米日帝の核戦争宣言許すな トランプ国連演説 「北朝鮮を完全破壊」

週刊『前進』04頁(2879号01面02)(2017/09/25)


米日帝の核戦争宣言許すな
 トランプ国連演説 「北朝鮮を完全破壊」

「対話は無駄骨」と戦争挑発する安倍

 米トランプは19日、ニューヨークの国連本部で行った大統領就任後初の一般討論演説で、北朝鮮の国連大使が抗議退席する異常事態の中、「米国および同盟国を守る必要に迫られた場合、北朝鮮を完全に破壊する以外に選択肢はない」と発言した。会場がどよめく中、トランプはさらに「(北朝鮮と)貿易し、武器を提供し、財政支援を行っている国に憤りを感じる」と暗に中国やロシアを非難、「キムジョンウン(金正恩)政権を孤立させるためすべての国が協力する時だ」「傍観は許されない」などと述べ、北朝鮮への圧力強化に消極的な国々にも攻撃の矛先を向けた。
 「北朝鮮を完全に破壊する」というトランプの暴言は、核兵器を使って何百万、何千万もの人びとを虐殺し、朝鮮半島―東アジアを丸ごと焦土にすることも辞さないということであり、アメリカ一国の延命のために北朝鮮のみならず中国との戦争、世界戦争をも辞さないということだ。
 続く20日、安倍が国連総会で演説し、前日のトランプ演説を受けて「米国の立場を一貫して支持する。対話の試みは無駄骨だった。もはや時間はない。必要なのは圧力だ」と主張した。世界中から抗議の声が上がっているトランプ演説を擁護し、口をそろえて戦争と圧力強化をあおったのだ。

激化の一途たどる米日韓の軍事演習

 こうした中、米日韓による朝鮮半島付近での軍事演習が激化している。18日、米軍戦略爆撃機B1B2機とステルス戦闘機F35B4機が航空自衛隊の戦闘機F2と九州上空で共同訓練を行った後、韓国北東部・江原道の演習場で韓国空軍と合同爆撃訓練を行った。F35はこの日、初めて軍事境界線近くまで北上して北朝鮮を威嚇(いかく)した。
 さらに米軍は10月、原子力空母ロナルド・レーガン率いる空母打撃群を朝鮮半島近海に展開し、韓国軍と合同軍事演習を行う見通しであることが明らかになった。また9月末からは、日米韓3国によるイージス艦を展開した弾道ミサイル防衛演習も行うとしている。
 こうした動きと並行して米上院は18日、「アジア太平洋地域の同盟国への武器販売増大」「軍事協力・訓練の拡大」を明記した国防授権法案を可決し、米軍の戦略資産を東アジアに集中するとともに、日本や韓国に大量の武器を売りつける意図をあらわにした。防衛省は来年度予算の概算要求で、過去最大の5兆2551億円を計上すると決定した。トランプと安倍によって意図的に軍事的緊張がつくられ、そこに「死の商人」=軍需産業が群がり、実際の戦争へと突き進もうとしているのだ。
 戦争を仕掛けているのは米日の方であり、その背景にあるのは、戦争をやる以外に延命できない資本主義の最末期的危機、そしてそのもとでトランプも安倍も政権崩壊の危機にあるという現実だ。衆院解散・総選挙で危機突破をはかる安倍に、今こそ労働者の怒りの反撃をたたきつけよう。11月のトランプ訪日と日米首脳会談に対し、11・5労働者集会―改憲阻止1万人大行進で迎え撃ち、トランプと安倍を打倒しよう!
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