福島の学校を訪問して 被曝と帰還の強制反対署名 「子ども守る」 先生が署名決断 福島診療所建設委員会事務局長 渡辺 馨

週刊『前進』04頁(2889号03面04)(2017/10/30)


福島の学校を訪問して
 被曝と帰還の強制反対署名
 「子ども守る」 先生が署名決断
 福島診療所建設委員会事務局長 渡辺 馨


 福島県内の小・中学校の労働組合の役員の方や養護教員の方を訪ねて、被曝と帰還の強制反対署名をお願いしてきました。これまで14校から180筆が送られてきています。今回、椎名千恵子さんと一緒に、私たち2人の地元である伊達市内の学校を訪問したことを報告します。

勇気をもらった

◇A中学校 分会長の方が対応し、この学校でも避難されている方が多くいると話してくれました。「1人1枚やればいいですか」と積極的に対応してくれます。ここは椎名さんの母校でもあり、話が弾みました。「足りないときはコピーしてください」と資料を渡すと、後日30筆の署名が届きました。
◇B中学校 事務員の女性と話しました。6年前に私が中学校のPTAだった時、一緒にがんばってきた人です。彼女も私のことを覚えていてくれて「あの時は本当に大変だったね」と、原発事故当時の苦労などお互いに話しが止まらず盛り上がりました。
 事故当時、伊達市長は学校長会の言うことをまったく聞かなかったため、5校のPTAで市長に押し掛けたこと。学校周辺はとんでもなく高線量で、市との除染をめぐる交渉や学校再開で大変だったこと。富成地区の人たちは、国が放射線の高いところは記録せず低いところだけを測っていたので、「国は信用できない」と多くの人が避難していったこと。現在全校生徒は450人で伊達市では一番生徒数が多い。飯舘村から避難している子どもも6人いるが、両親もこちらで仕事を見つけたり家を建てたりしているので皆戻らないだろうとのこと。先生の中にも米沢に避難し、昨年県外へ引っ越した方もいるとのことです。
◇都庁解雇撤回署名 これまで「被曝と帰還の強制反対署名」を取り組んでくれた組合へは、御礼を兼ねて、さらに都庁ふくしま署名解雇撤回署名をもって回っています。福島市の小学校では女性の事務員さんが「解雇はとても許せない。みんなに回します」と好反応。C小学校の先生は、「すでに取り組んでいる」「もう少しねばって集めたい」と言ってくれました。勇気をもらえます。

希望を組織する

 今回の訪問で、復興・帰還・学校再開という中で「子どもたちをどうやって守っていくのか」と必死でがんばっている先生たちが多くいることがわかりました。現場の先生たちが大きな決断として署名を取り組んでいます。あらためてこの署名がすごい力を持っていると確信しました。
 被曝と帰還の強制反対署名は10月22日現在で4万820筆。3月末の住宅支援の打ち切りと避難指示解除=帰還強制への労働者・住民の怒りが、この署名を絶対反対の闘いとしてとらえた結果だと思っています。ふくしま共同診療所が先頭となり、県内の労働組合や仮設住宅などを訪問して呼びかけていることが希望を組織しています。また診療所建設基金に協力してくれている全国の人たちが署名にも取り組み、全国的な署名運動体へと飛躍しています。
 署名運動と一体で被曝労働拒否・常磐線延伸反対の闘いがさらに強まり、国際連帯の力で、安倍の福島圧殺と真正面から激突していることの意義はとてつもなく大きいと思います。引き続き署名運動を力強く進めましょう。

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