三里塚団結街道裁判 〝証人全員を採用せよ〟 裁判長を追及

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週刊『前進』04頁(2875号03面04)(2017/09/11)


三里塚団結街道裁判
 〝証人全員を採用せよ〟
 裁判長を追及


 9月1日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で、団結街道裁判の弁論が開かれた。
 原告である三里塚芝山連合空港反対同盟側はすでに10人の証人を申請しているが、そのうち「敵性証人」としては成田市の道路行政担当者として廃道処分に直接携わった今泉彰夫、中村壽孝、大山健一郎の3人、成田空港会社(NAA)幹部の木村雅一、そして小泉一成・現成田市長だ。
 これに対し被告・成田市は今回、元土木部長の中村だけを証人申請し、「その他は必要なし」とうそぶいている。市は2010年、市東さんが営農で日々使用していた市道=団結街道を暴力的に封鎖し廃道にして、NAAに格安で譲渡した。この前例のない違法を押し隠そうというのだ。
 弁護団はあらためて、証人全員の採用、特に今泉の証人尋問が必要不可欠であることを強力に主張した。今泉は、乙1として証拠採用されている「報告書」の執筆者だ。この報告書をもとに、市は「廃道手続きは適法」と主張してきた。今泉を証人として出さないなら、市は乙1を撤回しろ!
 ところが阪本裁判長は全力で被告の肩を持ち、「直接の執筆者でなくても、中村証人の証言があれば十分かもしれない。中村証人の陳述書の内容を見て判断する」と言い出した。
 弁護団はこの訴訟指揮に猛然と抗議した。傍聴席からも「不公平だ」「まじめに審理しろ!」と怒声が上がり廷内は騒然となった。
 裁判長は結論を先送りにし、次回12月12日に鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授(経済学)の証人尋問を行うことを確認して閉廷した。
 近くの会場で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた(写真)。最初に弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士が「証人採用をめぐり1年以上闘いぬいてきた。成田空港の〈公共性〉の虚偽を暴くために鎌倉先生の証人採用をかちとったことは重要だ。農地収奪の強制執行を絶対に阻止する」とあいさつし、さらに弁護団全員が証人採用を制限する裁判長を鋭く批判した。
 動労千葉の滝口誠さんが連帯発言に立ち、「10・8三里塚全国集会を朝鮮戦争反対の総決起の場にしよう」と呼びかけた。
 最後に決戦本部長の太郎良陽一さんが、「10・8集会まであと1カ月、今までと画然と違う取り組みの強化を!」と熱く訴えた。

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9・25耕作権裁判・デモ
 9月25日(月)
 午前9時 千葉市中央公園集合 千葉市内デモ
 10時30分開廷 千葉地裁

市東さんの農地を守ろう!
第3滑走路粉砕! 安倍政権打倒!
10・8三里塚全国集会
 10月8日(日)正午
 成田市東峰・萩原富夫さん宅畑(市東孝雄さん宅の南側80メートル)
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
 (連絡先)成田市天神峰63市東孝雄方/TEL0476(35)0087

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