韓国労働者の闘いに続こう パククネ打倒し歴史動かす ゼネスト・革命に全人民の未来

週刊『前進』04頁(2835号03面01)(2017/04/10)


韓国労働者の闘いに続こう
 パククネ打倒し歴史動かす
 ゼネスト・革命に全人民の未来

(写真 「パククネを拘束しろ!」----年をまたいで光化門広場での集会は続いた【12月31日 ソウル】)

(写真 鉄道労組先頭に「成果退出制粉砕!労働改悪廃棄!ゼネスト勝利!」を掲げデモ【10月5日 ソウル】)


 民主労総のゼネストを基軸に、パククネを大統領の座からひきずり下ろし監獄にたたき込んだ韓国の闘いは、労働者と労働組合の持つ無限の可能性を全世界に開示した。日本の地でもゼネストで闘う労働運動をつくり上げるために、この闘いが築いた偉大な地平をとらえ返したい。

民主労総が団結の中心に

 「闇は光に勝てない。偽りは真実に勝てない。私たちみなが細々と声に出していたその小さな叫びが、巨大な喚声となり、野火となり、民衆の意思が、主権者の力が、山岳のように隆起するのを私たちは見た。みなさん、私たちが勝った!」(3月10日のキャンドル集会における、パククネ政権退陣非常国民行動代表の発言)
 3月10日、「パククネ退陣」の叫びはついに現実となった。韓国史上初の大統領罷免(ひめん)に至る闘いは、帝国主義による世界支配の一角を打ち砕いた。パククネによる支配の道具であった憲法裁判所が全員一致で弾劾を決定したことは、これまでの支配のあり方の崩壊を示すものだ。
 この闘いはとりわけ、朝鮮半島―東アジアで激化する米日帝国主義の戦争策動に真っ向から立ちはだかり、これを阻止する力を生み出している。
 3月10日までで延べ19回を数えたキャンドル集会に足を運んだ人は、全国で約1700万人に上る。職場や学校は丸ごとストライキに立ち上がり、街頭に飛び出した。
 この数カ月間、韓国全土を覆った「パククネ退陣」のスローガンに込められていたものは何か。それは、労働者、学生、農民をはじめとしたあらゆる人びとの「もうこんな社会では生きていけない!」という積もりに積もった怒りであり、ついに自らの手でこの現実をひっくり返すときがきたという固い決意だ。
 そして今、「弾劾は始まりだ」「積弊(これまでの体制のもとで積み重ねられた弊害)清算」というスローガンのもと、財閥解体・戦争阻止を大きな柱に、社会の根底的な変革に向けた闘いが続けられている。
 こうした全社会的な決起が実現したのは、闘いの先頭に民主労総の旗が立ち、ゼネストで闘う誇り高い労働者の姿があったからだ。社会のすべてを動かす労働者の持つ力と団結の中に、あらゆる人びとが自らの未来を見いだしたのだ。
 決定的な水路となったのは、成果年俸制の導入をはじめとした労働法制改悪との闘いだ。これは何よりも、不動の階級的団結を守り抜く民主労総を解体することを狙った攻撃だった。しかしながら民主労総は、ハンサンギュン委員長をはじめ幾人もの指導部を獄に奪われながらもこれと正面対決する道を選んだ。鉄道労組や公共運輸労組を先頭に、昨年だけで3度もの渾身(こんしん)のゼネストを打ち抜いた。
 「成果主義反対」を掲げてその先頭に立った鉄道労組は、74日間のストライキを通じ、資本があおる競争や成果主義、民営化は労働者を分断して誇りを奪い、社会を破壊するものであることを全社会に訴えた。労働法制改悪との闘いはあらゆる人びとのテーマであることを明らかにしたのだ。
 この訴えはとりわけ、新自由主義のもとですさまじい競争と分断にさらされてきた青年・学生に衝撃を与え、価値観・世界観の劇的な転換を生み出した。「労働組合を守るのが私の生きる社会を守ることだというのは、あまりにも明らか」----日々「ヘル(地獄)朝鮮」「N放世代(住宅や就職、結婚など、あらゆるものをあきらめなければならない若い世代をさす語)」という現実と向き合う青年・学生たちは、労働者の団結の中に自らの未来・新たな社会の萌芽(ほうが)を見いだして闘いに合流してきた。今や、青年は革命を掲げて闘いの先頭に立っている。これが階級的労働運動の持つ力だ。
 また、新自由主義がもたらした国家犯罪というべきセウォル号惨事の遺族の闘いや、新たな戦争のために過去の日帝の戦争犯罪の抹殺を狙った日本軍軍隊慰安婦問題での「日韓合意」に対する闘いとも固く結びついた。
 民主労総を中心としたこの階級的な団結を基盤として、パククネ政権がしかけてきた攻撃一つひとつと全面対決したことが、新自由主義を打ち倒す決起をつくり出した。労働者階級こそ、社会のありとあらゆる課題を引き受け、解決することができる存在だ。

労働者権力打ち立てる時

 民主労総は今回の大統領選に際して「政権交代では何も変わらない」とはっきりさせ、この選挙戦を積弊清算と社会大変革を訴える宣伝・扇動の場として闘うことを明らかにしている。そして、非正規職撤廃―最低賃金1万㌆、財閥体制解体、労働法の全面再改定をスローガンに6・30社会的ゼネストに突き進もうとアピールを発している。
 こうした決定的な情勢だからこそ、大統領選の有力候補とされる「共に民主党」のムンジェイン(文在寅)を筆頭とした保守野党は労働者の怒りを抑え込むために必死になっている。しかし彼らはパククネとともに労働者を攻撃してきた連中であり、労働者民衆の怒りと不信にさらされている。情勢の主導権はあくまで労働者の側が握っている。
 広場を埋めつくすキャンドルの波の中から、労働者を欺くための議会内での政治に代わる「広場の政治」という言葉が生まれた。これには、保守野党も含めたこれまでの政治のあり方に対する全否定、そして自分たちの手に政治を奪い返し、歴史を動かすのだという思いがこめられている。韓国労働者民衆の闘いは、必ずや労働者権力の樹立に向かって進む。

国際連帯で革命の完遂を

 韓国で始まった革命に、だれよりも恐怖しているのが日帝と米帝だ。史上最大規模で行われている米日韓合同軍事演習、米国防長官マティスや国務長官ティラーソンの訪韓・訪日と緊急協議はそのことを如実に示している。とりわけ安倍はパククネとの間で日韓合意や日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結を強行し、革命圧殺に必死になってきた。
 これと対決し、戦争絶対反対の実力闘争として発展しているサード反対の闘いは、南北分断体制のもとでの労働者支配を撃つ闘いとしても決定的な意義を持つものだ。
 動労千葉と韓国・民主労総との10年以上にわたる国際連帯闘争が巨大な力を発揮するときがいよいよ到来した。昨年11月には、朝鮮戦争阻止を最大のテーマとして日韓国際共同行動が闘いとられた。この地平をいっそう発展させ、全世界へと連帯を広げよう。
 民主労総への最大の連帯は、ここ日本の地で国鉄決戦を基軸にゼネストで闘える労働組合・労働運動をつくり上げることだ。国境をこえた労働者の団結で戦争を止め社会を変える、その現実性をわれわれの闘いで全世界に示そう。
 ロシア革命から100年の時をへて、プロレタリア世界革命の時代がたぐり寄せられている。この情勢に胸を躍らせ、世界単一の労働者階級の革命党をつくりあげる闘いを、韓国の労働者とともにやり抜こう。

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