11・17最高裁デモへ 裁判員制度はいらない!大運動 高山俊吉弁護士

週刊『前進』04頁(2891号04面02)(2017/11/06)


11・17最高裁デモへ
 裁判員制度はいらない!大運動 高山俊吉弁護士

(写真 昨年の11・18最高裁デモ)

戦争と改憲につき進む安倍

 10・22衆院選が示した政治の真実は、安倍・自民党の大勝どころか、安倍政権の決定的な危機をさらしたことでした。現政権が極端な脆(もろ)さ(比例区で有権者6人中1人しか自民党に投票しなかった)を抱えた政権であることが満天下に暴露されたからです。議席数は欺瞞(ぎまん)とペテンといかさまの合計数でしかないことが多くの国民に見抜かれる中で、安倍政権は内閣不支持者の数が決定的に高い水準にあることに怯(おび)えつつ、改憲と戦争の政策に突進しています。
 10月、朝鮮半島を東西両海域から挟んで原子力空母や戦略爆撃機B1Bなどが参加する未曽有の規模の米韓合同軍事演習が行われ、マティス米国防長官は10月27日に南北軍事境界線上の板門店(パンムンジョム)に立ちました。板門店は1953年の朝鮮戦争休戦協定調印の地、南北分断の象徴の地です。ほぼ同時期に朝鮮半島南方海域で日米の合同軍事演習も展開されました。
 「再びの朝鮮戦争」が事実上始まる中、トランプ大統領が日本をはじめ東北アジア各国に乗り込みます。いよいよ戦端開始の地ならしです。

裁判員制度は徴用・徴兵だ

 裁判員制度はこの15年来の国内外の政治情勢を抜きにして考えることができません。この制度を「主権者の権利実現としての司法参加」だと賞賛したのは、日本共産党・自由法曹団・国民救援会をはじめとする「革新勢力」と日弁連、そしてこれに追随したマスメディアでした。
 しかし、どうして自民党や政府・財界が国民の立場に立って「主権者の権利実現」を真摯(しんし)に提唱すると考えられるのでしょうか。裁判員制度の本質は、いやでも応でも国民を国の刑罰権行使の最先頭に立たせ、国民を「治安維持」の先兵として使うことにあります。規律を守ることは国を「敵」から守り抜くことの基礎であり、基盤であると考えているのです。
 裁判員制度は、戦争を最前線で担うことを強制する徴用・徴兵の現代版、すなわち「現代の赤紙」以外の何ものでもありません。私たちは、この制度が始まる以前からこの制度の狙いが戦争と改憲のための国民動員にあると見抜き、2007年に「裁判員制度はいらない!大運動」を立ち上げ、10年間、闘い続けてきました。

8割が拒絶、今すぐ廃止を!

 第1回裁判から8年、今や辞退する国民は8割に達しました。「非正規労働者の増加、高齢化、関心低下」が辞退理由だと最高裁自身が発表していますが、大半の国民が拒絶し、制度はもはや完全に破綻です。
 私たちの鉄槌(てっつい)をこの制度に振り下ろし、戦争政策と改憲策動に国民を動員するもくろみを最前線で粉砕しましょう。
 11月17日の裁判員制度反対の都心デモに一人でも多くの読者の皆さんが参加されることを呼びかけます。
 裁判所と検察庁と日弁連に強く抗議し、自民党本部と首相官邸に怒りをたたきつけ、お昼の時間帯に街中に繰り出す多くの都民と熱く交流しながら、制度廃止に向けたうねりをつくり出しましょう。
    ◇
裁判員候補通知の発送をやめろ!
11・17裁判員制度廃止!最高裁デモ
 11月17日(金)正午
 日比谷公園・霞門を出発して、東京地裁〜経済産業省・文部科学省〜首相官邸下~赤坂見附〜最高裁(三宅坂)まで
 主催/裁判員制度はいらない!大運動

このエントリーをはてなブックマークに追加