都庁ふくしま署名解雇を許さない会 柿沼庸子(かきぬま ようこ)さんに聞く命を守る 絶対に黙らない

週刊『前進』02頁(2874号01面02)(2017/09/07)


都庁ふくしま署名解雇を許さない会 柿沼庸子(かきぬま ようこ)さんに聞く
命を守る 絶対に黙らない

(写真 左から2番目が柿沼さん。都庁前座り込みで仲間とともに【8月24日】)


 ----柿沼さんはどういう思いで闘い続けていますか。
 まず原発自体がまったく許せない。人の命を命とも思っていないこの国の政策に非常に怒りを感じます。母親は命がけで子どもを産み、育てる。それを放射能で病気にさせられる、植物や土にさわれない、福島の子どもが差別されいじめられる。原発で避難してきた人たちは、学校も、環境も、全部かわる。家族もばらばらにされる。そういう中で常磐線延伸でJRがポケモントレインを走らせた。子どもをダシにして安全・安心キャンペーンをする。こんな卑劣なことってない。
 解雇された瞬間、生活の手段を奪われた。住宅を追い出される避難者と同じ立場に立ったと思ったんです。東京で声を上げて解雇され闘っていることに、福島のお母さんたちがすごい共感してくれました。みんな声を上げていいんだよと伝えたい。上げなければ殺されてしまうって。条件闘争で闘いを辞めていく人もいる。じゃあ自分の子どもを戦争に差し出すのか、いい条件があったら放射能がなくなるのか? 人が生きていけない状況、ましてや戦争情勢もつくりあげられている。1ミリたりとも譲れない。だから絶対に黙らないぞという思いです。
 ----帰還強制を許さない3・31都庁デモ、4・1浪江現地闘争に参加した直後に解雇され、闘いに入りますね。
 動労千葉と動労水戸の闘い方を見て、これで絶対戦争は止められると学んできたので、大闘争にするイメージしかなかったんです。しかも4・1浪江現地に行った直後です。原発事故から6年間の怒りと悔しさと悲しさ、いろいろな人の命を背負ってきたその思いをみんながぶつけていく。命に対してどう責任をとるんだと、周りで働いている人たちに刺さったんでしょう。場の空気が変わったんです。それで4・1浪江セレモニーは大粉砕された。私はこの闘いを持ち帰ったらゼネストができると思ったんです。
 ----都庁ふくしま署名解雇を許さない会が結成され、都庁前で座り込み抗議も始まっていますね。
 この闘いをどんどん使ってほしい。ある職場では10人から1人100円を集めて団体1口として会員になってくれました。毎月100円集めることで仲間とやりとりができると。是非、都庁前に職場の仲間と登場してほしいですね。小池に文句を言いたい人が都庁の周りを埋め尽くす。そこから国会に上り詰めたい。
 最近、都の現場に火がついてきた。怒って小池の働かせ方や民営化のぐちを言ってくる。オリンピック反対だという人もいる。新国立競技場の建設労働者や除染労働者も話しにくる。怒りの結集軸になっています。
 ----最後に9・23闘争に向けて一言お願いします。
 安倍は北朝鮮問題で戦争をあおり「国民の安全を」と言うけど、ふざけるんじゃない! 原発はどうなんだ⁉ オリンピックは絶対粉砕です!
 民衆を戦争に送るのは役所と学校。だから自治体労働者や教育労働者を軸に戦争反対を絶対に揺るがないものにして闘います。全国全世界からいわきへの大結集を呼びかけます!
 ----ありがとうございました。

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■都庁ふくしま署名解雇撤回闘争
 TOKYO都庁議事堂レストランで働く非正規職でシングルマザーの柿沼庸子さんは今年4月3日、福島からの避難者の住宅追い出しに反対して「被曝と帰還の強制に反対する署名」を職場で集めたことを理由に解雇される。「都庁ふくしま署名解雇を許さない会」を結成し、小池都知事と、レストランを運営する株式会社「はなまる」を相手に団体交渉、東京都労働委員会闘争、都庁前座り込みなどを闘う。
 「許さない会」ブログは http://totyofuku.blog.jp/

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