韓国・済州島 〝南北分断の打破へ闘う〟 蜂起の精神継承し労働者大会

週刊『前進』04頁(2837号03面02)(2017/04/17)


韓国・済州島
 〝南北分断の打破へ闘う〟
 蜂起の精神継承し労働者大会

(写真 チェジョンジン民主労総委員長代行を先頭に「4・3精神継承」のプラカードを掲げる集会参加者が道を埋めつくした【4月2日 韓国・済州島】)

(写真 戦争阻止―分断打破へ決意うち固める参加者)

平和と統一求め新社会建設訴え

 4月2日、韓国・済州島(チェジュド)で「親日・分断体制清算!朝鮮半島平和体制実現!サード配置全面廃棄!済州軍事基地化阻止!」を掲げて「4・3抗争69周年精神継承全国労働者大会」が開催され、鉄道労組の青年労働者を先頭に全国から2500人が駆けつけた。
 「4・3抗争」とは、1948年4月3日に済州島の全住民によって闘われた米軍政打倒の武装蜂起のことだ。その「精神継承」を掲げて開かれた集会は、韓国で始まった革命の圧殺をかけて朝鮮半島での戦争発動に突き進んでいる米日帝国主義と真っ向から激突する闘いの宣言にほかならない。
 民主労総のチェジョンジン委員長代行は「労働者、国民の力でパククネが罷免(ひめん)・拘束された。しかし、パククネに至るまで厚く積み重なった弊害の清算が依然として緊急の課題だ」「日帝の植民支配を清算できていない中で親日派が今日まで権力を握り、労働者民衆の上に君臨してきた」と、70年の歳月をへても歴史の清算は未完であることを訴えた。
 さらに「パククネ以後の新たな体制・社会を建設しなければならない。そのことはまさに、分断をのりこえて平和と統一に進むことを意味する」「69年前、平和と統一のために命をかけた闘いが展開された。これらは今でも最重要の闘争課題だ」と強調。最後に、民主労総が違法なサード配備阻止の闘いの先頭に立つと宣言した。

戦後史の革命的決着かけた闘い

 済州島では、韓国海軍基地建設の強行に対し、不屈の闘いが続いている。現地カンジョン村の代表も駆けつけ「キャンドルをとおしてわれわれは勝利を経験したが、まだ解決されていないものも多い」とし、海軍による村落共同体の破壊を許さず、平和の島である済州の軍事基地化を必ず阻止しようと訴えた。
 民主労総済州本部のキムヨングン本部長は「4・3抗争の精神は自主的に統一国家を建設することだったが、その精神は米軍政によって踏みにじられ、むしろ歴史の歪曲と積弊が70年間続いてきた」「連帯して闘い、この積弊を必ず清算しよう」と声を高めた。
 済州4・3犠牲者遺族会の会長は、当時30万の人口のうち3万人が国家暴力の犠牲になったにもかかわらず、国家が今なお責任をとっていないことを弾劾し、70周年となる2018年を前に必ず解決しようと参加者に訴えかけた。
 大会の最後には「親日・分断体制を清算し、朝鮮半島の平和を実現しよう! サード配備を廃棄しろ!」「済州軍事基地化を阻止しよう!」などが盛り込まれた決議文が読み上げられた。大会後にはデモも行われた。
 韓国の闘いはまさに、70年にわたり続けられてきた親日派による権力の独占、そして南北分断支配の歴史に決着をつける情勢を迎えている。この闘いは、朝鮮戦争を阻止する力そのものだ。
 朝鮮戦争が切迫する情勢の中で、日韓米の労働者人民の国際連帯にすべてがかかっている。とりわけ、共謀罪制定攻撃や米帝のシリア爆撃に対し、街頭や職場には怒りが渦巻いている。戦争を止めるために体を張って闘う韓国の労働者と固く団結し、今こそ日本の地で巨大な反戦闘争を巻き起こそう。

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▼済州島4・3抗争
日帝からの解放直後、朝鮮半島は北緯38度線で南北に分断された。南朝鮮を占領した米軍は、日帝の植民地支配に協力した親日派を手先に使い、米軍政からの解放と南北統一政権の樹立を求める労働者や農民の闘いを弾圧した。これに対しゼネストや農民反乱が相次ぐ中、48年5月に南朝鮮の単独選挙を行うと発表。これは南北分断の固定化を意味していた。
 単独選挙に対する怒りを契機に、4月3日、済州島の住民が武装蜂起に立ち上がった。しかし、極右反共主義者のイスンマンと米帝は本土から民間反革命を送り込むなどして鎮圧にあたり、島に住む人びとの少なくとも10分の1が虐殺される大惨事となった。韓国の歴代政権はこの事実を隠蔽(いんぺい)し続け、1987年軍事独裁政権の崩壊後に歴史の見直しと真相究明が始まった。

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