10・8全国集会に集まろう 三里塚は安倍打倒の最前線

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週刊『前進』04頁(2881号03面01)(2017/10/02)


10・8全国集会に集まろう
 三里塚は安倍打倒の最前線

(写真 裁判に先立ち千葉地裁をデモで包囲【9月25日 千葉市】)

 国連総会で米帝・トランプや安倍は、最も凶悪な戦争放火者として登場した。戦争でしか延命できない危機に追いつめられ、解散・総選挙で突破をはかる安倍に、労働者人民の煮えたぎる怒りの反撃を叩きつけよう。三里塚は安倍打倒の最前線であり、10・8全国集会(要項1面)はその総決起集会だ。10・8で衆院選決戦必勝の団結をうち固め、安倍を打倒して改憲・戦争を阻止しよう。
 「三里塚闘争は、国鉄闘争と一体で闘ってきてくれた闘争なんです。ひるがえって考えると、国鉄分割・民営化というのは戦後最大の改憲攻撃だった。これに動労千葉と反対同盟が一緒になって立ち向かってきて、その後30年間、改憲攻撃を許さなかった。そういう自負がある。動労千葉と反対同盟が歴史の前面にもう一度登場しないといけない時がいよいよ来たんじゃないか」(動労千葉・田中康宏委員長)
 田中委員長の言葉が示すとおり、改憲とは、本当に戦争に踏み出すために国家のあり方を根本からひっくり返すということだ。戦後支配体制が全部崩壊して新自由主義に行きつき、社会が壊されていく過程での新たな攻防が始まった。「改憲と戦争は許さない」という広範な怒りを結集しなければならない。その核心に国家権力との非妥協的な闘いが座ることが重要だ。
 この情勢の中で、反戦・反権力の砦(とりで)として「国策」と真っ向から対決して闘い続ける三里塚闘争の存在は、闘う人民にとっての決定的な力である。

強制執行を阻み新たな闘い進む

 その三里塚は今、新たな闘いに歩を進めている。最高裁の上告棄却による農地取り上げ判決の確定から1年。不屈に闘う敷地内農民・市東孝雄さんは請求異議裁判を起こし、反対同盟は決戦本部を構え、署名を広げて強制執行を阻止している。国と空港会社は市東さんの農地に一指も触れられないばかりか、民衆の怒りに包囲され追いつめられている。
 怒りの矛先にある成田空港の機能強化は、改憲・戦争と一体の軍事空港建設であると同時に、新自由主義が崩壊する中での地方切り捨てそのものだ。生活することができないような追いつめられた状況の中に滑走路をつくり、騒音地獄と住民追い出しを強制する。「空港の犠牲になるのはもうゴメンだ!」という声が沸き起こるのは当然だ。あちこちで怒りの声が渦巻いている。民衆の総決起・総反乱はまったく可能だ。
 「住民説明会」をめぐる攻防がこれから再び激烈になる。空港機能強化・市東さんの農地取り上げ反対の闘いを全労働者・農民・学生の闘いに押し上げよう。反対同盟の周辺一斉行動に加わろう。

旧脱落派青行の闘争破壊許すな

 三里塚闘争が新たな闘いに発展しようとしているこの時、旧脱落派青行(せいこう=青年行動隊)の闘争破壊策動があらわになってきた。芝山町長として今や保守以上に空港推進の相川勝重や、「闘争終結」の宣伝者としてふるまい、第3滑走路推進の旗を振る石毛博道は言うに及ばない。加えて最近、1979年に「秘密交渉」を行った元事務局次長・島寛征が石毛と対談する『三里塚燃ゆ 北総台地の農民魂』なる本が出版された。三里塚闘争を終結したものとして描き、あらためて歴史を改ざんするものだ。さらには、闘争をだしにして金を集める「一坪再共有化運動」を首謀した石井新二が、第3滑走路反対の声をつぶそうと暗躍を始めた。
 83年の反対同盟「3・8分裂」は、運動路線をめぐる内部分裂などではない。反対同盟を破壊するために、その中心部から変質させ解体しようとして仕掛けられた日帝中枢によるきわめて悪質な攻撃だ。国家権力に対する恐怖からそれに呼応した旧脱落派青行は、ことさら「農民の闘い」を強調して反対同盟の総条件派化と闘争の終結を策し、闘う勢力の総屈服に道を開こうとしたのである。
 しかし三里塚闘争は、農民を主体としながら労農連帯を貫き、住民・市民運動と結び、国際連帯を希求して団結の中に力を得たからこそ、国家権力を相手に51年も農地と農民の権利を守り抜いているのだ。
 朝鮮侵略戦争の切迫情勢のもとで三里塚闘争が健在であることに追いつめられた国家権力と、それと一体となった脱落グループが「下からの闘争破壊者」として立ち現れてきたのだ。三里塚が闘いの最前線であるがゆえの、動と反動のギリギリとした激突だ。
 亡くなった北原鉱治事務局長は、3・8分裂に対して「原則を守れ」と訴え続け、事務局長解任策動を許さず、反対同盟総条件派化を文字通り最先頭で打ち砕いた。激しい同盟切り崩しと破壊工作にも揺るがない北原さんの奮闘なくして、今日の三里塚闘争はなかった。北原さんの闘いに学び、遺志を引き継ごう。
 脱落グループの策動を絶対に粉砕しよう。10・8の大結集こそ、この攻撃に対する最大の反撃である。

署名の取り組み広げ農地守ろう

 最大の攻防点は、市東さんの農地を奪う強制執行を阻止する闘いだ。この闘いは最高裁決定を阻むという新次元を切り開き、陣形を広げている。しかし本質的な強制執行情勢はなんら変わらず、さらに強固な陣形を築かなければならない。
 何よりも署名の取り組みを訴えたい。請求異議裁判署名は9月25日現在で9615筆に達し、1万筆が目前だ。裁判のたびの提出行動は、「農地取り上げ許すな」の声を国と空港会社、裁判所に叩きつけるものだ。全国各地から署名を携えて10・8に結集しよう。
 「国策」と闘い、最高裁決定をも阻み、「反戦」の先頭に立つ三里塚は、まさに「改憲・戦争阻止」の闘いの心棒だ。10・8集会で安倍打倒の民衆総決起を開始し、衆院選決戦に勝利して、11・5労働者集会・改憲阻止1万人大行進に攻め上ろう。
(幸崎淳志)
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