西郡住宅闘争国賠控訴審 請求棄却の国家暴力弾劾 「追い出しに合理性」と言明

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週刊『前進』04頁(2831号04面01)(2017/03/27)


西郡住宅闘争国賠控訴審
 請求棄却の国家暴力弾劾
 「追い出しに合理性」と言明

(写真 裁判後、反動判決をはね返す次の闘いに総決起しようと誓った【3月15日 大阪市】)

 大阪・八尾市の西郡住宅に住む8家族が、住宅追い出しの強制執行を弾劾する闘いが国家賠償請求訴訟として闘われてきた。控訴審判決闘争が3月15日、大阪高裁202号大法廷で闘われた。
 法廷に入った大阪高裁第1民事部の佐村浩之裁判長は、5秒で控訴を「棄却する」という判決を読み上げ、あっという間に法廷から逃げて行った。国家権力の権威もかなぐり捨てて、弾劾の嵐から1秒でも早く逃げたいという裁判長の姿に、私たちは勝利を確信した。
 直ちに弁護士会館に移り総括集会をかちとった。

8家族が次々と決意を表明

 最初に弁護団が、「反動判決に負けずに闘い続けよう」と訴え、怒りを込めて判決を弾劾した。「判決は、2000年から闘っていることに対し、裁判のやりすぎだと言い、住宅明け渡しの必要性は八尾市にある、仮執行宣言をつけるのは裁判所の裁量だからごちゃごちゃ言うな、裁判所に権利の濫用(らんよう)はない、というとんでもない判決です。ここまで書くか、という内容です」
 続いて8家族が発言した。島瀬とよ子さんは、「全国水平同盟西郡支部は負けませんよ。支部長の久原正子さんを先頭に闘う」と決意を述べた。佃照夫さんは、「応能応益家賃制度反対で20年間闘ってきた。これからも上告して闘う。生きさせろの闘いを突き返すような判決は許さない」と戦闘宣言を発した。
 八尾北医療センター労組の仲間は、「この間の市営住宅への指定管理者制度導入との闘いで、8家族を先頭に地域の怒りがふつふつとたぎっていることを確信した。JRによる第2の分割・民営化、首切り・転籍攻撃に対してストライキに決起する動労総連合の闘いを軸にして、団結を拡大して闘う」と訴えた。さらに、「八尾北命と健康を守る会」の93歳の仲間は、一緒に闘うと決意を語った。
 全国水平同盟高槻支部・植木団地労働組合の仲間は、「私らもどんな判決が出ようが闘う」と決意を表明した。京都の崇仁・東三条支部の仲間は、「20年間頑張ってこられた気持ちを大事にして、私も頑張ります」と、決意を述べた。
 婦人民主クラブ全国協議会関西ブロックの山本美知子さんは福島の現実を訴え、「住まいを奪い医療を奪い教育を奪う安倍の棄民政策に、みんな怒っている。この1、2年でみんなが決起する情勢がきている」と訴えた。

権力犯罪許さず総決起する

 最後に久原支部長が「裁判所・国家権力にとって、8家族が絶対反対で20年間闘い続けていることが痛いんです。国家権力の敗北宣言です」と核心を明らかにし、判決内容に踏み込んで鋭く批判した。「一審判決は、『(住宅追い出しの強制執行は)合理性がないとは言えない』などという中途半端な内容だった。しかし、今回は国家権力をむき出しにした言葉で、『合理性がある』と言い切った」
 さらに久原支部長は、判決は「追い出し通告の後、家が見つからず島瀬さんたちが死線をさまよったことなど歯牙(しが)にもかけない。死ねと言っている」と断罪した。その上で、「この国家暴力、権力犯罪を許さない。狭山裁判での国家権力犯罪と同じだ。これらを一つの闘いとして闘う」と宣言し、「八尾北労組を軸に8家族の絶対反対の闘いが立っているから指定管理者導入をめぐる八尾市・地区協との闘いに勝利してきた。反動判決をはね返す次の闘いへの総決起の日としたい」という決意で締めくくった。
(全国水平同盟西郡支部・錦織進)
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