首切ったのは小池だ 都労委に申し立て団交要求

週刊『前進』04頁(2857号02面03)(2017/07/03)


首切ったのは小池だ
 都労委に申し立て 団交要求

(写真 首切りの最大の責任者である小池知事に団交を要求し都に申し入れ【6月21日 都庁】)


 東京西部ユニオンは6月21日、都庁議事堂レストランで働いていた非正規職労働者の柿沼庸子さんの解雇撤回を求め、小池知事に団体交渉を申し入れました。あわせて東京都労働委員会に、小池知事と株式会社「はなまる」による解雇は都の外注職場に組合を結成しようとしたことに対する不当労働行為(不利益取り扱い)であるとして救済を申し立てました。同日行われた記者会見で、柿沼さんは小池知事が避難者への住宅支援を打ち切ったことへの憤りを語りました(要旨別掲)。
 都庁のど真ん中から、小池知事を相手どり不当労働行為を徹底的に争い、解雇撤回をかちとる大闘争が本格的に始まりました。
 避難者追い出しとオリンピックを進める小池知事が首切りの最大の責任者です。小池の責任逃れを許さず団交に引きずり出そう。都労連はじめ都庁内外を揺るがす闘いに発展させ、解雇撤回、団結と拠点建設をかちとろう。

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避難者追い出す小池に人間として声をあげる
 被解雇者・柿沼庸子さんの発言

 子どもができてから、人の命を預かる、育てることに親として責任感を持ち、食べ物が体をつくる一番大切なものだと思って、食のことをすごく勉強したんですね。なんでこんなにアレルギー疾患が多いんだろうとか、どうやって病気が治るんだろうということを調べるうちに、戦後日本がなんで小麦文化に変わったのかということにたどり着き、アメリカと日本の政治的な流れで戦後に食文化が一変したことを知りました。そこから政治に不信感を持ちました。そういう中で、3・11原発事故があり、結局、自然を人間が全部壊す、完全に人災ですね。それに対して国が責任を取らないどころか、隠蔽(いんぺい)することに非常に憤りを感じました。何か自分にできることはないのか、子どもたちに健康被害が出たらどうするんだと不安でしょうがなかった。
 国や県が放射能の影響を隠し、病院が子どもたちをちゃんと診ない中で、福島にちゃんとした医療を行う診療所をつくろうという人たちに出会いました。私は子どもと一緒に国会前などで診療所建設のカンパを集め、ふくしま共同診療所が2012年にできました。
 そうしたら今度は診療所へのバッシングが始まり、何が起きているんだということで、政治や世の中の歴史、労働組合について勉強しました。
 動労千葉や動労水戸とその歴史を知り、この人たちがいたからいまだに戦争になっていなかったと学んで、私も何かやりたいと思いました。福島への帰還強制、避難してきている人たちへの助成金打ち切りに誰も何も言わず、何もなかったことにしてテレビ、新聞で「オリンピック、オリンピック」と言っており、こんなふざけた話はないよと思い、職場でビラを配ったり署名を集めたりしました。
 職場の人たちはほとんど非正規職で、みなさんお子さんがいらっしゃるので、自分たちの子どもの健康問題は親だったら絶対考えますよね。ほとんどの人が家族ぐるみで署名してくれました。
 ところが東京都は、子どもたちの健康を守ろうと逃げてきた人たちにはお金を打ち切って、住んでいるところから追い出すという。こんなふざけた話はないということで、4月1日に避難区域である福島県浪江町に電車を通すことに反対して、被曝労働拒否で闘っている動労水戸と一緒に浪江まで行ったんです。そこで、人が住める状況ではないということを目の当たりにしました。人が住めない、商店街も何も機能していないところに電車を通して何がオープニングセレモニーですかということで、抗議をたたきつけ、実際、表でセレモニーができない状況にしてきました。
 帰ってきて4月3日に職場に行くと「今日から来ないでください」と言われ、避難してきている福島の人たちと同じ立場になりました。この国は、都合の悪い者の口を封じ、人の命も何も関係ない、自分たちがもうけることしか考えていない。
 安倍と小池がやろうとしていることは人民の圧殺であり、みな人生や歴史があるのに、人を人とも思わないで、金もうけしかしようとしていないこの国に対して、私は人間としてどうあるべきかを、これからも声を上げていきたいと思っています。

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