市東さんと共に農地死守 7・9三里塚現地へ 空港機能強化案を粉砕しよう

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週刊『前進』04頁(2853号04面01)(2017/06/19)


市東さんと共に農地死守
 7・9三里塚現地へ
 空港機能強化案を粉砕しよう

(写真 昨年の12・4現地闘争で市東さんの南台の畑に到着した反対同盟と労農学のデモ隊。先頭が市東さん)


 天神峰・市東孝雄さんの農地をめぐる闘いが白熱化している。裁判闘争、署名運動、現地攻防が結びつき一体となって農地取り上げの強制執行を阻んでいる。三里塚芝山連合空港反対同盟は、7・9現地闘争と天神峰樫(かし)の木まつりへの結集を呼びかけている。全国から決戦の三里塚に駆けつけよう。

「軍事空港反対」貫き半世紀闘う

 農地法裁判は昨年10月25日に最高裁が上告を棄却し、市東さんに農地明け渡しを命じる反動判決が確定した。しかし、市東さんと反対同盟顧問弁護団はその判決の執行を阻むため「請求異議の訴え」を起こし、千葉地裁に認めさせ、弁論が本格的に始まった。「農地死守」の闘魂と正義が新たな闘いの扉を押し開いたのだ。
 国家・資本の「法・金・暴力」による圧殺攻撃を打ち破ってきた三里塚闘争は、共謀罪を許さず改憲・戦争を阻止する闘いの最前線だ。現地への結集が敵との力関係を決める。市東さんとともに闘おう。
 成田空港は米軍の朝鮮侵略戦争の兵站(へいたん)拠点として位置づけられている。4千㍍滑走路を持つ巨大空港として大型爆撃機・輸送機などに使われることが想定されている。
 国と成田空港会社(NAA)はありえない右肩上がりの航空需要予測をもとに「空港機能強化」を叫んでいるが、その核心は戦争準備にほかならない。反対同盟は、当初から「軍事空港反対」を掲げて闘ってきた。その正義の闘いを今こそ押し広げ、朝鮮侵略戦争を阻止しよう。

夜間制限緩和で住民生活を破壊

 6月12日、成田の機能強化案をめぐる「4者協議会」で、国とNAAは夜間飛行制限緩和の「見直し」案を発表した。当初案の離着陸しない時間帯は「午前1時〜5時」だった。しかし、住民から「4時間しか眠らせないのか!」と怒りが噴出したことで見直し、「0時〜6時にする。2020年東京五輪までにA滑走路で先行実施する」とし、寝室の内窓設置対象を拡大し、落下物の見舞金制度をつくるという。NAAの夏目誠社長は「生活環境保全を考えて6時間を確保した」とうそぶき、森田千葉県知事、小泉成田市長らはこれを評価し住民への説得にあたるとしている。
 ふざけるな! こんなものは1ミリも認めない! そもそも1978年開港時の午後10時〜午前7時の9時間は飛ばさないとの約束が、80年代に午後11時〜午前6時の7時間に削られ、2013年からは「弾力的運用」で飛行が夜11時台に及んでいる。住民のがまんはすでに限界だ。
 しかも見直し案では、第3滑走路が新設されたら運用時間を二通り設定して使い分け、結局空港全体では飛ばない時間を午前0時30分〜5時のわずか4時間30分にするというのだ!
 「物流は24時間」(日本通運元成田支店長)、「夜間も空港従業員は働いている」(サンエーメンテナンス社長)と、空港推進派は24時間化の意図を隠そうともしていない。
 空港機能強化案(①第3滑走路建設、②B滑走路1千㍍延長、③夜間飛行制限緩和)を周辺住民・空港労働者と連帯し粉砕しよう!
 人間の命と生活を押しつぶしながら拡張を繰り返してきた成田空港は、今や国際競争でも羽田との競合でも敗勢に追い込まれ、存亡の危機にある。まさに命脈尽きた資本主義の象徴だ。

労農連帯の力で強制執行阻止を

 巨大空港建設という「国策」に、三里塚闘争は半世紀を超えて実力で対決し完成を阻止してきた。
 その力の源は、反対同盟が貫く「軍事空港絶対反対、農地死守・実力闘争」の不動の闘争原則であり、動労千葉を先頭とする労働者階級との労農連帯だ。それは命を運ぶ労働者と命を育む農民が結んだ固いきずなである。そこに韓国・民主労総をはじめ世界の人びとが熱い共感を寄せ、国際連帯が発展してきた。
 7・9デモの出発点は誘導路をへの字に曲げている市東さんの南台の畑だ。そこから市東さん宅前の開拓組合道路までデモ行進した後、市東さん宅離れやビニールハウス、作業場、畑のある天神峰で「樫の木まつり」と銘打った交流会を予定している。
 強制執行の対象地である南台と天神峰を訪れ、市東さんの怒りと決意を共有し、農地強奪実力阻止に向けた固い団結を築こう。反対同盟は、市東さんが毎日通う道、触れる土、匂い、光、音を体感してほしいと今回のデモコース、交流会を企画した。一人ひとりが農地死守・実力闘争の主体として決意を固めよう!
 職場・キャンパスで「強制執行反対」署名を集めよう。都議選決戦に勝利し、成田市天神峰に大結集しよう! 無実の星野文昭さん、大坂正明さんを三里塚の大地にとり戻そう!

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6・26耕作権裁判・デモ
 6月26日(月)午前9時
 千葉市中央公園集合 千葉市内デモ
 10時30分開廷 千葉地裁

7・9三里塚現地闘争&天神峰樫の木まつり
 7月9日(日)正午 南台の畑に集合
 午後1時 デモ行進、市東さん宅南の開拓組合道路まで/2時〜団結・交流の企画

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