闘いは進む 青年の職場から 労組の闘いで地域の結集軸になる 自治体 関西 片桐弘毅

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週刊『前進』04頁(2829号02面05)(2017/03/20)


闘いは進む 青年の職場から
 労組の闘いで地域の結集軸になる
 自治体 関西 片桐弘毅


 私は、奈良市従(奈良市従業員労働組合)で下水道の民間委託絶対反対で闘っています。
 この1年間、奈良では「労働組合の絶対反対の旗を立てれば、地域の結集軸になる」ということを実感してきました。
 まず、星野絵画展への挑戦です。昨年12月に奈良で初めて開催したのですが、2日間で約60人が来てくれ、星野さんの絵をとおしてさまざまな出会いがあり大成功しました。
 さらに、奈良NAZEN結成と2・26舞鶴闘争の成功に向けて、今年1月に「A2―B―C」上映会を行いました。日教組奈良市が中心になって企画し約40人が集まりました。印象的だったのが、福島から避難されて来られた方が参加して発言された内容です。「普段は福島を考えないようにしています。年に一度のエコー検査の時だけ福島を思います」という言葉で、故郷を思うことさえ原発事故によって壊されている現実を目の当たりにしました。
 その翌日、関西青年実行委員会と京都府職労舞鶴支部の30人で高浜原発と大飯原発に行きました。舞鶴支部が原発に絶対反対で闘うことで、高浜では今までなかった運転延長反対の看板が、音海地区にたくさん立っていました。40年の運用期間を超えても廃炉にせず、住民の生活を無視した関西電力の姿勢に、あらためて住民の生活の犠牲の上でしか成り立たない原発はいらないと思いました。この日の行動と団結が2・26舞鶴闘争の大勝利の原動力となりました。
 原発反対と民営化反対は、一見、別々のものに見えます。しかし、自治体の労組がそれに賛成するのか反対するのかは、地域全体を左右する位置にあります。住民の避難計画や下水道の民間委託を業務と認めて担うのかは、労働の誇りの問題としてひとつのことだとつかむことができました。
 奈良市従でも下水道民間委託に絶対反対で闘い、4度の委託化を阻止して勝利してきました。そして委託化に伴う3月解雇の通達をはね返すために裁判闘争へ踏み切りました。裁判闘争をするにあたっては、手順などを口実に組合幹部が反対し、激しい攻防となっています。当局は「民間委託は管理運営事項」だと主張し、組合を屈服させようとしてきますが、労働組合がそれを認めず絶対反対の闘いを貫くことが大事だと思います。
 今のJRと奈良市長のやり方は同じです。外注化・分社化と転籍攻撃など、安全破壊と地域切り捨てです。労働組合の闘いをもって、この事実を住民や現場労働者に明らかにし、闘う団結の結集軸になることが求められています。
 先日、2年ぶりの市長団交で清掃全廃とも言えるような民間委託提案、「わたりの廃止」という給料表解体とも言うような提案がされました。いよいよ労働組合そのものがつぶされるか、闘う組合に生まれ変わるかの攻防です。全力で闘っていきたいと思います!

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