11・5で労働者の団結と力示そう 闘う労働運動の登場を今こそ 田中康宏 動労千葉委員長の訴え

週刊『前進』04頁(2885号02面02)(2017/10/16)


11・5で労働者の団結と力示そう
 闘う労働運動の登場を今こそ
 田中康宏 動労千葉委員長の訴え


 11・5全国労働者総決起集会―改憲阻止1万人大行進に向けた第3回実行委員会が、総選挙公示を翌日に控えた10月9日、東京都内で開かれました。ここで行われた動労千葉の田中康宏委員長の提起の要旨を紹介します。(編集局)

自らの怒りに火をつけることが大事

 明日公示の総選挙に全学連委員長の斎藤いくま君が出馬します。29歳の斎藤君の立候補は、未来を開く意味を持っています。斎藤君以外に投票できる候補がいない中で、総選挙に対するもうひとつの回答は11・5日比谷にある。選挙の勝利と一体で11・5集会を成功させたいと思います。
 先日、電通の過労自殺裁判の判決が出ました。資本家が労働者を殺しても罰金50万円。労働者の命がここまで軽々しく扱われる社会は、絶対に覆さなければならない。この現実に腹の底からの怒りを爆発させること、自分自身の怒りに火をつけることが大事です。
 戦後の歴史の中で、最大の分岐点に私たちは立っています。改憲が具体的政治日程に上り、朝鮮半島での戦争の危機が迫っている。私たちが歴史の主人公として登場しなければなりません。
 安倍が解散総選挙に訴えたら、権力欲の権化のような小池がそれと張り合い、反動を競い合っている。今回の解散はクーデターに等しい。安倍は明らかに森友・加計問題などで追い詰められて解散した。小池だって、小池待望論が盛り上がれば総選挙に出ようと思っていたけれど、全部失敗した。労働者を甘く見ていたからです。しかし、危機にあるからこそ安倍も小池も「国難突破」を叫んで戦争・改憲に向かう。
 この中で、百数十の議席を持つ民進党が一夜にして崩壊した。こんなことは戦争に社会がのみ込まれる時にしか起きない。問題は、労働者が力ある存在として登場していないことです。フランスでは労働法制改悪に対し40万人がゼネストに立った。日本の労働者が立ち上がるきっかけを11・5集会でつくりたい。

安倍―トランプの戦争会談撃つ闘い

 11・5集会は、トランプが来日し安倍との会談が行われる渦中での闘いになりました。この会談では朝鮮半島での戦争にどう踏み切るのかが、具体的に問題になる。これに対し、日韓米の労働者が集まり声を上げることに、大きな歴史的意味がある。日韓米労働者の国際連帯で戦争を絶対に止めるという声明文も準備して、全世界に発信したい。
 改憲も総選挙後、一気に動き出します。闘いを11・5集会の後も継続し、安倍が新憲法施行をたくらむ2020年までに、私たちが力ある存在として登場しなければなりません。
 戦後最大の改憲攻撃だった国鉄分割・民営化に対し、私たちは30年闘い、改憲をさせない力をつくってきた。ついに敵は危機を深め、改憲に踏み切った。この時のために、私たちは陣地を守ってきた。その陣地から打って出て、戦争への怒りの声と結びつき、反転攻勢に立つ時が来た。
 職場の怒りと結合し、職場の労働者の団結を政治闘争に高めたら、その闘いは持続力を持つ。そういう運動をつくれる情勢です。
 安倍は「残業代ゼロ法」で連合幹部と秘密合意し、連合全体に貫徹しようとして失敗した。それが解散の最後の引き金を引いた。今度は小池が連合に手を突っ込んで、民進党崩壊の引き金を引いた。すべては連合が現代の産業報国会になる過程で起きています。

労組を産業報国会にしてはならない

 連合が崩壊しつつあるこの時こそ、闘う労働運動をよみがえらせるチャンスです。連合傘下の自治労や日教組の組合員に、「労働組合が改憲と戦争の旗を振ろうとしている。これでいいのか。労働組合の本当の姿を示そう」と訴えたい。
 一番求められているのは闘う労働運動の再生です。11月集会を呼びかける全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組は、労働運動の後退の中で新自由主義の攻撃をはねかえして闘いを発展させてきた。そこに労働運動の可能性がある。
 「働き方改革」の名で、戦後労働法制、労働基本権など労働者の権利の最後的解体が進められています。働き方改革関連8法案の中には、雇用関係をなくして個人請負にしろという中身も入っている。
 労働生産年齢人口が毎年100万人減っていく現実は、自然現象ではなく、新自由主義がもたらした結果です。「子どもを産めない」という形での大量虐殺が起きている。人間が生きていくすべてを破壊した新自由主義に対し、それを取り戻すのは労働者の団結と闘い以外にありません。
 国鉄分割・民営化以来の全攻撃を覆す条件は生まれています。動労千葉組合員はこの数年で大部分が60歳を迎え、CTS(千葉鉄道サービス)などに行くことになる。JRはそこに業務を外注化しようとしている。ならば外注先で過半数を取ってやる。それでも外注化がやれるならやってみろ、ということです。
 11・5まであと1カ月、集会賛同とチケット販売を軸に全力の組織化をお願いします。
このエントリーをはてなブックマークに追加