今村復興相暴言許さない 国は原発避難の全責任とれ

週刊『前進』02頁(2836号02面04)(2017/04/13)


今村復興相暴言許さない
 国は原発避難の全責任とれ

(写真 被曝と帰還の強制に反対し、常磐線開通阻止へストに立った動労水戸【4月1日 福島県浪江町】)

 今村雅弘・復興担当大臣は4月4日、福島第一原発事故に伴う「自主避難者」に対し、あまりにも無責任な、信じられないほどの暴言を吐いた。この日に行われた記者会見で、記者から「『自主避難者』に対する国の責任をどう感じているのか」「国が率先して責任をとらなければ、路頭に迷う家族がでてくる。その責任をどうとるのか」と問われた今村は、まるで他人事のように「国がどうだこうだではない」「それは本人の責任」と言い放った。
 今村は3月12日のNHKの番組でも避難者に対し「ふるさとを捨てるというのは簡単。戻って頑張っていくという気持ちを持ってもらいたい」と放言し、避難者の心を泥靴で踏みにじった。
 何が〝本人の責任〟だ! 何が〝ふるさとを捨てるのは簡単〟だ! 避難せざるを得ない原因はすべて、歴代自民党政府と電力会社が「国策」として、無謀にも日本中に原発をつくってきたことにあるのだ。しかも原発推進は核武装を目的としたものだ。その破綻の結果として、史上最悪の福島第一原発事故が起こった。今年3月17日、福島県から群馬県などに避難した人たちが国と東電に損害賠償を求めた訴訟の判決でも、前橋地裁は国と東電の事故責任を明確に認めたのだ。

帰還政策進める小池知事も同罪

 避難者の生活を守る責任を放棄したのは小池百合子・東京都知事も同じだ。3月24日の記者会見で小池は「福島県が帰還を基本にしていることを念頭におかなくてはならない」と述べ、記者からの「避難者への経済的な支援の予定があるか」との質問に対して何も語らなかった。小池も避難者に寄り添うこともなく、見捨てようというのだ。
 今村や小池は、安倍政権の帰還強制・福島圧殺政策を体現している。この連中には、生まれ育った大切なふるさとを後にし、家族がばらばらになり、二重・三重生活で家計に苦しむ避難者の過酷な現実に向き合おうという姿勢などひとかけらもない。3・11当時、5歳の男児と妊娠中のお連れ合いとともに「自主避難」した男性は、これを厳しく断罪している。「なぜ『自主避難』せざるを得ないのか。それは放射能の許容範囲を事故前の20倍に引き上げたせいだ。避難者に寄り添うと言いながら、復興庁は6年間私たちに寄り添ってくれなかった」
 安倍のような〝大金持ちの資本家階級さえ生き残れれば労働者や農民・漁民はどうなってもいい〟という、とことん腐敗しきった姿を許すことはできない。「子どもと家族を守る」と人間として誇りを持って避難を選択している人たち、逆に福島で生活する道を選択せざるを得ない人たち、そして労働者民衆とその家族が生活と健康を守り生きるために、こんな連中を打ち倒し、労働者民衆の団結に基づいた新たな社会をつくろう。
 そのためにも、避難者切り捨てと原発再稼働、朝鮮侵略戦争の切迫と闘う北島邦彦さんを押し立て、東京都・区で働く労働者とともに、7月都議選に必ず勝利しよう。
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