掛けられている。JR東日本は動労千葉の拠点である幕張車両センターに札付きのカクマル分子を送り込み、またエルダー再雇用を組織破壊の道具に使おうとした。動労千葉はこれに対し団結を固め、職場から立ち向かった。
 国鉄分割・民営化の破綻は、JR総連カクマルの危機に直結している。東労組は組織的混乱を深め、カクマルからの離反が始まっている。JR総連を打倒し、動労総連合を拡大することで、国鉄分割・民営化に決着をつける時が来た。
 第2の分割・民営化攻撃との決戦は、今回のストライキで本格的な火ぶたを切った。民営化は森友学園事件に示されるような支配階級の腐敗を噴出させつつ、雇用と社会の総破壊をもたらす。これは、労働者が身にしみて感じていることだ。これへの怒りを徹底的に組織すれば、第2の分割・民営化攻撃を打ち破ることは必ずできる。開始された決戦を貫こう。

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