朝鮮核戦争を阻もう 先制攻撃狙う米日こそ元凶 労働者人民の国際連帯で反撃を

週刊『前進』04頁(2875号03面01)(2017/09/11)


朝鮮核戦争を阻もう
 先制攻撃狙う米日こそ元凶
 労働者人民の国際連帯で反撃を


 米日韓の軍事演習に追いつめられた北朝鮮キムジョンウン(金正恩)政権は、9月3日、6回目の核実験を強行した。米トランプと安倍はこれを格好のえじきとしてますます戦争策動を強めている。最悪の挑発者・戦争放火者であるトランプと安倍を今すぐ打倒し、朝鮮戦争・核戦争を絶対に阻止しよう。
 今回の北朝鮮の核実験は、米日韓の度重なる戦争挑発が招いたものだ。
 米トランプは8月9日、「北朝鮮は世界が見たことのない炎と怒りに直面するだろう」と発言し、北朝鮮の再三の中止要求を無視して21日から米韓軍事演習を強行、北海道では陸上自衛隊との共同演習も並行して行った。さらに31日には、九州周辺空域で米軍の戦略爆撃機B1Bと最新鋭ステルス戦闘機F35Bが航空自衛隊の戦闘機F15と初の共同訓練を行い、続いてB1BとF35Bを朝鮮半島に初めて同時投入して実弾投下訓練を行った。いずれも北朝鮮への全面戦争計画である作戦計画「5015」、平壌首脳部を壊滅する「斬首作戦」を想定した演習であり、北朝鮮を激しく威圧する挑発行為だ。
 他方、本紙2873号で報じた通り、北朝鮮の中距離弾道ミサイル発射に対して、Jアラート(全国瞬時警報システム)を使って今にも日本にミサイルが着弾するかのような異常きわまるデマ宣伝を展開した安倍は、今回の核実験を受けてさらに戦争策動を加速させている。
 8月29日以降、安倍はトランプと4回も電話協議を行い、米軍が「核戦力を含む全能力を使って米国と同盟国を防衛する」ことをトランプと確認した。こうした米日の動きにロシアと中国は反発を強め、ドイツやスイスなども北朝鮮への圧力強化に反対を表明した。これに対し、安倍は石油の禁輸を含む制裁強化に向け「日本が主導的役割を果たす」となどと息巻き、さらなる圧力の強化を最も突出して叫んでいる。

核兵器で北朝鮮を恫喝してきた米帝

 そもそも東アジア・朝鮮半島の軍事的緊張が今日のような一触即発の状態に至った最大の原因は、米帝とその同盟国である日帝が北朝鮮を一貫して敵視し、核攻撃の恫喝と軍事的重圧をかけ続けたことにある。
 1950〜53年の朝鮮戦争で、米軍は日本と沖縄を出撃拠点として空爆作戦を展開し、南北朝鮮の町や村を焼き尽くした。投下された爆弾の総量は太平洋戦争で日本に投下された量の4倍近くの63万5千㌧に達し、ナパーム弾などの極めて残虐な兵器も多用され、原爆の使用まで公然と検討された。300万人とも400万人とも言われる朝鮮人民が虐殺され、1千万人もの離散家族が生まれた。53年7月の休戦協定締結後も講和は結ばれず、現在も北朝鮮は韓国やアメリカと戦争状態にある。
 その後、米帝は朝鮮半島に新たな兵器を持ち込まないと定めた休戦協定を一方的に破り、韓国に大量の核兵器を配備した(58年)。ベトナムでの米軍の敗勢が濃厚となった74年には、北朝鮮との全面戦争を想定した米韓連合軍の作戦計画「5027」が作成され、その実行を想定した軍事演習「ウルチフリーダムガーディアン」が翌75年から始まった。76年には、北朝鮮への核攻撃のシナリオに沿って米韓が共同作戦を展開することを想定した世界最大規模の軍事演習「チームスピリット」が、さらに85年からは野外機動訓練「フォールイーグル」が始まった。これらはいずれも、北朝鮮が核やミサイルに手をつけるはるか前から行われてきたのだ。

戦争あおる安倍を今すぐ打ち倒そう

 その上で、米帝と日帝はこの間、対北朝鮮の戦争挑発を一気にエスカレートさせた。一昨年の米韓連合軍による新たな作戦計画「5015」の作成と、昨年の安倍政権による集団的自衛権の行使を合法化した安保戦争法の施行は、これまでの恫喝や軍事的圧力をも超えて、北朝鮮に本格的な全面戦争を仕掛けるための策動である。
 この戦争の最大の狙いは、韓国で始まった革命を圧殺することにある。50年の朝鮮戦争が当時の東アジア全域に広がった戦後革命を最後的に圧殺したように、再び朝鮮半島を大虐殺と破壊の惨禍にたたき込むことで、米帝と日帝は民主労総を先頭とする労働者民衆の闘いを血の海に沈めようとしているのだ。
 戦争を止める力は、国境を越えて団結した労働者民衆の闘いの中にある。だが北朝鮮スターリン主義の核実験強行は、この労働者階級の国際連帯に真っ向から敵対し、それを破壊し、戦争の危機を一層促進するものでしかない。
 民主労総の声明(別掲)に応え、日本から「戦争・改憲絶対阻止! 戦争をあおる安倍を今すぐ倒せ!」の闘いを巻き起こそう。渦巻く怒りの声を11・5労働者集会・改憲阻止1万人大行進へと結集させ、始まる前に戦争を止めよう!

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