知る・考える 用語解説 積弊清算-全社会の変革求めるスローガン

週刊『前進』02頁(2900号02面04)(2017/12/07)


知る・考える 用語解説
 積弊清算-全社会の変革求めるスローガン


 2016年秋に当時の韓国大統領パククネ(朴槿恵)のもとでの政権と財閥の癒着が明るみに出ると、巨大な規模の退陣運動が巻き起こり、4カ月以上も続いたろうそく集会の参加者は延べ1700万人に及んだ。この闘いの中で掲げられたスローガンが「積弊清算」、すなわち歴代政権のもとで積み重ねられた弊害の清算だ。
 韓国では、サムスンやロッテなどの財閥が政権と癒着して巨大な権力と富を手にする一方で新自由主義を全社会に貫き、非正規職化、長時間・低賃金労働の強制、労働組合破壊に手を染めてきた。青年・学生が「ヘル(地獄)朝鮮」と表現するような現実への怒りが大爆発したのが「ろうそく革命」だ。
 パククネは監獄にたたき込まれ、さらに、かつて軍事独裁政権の中心にいた連中が87年の「民主化」以降も打倒されずに生き残ってきたことも明らかとなった。その筆頭格である前大統領秘書室長キムギチュン(金淇春)はパククネとともに監獄行きとなったが、パククネと一体となって労働者民衆を搾取・抑圧してきた財閥トップや政治家、高級官僚などの大多数は今なお一掃されておらず、大きな権力を握っている。
 「積弊清算」は、こうした構造のすべてを今こそ覆し、社会を根本から変革しようという決意をこめた革命のスローガンそのものだ。民主労総は「積弊清算」を掲げ、労働者が主人となる社会を実現するために闘いぬいている。
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