労働者階級の底力を確信 「ヨーロッパ・アメリカ労働者の反乱——1930年代の階級闘争」を読んで

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週刊『前進』02頁(2894号02面04)(2017/11/16)


労働者階級の底力を確信
 「ヨーロッパ・アメリカ労働者の反乱——1930年代の階級闘争」を読んで


 「根底的な世界革命情勢に通用するのは『根底的変革』だけです」。この「現代革命ライブラリー創刊にあたって」の簡潔な提起の中にロシア革命100年、現在までを貫くマルクス主義の核心がある。ロシア革命でレーニン・ボルシェビキは、プロレタリア自己解放の思想と確信をもってブルジョアジーへの一切の妥協と怯懦(きょうだ)を断ち切って「根底的な変革」を目指して闘い勝利した。1930年代階級闘争は、ロシア革命の息吹と思想を引き継ぎ闘う世界の労働者階級人民が、大恐慌と再びの戦争への道を拒否して、帝国主義ブルジョアジーとその反革命先兵であるファシストと血で血を洗う内戦的死闘を繰り広げた闘いの歴史である。
 それは同時に、一国社会主義論で世界革命を裏切り、「ソ連の防衛」のために帝国主義ブルジョアジーと手を組み、世界の階級闘争を圧殺したスターリン主義反革命との死闘と葛藤でもあった。
 ドイツでは、ヒトラー・ナチスとの武装闘争を展開する中でのスターリンの「社会ファシズム」論による混乱と武装解除の問題であり、アメリカでは、資本と権力による組合破壊攻撃に工場座り込みストで闘う労働者階級に対し、「人民戦線」路線によりルーズベルトとニューディール政策を支持し、第2次世界大戦へ参加していったアメリカ共産党スターリン主義の裏切り。フランスでは、人民戦線戦術によるブルジョアジーとの妥協と連立による労働者階級の工場占拠ストの圧殺であり、スペインではフランコ反革命軍と戦う革命的労働者への背後からの武装襲撃としてスターリン主義反革命は現れ革命を絞殺したのだ。
 しかし30年代の世界の労働者階級は、ブルジョアジーとその反革命先兵の白色襲撃による大恐慌と戦争の攻撃、賃下げ、首切り、組合つぶしの攻撃に対し、座り込み・工場占拠スト、地域住民と一体となったゼネスト・大衆デモ、武装デモを革命的に貫徹し、「社会を動かす主人公はわれわれだ」と高らかに示した。この血の教訓を現代革命の勝利へと引き継ぐ闘いと路線は、反帝・反スターリン主義世界革命に他ならない。
 本書は、30年代のドイツ・アメリカ・フランス・スペインの労働者階級の自己解放的闘いを、労働の現場に立って叙述し、分析している。労働者階級の底力、戦闘性をあらためてとらえ切り、確信する革命的エキスがいっぱい詰まっている。大いに学び、深め、今秋の改憲阻止・安倍打倒、国鉄決戦勝利の闘いの礎としたい。
(大野連也)
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