信越線電車が運行不能 乗客は16時間半缶詰めに 動労総連合・新潟が弾劾声明

週刊『前進』04頁(2909号02面01)(2018/01/22)


信越線電車が運行不能
 乗客は16時間半缶詰めに
 動労総連合・新潟が弾劾声明



(写真 積雪によるストップを繰り返した電車は、東光寺駅を出て300㍍で運行不能に )


 1月11日、新潟県三条市の信越本線で電車が雪で運行不能となる事故が起きた。この事故について動労総連合・新潟が出した声明を紹介します。(編集局)

信越線電車立ち往生事故を弾劾する
責任は民営化路線を進めたJR体制にある

 1月11日夜、新潟県三条市の信越本線で乗客430人の電車がひと晩立ち往生し、最長16時間半も缶詰めになる事故が発生しました。当日は新潟市内で80㌢以上の積雪を記録し、内陸の三条市でも同程度の積雪でした。「国鉄時代はこんなことはなかった」と、当時を知る労働者は口々に言います。
 原因は、民営化以来の利益優先と安全軽視であり、新自由主義の「選択と集中」にあります。JR体制が引き起こした事故であり、絶対に自然災害ではありません。
●除雪体制も「選択と集中」
 新潟支社は、新潟30㌔圏を優先的に除雪する「線区別優先順位」をとり、地方へ行くほど後回しにしています。「選択と集中」です。当日は、優先線区の新潟30㌔圏の除雪に追われ、それでも多数の運休・遅れが出ていました。当該電車は、運転途中に雪の重さでパンタグラフが降下して停車したり、雪だまりに突っ込んで停車したりしながら運行していました。この時点で排雪作業の必要性は明らかで、除雪体制をおろそかにして運転を強行した新潟支社に最大の責任があります。
●外注化と人員・コストの削減
 信越本線は、東三条駅から長岡駅までの6駅に列車運行の可否を判断する社員はいません。そこまで人員削減が進み、人海戦術の除雪もできない中で、運転士ら数人で3時間近く除雪しました。驚きの事態です。さらにJRの徹底したコスト削減による排雪機械の能力低下と台数不足が、立ち往生を長引かせたのです。
●車両の軽量化
 事故車両のE129系はステンレス製で軽く、雪に弱い車両です。新潟支社は14年にJR新津車両製作所を総合車両製作所とJR東日本テクノロジーへ子会社化・孫会社化し新型電車を製造させましたが、その目玉車両の雪への弱さが露呈しました。
●運行優先のJRの社風
 当該電車は、新潟駅から通常の倍以上の時間で現場まで行きました。東三条駅で乗務員が前途運行不能を決断・報告し、輸送指令が判断するべきだったのです。事故を未然に防げなかったのは、JRの運行優先の社風そのものです。
 山手線電柱倒壊や新幹線台車亀裂など、死亡事故につながりかねないことが連続的に起きています。JRの労務支配と御用組合の責任が大きいと考えます。動労総連合・新潟は、安全輸送体制確立の立場に立って、JRに乗客の安全・労働者の安全を要求していきます。
●責任感皆無の新潟支社
 12日、JR新潟支社の総務部長は「除雪をすれば運行に支障はないと判断した」と運行継続判断を居直っています。支社長が謝罪に出てこないことが、新潟支社の反省のなさを物語っています。「命よりも金」という新自由主義のJR東日本は、八代和幸組合員の解雇に「関与していない」と逃げ回っています。八代組合員の解雇撤回・3月ダイヤ改定粉砕へ、動労総連合・新潟は現場から18春闘を闘うことを宣言します。
1月16日
国鉄新潟動力車労働組合

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