NAAの土地取得は違法 三里塚・新やぐら裁判 拙速審理許さず

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週刊『前進』02頁(2866号02面05)(2017/08/03)


NAAの土地取得は違法
 三里塚・新やぐら裁判
 拙速審理許さず


 7月24日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で新やぐら裁判の弁論が開かれた。この裁判は成田市天神峰で農業を営む市東孝雄さんの農地に立つ、やぐら、看板などの四つの工作物の撤去とその土地の明け渡しを求めて、成田空港会社(NAA)が所有者である三里塚芝山連合空港反対同盟を提訴したものである。市東さんに対する農地強奪判決(昨年10月農地法裁判上告棄却で確定)の強制執行を許さない闘いとして、重要な裁判だ。
 最初に反対同盟顧問弁護団は、いずれの物件の土地も、反対同盟の一員として「空港反対」の意思のもとに市東孝雄さんと父・東市さん(故人)が反対同盟に転貸したものであり、地主の承諾も得て設置したことを具体的に明らかにした。
 次に弁護団は、今後の主張・立証プランを明らかにした。そもそも原告NAAの土地取得は農地法に違反して無効であり、農地賃貸借契約の解約許可処分は、財産権を保障する憲法第29条に違反している。四つの物件には反対同盟に正当な占有権限がある。これらの立証には書証のほかに各分野の専門家証人の証言が不可欠であり、相当の期日を要する----。
 ところがこれに対し、内田裁判長は、「土地取得の問題などについてはこれまでさんざんやってきたから十分。専門家の意見書を年内に提出し、早期に証人申請を」とせき立ててきた。
 冗談ではない! NAAは卑劣にも裁判所の早期反動判決を当てにして、自分たちが行うべき主張・反論・立証を一切行ってこなかった。さらに農地法裁判上告棄却・判決確定をもって、「すぐに土地を取れる」と意気込んで本件訴訟の打ち切りを求めてきた。こうしたNAAの横暴があるからこそ、十分な立証・防御が必要なのだ。拙速審理をやめろ! 弁護団の猛抗議とともに、傍聴席からも裁判長とNAA代理人を弾劾する怒りの声が次々と上がり、廷内は騒然となった。
 弁護団は裁判長を完全に圧倒し、「予定の消化を急ぐのではなく、内容で考えるべきだ。年内は不可能」と強く申し渡した。
 次回期日を10月30日として閉廷した。
 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団全員が発言し、あせりに駆られた裁判長の拙速裁判攻撃を打ち砕く決意を表した。
 市東さんの農地取り上げに反対する会、ユニオン習志野の連帯発言に続き、反対同盟決戦本部長の太郎良陽一さんが8・10請求異議裁判への全力決起を呼びかけて集会を締めくくった。

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強制執行阻止! 市東さんの農地を守れ!
8・10請求異議裁判・デモ
 8月10日(木)
 午前9時 千葉市中央公園集合 千葉市内デモ
 10時30分開廷 千葉地裁

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